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魔力測定
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魔力を測定するときに使われるという不思議な部屋に連れて来られた。
シャーロットさんは自分が話すとジュリアスが噛み付いてくるからなのか、ここに来るまで、こっちよ、くらいしか言わなかった。
ほとんど無言で、私が身分の高いこの二人に連行されているからか周りから、あの子一体何やらかしたんだ?という声が聞こえて気まずい思いをした。
……身分の高い人だよね??まあ私からすると貴族ってだけで身分高いなってなるけど!
っと、そうだ今はそんなことよりこの場所のこと。
この部屋の扉は色んな装飾が施されており、入る前から威圧を感じた。
ジュリアスがたぶんシリカ先生から預かったのであろう大きな鍵を取り出し扉に近付けると、ガチャリと鍵の開く音が聞こえ扉が自動で開いた。
鍵穴がないのに鍵の形なの、タイトルが夢鍵だからなのかと首を傾げながら中に入ると、急に空気が変わった感じがしてうわぁっと小さく言葉が漏れた。
部屋の広さは50mくらい……かな。広いような狭いような微妙な広さだ。
床に白と黒の石がまるでチェス盤のように広がっていて、部屋の中央に直径10mほどの魔法陣が刻まれている。
石を削ってそこに貝殻の内側を液体にして流し込んだような、あ、あれだ螺鈿細工のような感じ。
他にもっと身近なものがあったはず……と考え、自分の目元に手を当てる。
………フィリアの瞳は蛋白石のようなと思っていたけど、螺鈿の方が近いかもしれない。
同じ色で、魔力を測定する部屋の中央に魔法陣が。
魔法学校に行かせて、そこから物語が始まるのだから魔法関係だろうとは考えていた。
けどそれが急に出てきて驚いてしまう。
「………あの、私はどうすればいいですか?」
色の事を聞いてみたい。シャーロットさんはこの夢鍵について詳しく知っている可能性が高いし。
でももし知らなかった時、どうすればいいのかわからない。
不安になって、色については流して何をすればいいかを訪ねる。
「え?……ええ、そうね……。
とりあえず、その魔法陣の中央に立ってもらえるかしら。」
「はい!分かりました!」
手荷物を壁際の邪魔にならないであろう場所に置いて、小走りで言われた位置に移動する。
先生と歩いている時にはあんなに積まずいたのに……。あれは先生関係で何かあったからなのだろうかと思っていると、シャーロットさんとジュリアスがなにかを話している。
彼女の方はコロコロと表情が変わり、彼の方は何であんなにも顔を歪めるのか、不思議。
ギスギスしてるけどやっぱりあれ戯れたようにしか見えないんだよなぁなんて考えていると、ジュリアスがボソボソと言葉を紡ぎ、私の足元の魔法陣がゆっくりと光り始める。
「ではフィリアさん、今から魔力測定を始めます。
今から私のいうものを頭の中で強く思い浮かべてください。」
「……はい!」
私が町で魔力が高いと判断されたのは、簡単な魔法を難なく使い、一度も魔力不足で体調が悪くなったりしたことがないからだ。
それを不思議に思ったら両親が、世間話程度に言ったのがどんどん広まって、気付くとこのフロロフィア魔法学校に通うようにと通知が来た。
………本当はもっとややこしい言い方で、しっかりと学ばないと命に関わるだのを言われたからだけど。
だから魔力を測定するのは初めてで、少し体が強張っているのを感じ、その緊張を解そうということと想像しやすいようにと、目を瞑る。
あ、この光ポカポカしてる。
安直な例えだが春の陽だまりの中にいるような、そんな清々しい暖かさだ。
このまま眠ってしまいたくなる心地よさに、一度首を振って眠気を飛ばす。
「よろしくお願いします!」
自分に気合いを入れる意味も込めて、大きく声を出した。
シャーロットさんは自分が話すとジュリアスが噛み付いてくるからなのか、ここに来るまで、こっちよ、くらいしか言わなかった。
ほとんど無言で、私が身分の高いこの二人に連行されているからか周りから、あの子一体何やらかしたんだ?という声が聞こえて気まずい思いをした。
……身分の高い人だよね??まあ私からすると貴族ってだけで身分高いなってなるけど!
っと、そうだ今はそんなことよりこの場所のこと。
この部屋の扉は色んな装飾が施されており、入る前から威圧を感じた。
ジュリアスがたぶんシリカ先生から預かったのであろう大きな鍵を取り出し扉に近付けると、ガチャリと鍵の開く音が聞こえ扉が自動で開いた。
鍵穴がないのに鍵の形なの、タイトルが夢鍵だからなのかと首を傾げながら中に入ると、急に空気が変わった感じがしてうわぁっと小さく言葉が漏れた。
部屋の広さは50mくらい……かな。広いような狭いような微妙な広さだ。
床に白と黒の石がまるでチェス盤のように広がっていて、部屋の中央に直径10mほどの魔法陣が刻まれている。
石を削ってそこに貝殻の内側を液体にして流し込んだような、あ、あれだ螺鈿細工のような感じ。
他にもっと身近なものがあったはず……と考え、自分の目元に手を当てる。
………フィリアの瞳は蛋白石のようなと思っていたけど、螺鈿の方が近いかもしれない。
同じ色で、魔力を測定する部屋の中央に魔法陣が。
魔法学校に行かせて、そこから物語が始まるのだから魔法関係だろうとは考えていた。
けどそれが急に出てきて驚いてしまう。
「………あの、私はどうすればいいですか?」
色の事を聞いてみたい。シャーロットさんはこの夢鍵について詳しく知っている可能性が高いし。
でももし知らなかった時、どうすればいいのかわからない。
不安になって、色については流して何をすればいいかを訪ねる。
「え?……ええ、そうね……。
とりあえず、その魔法陣の中央に立ってもらえるかしら。」
「はい!分かりました!」
手荷物を壁際の邪魔にならないであろう場所に置いて、小走りで言われた位置に移動する。
先生と歩いている時にはあんなに積まずいたのに……。あれは先生関係で何かあったからなのだろうかと思っていると、シャーロットさんとジュリアスがなにかを話している。
彼女の方はコロコロと表情が変わり、彼の方は何であんなにも顔を歪めるのか、不思議。
ギスギスしてるけどやっぱりあれ戯れたようにしか見えないんだよなぁなんて考えていると、ジュリアスがボソボソと言葉を紡ぎ、私の足元の魔法陣がゆっくりと光り始める。
「ではフィリアさん、今から魔力測定を始めます。
今から私のいうものを頭の中で強く思い浮かべてください。」
「……はい!」
私が町で魔力が高いと判断されたのは、簡単な魔法を難なく使い、一度も魔力不足で体調が悪くなったりしたことがないからだ。
それを不思議に思ったら両親が、世間話程度に言ったのがどんどん広まって、気付くとこのフロロフィア魔法学校に通うようにと通知が来た。
………本当はもっとややこしい言い方で、しっかりと学ばないと命に関わるだのを言われたからだけど。
だから魔力を測定するのは初めてで、少し体が強張っているのを感じ、その緊張を解そうということと想像しやすいようにと、目を瞑る。
あ、この光ポカポカしてる。
安直な例えだが春の陽だまりの中にいるような、そんな清々しい暖かさだ。
このまま眠ってしまいたくなる心地よさに、一度首を振って眠気を飛ばす。
「よろしくお願いします!」
自分に気合いを入れる意味も込めて、大きく声を出した。
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