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ついに国外へ
第拾陸章 武人
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信長は軍勢を率いて今川討伐へ向かった
その道中堀田城には朝比奈泰朝が構えており
堀田城を攻城、その最中で泰朝との一騎打ちに及んだ
「参る!」
「....」
最初こそ槍での突合から始まったが
信長の槍が切断されその刃のない槍で泰朝の槍を受け止め太刀で断ち切った
「流石にやるな...」
「成長したであろう」
「立派に歴戦の猛者にござるぞ、上総介殿」
「初陣でそなたに会ってから俺の中で何かが変わった、そなたこそ本物の武人よ」
滅多に人を褒めない信長が少し微笑みながら敵である泰朝を褒めていることが家臣からすれば異様な光景に見えた
「今からでも遅くは無い朝比奈殿!織田に下られませ!」
「元康...いや、家康殿、お主は我が友であった、しかし、今は最早織田家臣と今川家臣....敵に情けは無用!」
「朝比奈殿...」
「いくぞ泰朝!」
「はぁぁぁぁああああああ!」
どちらも共に譲らない
1時間が経っても2人はまだ斬り合いを続ける
お互いに切り込んではいるが甲冑で上手く守り決定打が出ずにいる
「はぁ、はぁ、」
「はぁ、そろそろ決めよう」
「言うに及ばず!」
お互いにこの一撃で決めるとばかりに突っ込んでいく
「ふんっ!」
「ぅぅぅぉぉぉあああああああ!」
「あぁ.....」
家康は膝から崩れ落ちる
「戦国の常であるのだろう、よく見よ」
「見ておる...しかし....」
家康の目の前では兄のように接してくれた信長と今川家の人質で孤独だった家康に積極的に話しかけてくれた泰朝がまさに殺しあっている
そしてその決着は目の前で今まさについてしまう
ガシャンと甲冑が地面に叩きつけられるような音がする
「良き武士であった.....惜しい男を死なせた」
「うぉぉぉぉおおおおお!信長様あぁあああ!」
「今川の旗を下ろせ!我らのものを掲げろ!」
「そんな.....朝比奈様.....」
「ち....父上....」
「泰基殿....」
家康がある男の方に向かい手を差し伸べる
「くっ......この裏切り者がァ!」
泰朝の長男、朝比奈泰基が太刀を抜き家康に向ける
「貴様は....今川一門でありながら裏切るとは何たる不義!」
「朝比奈の倅よ」
声の方に目を向けると信長が近づいてきていた
「大将首.....信長の首.....も、貰い受けるぞ!」
「ば....か.....もの....」
「!?父上!」
「よいか....お主は織田に仕えよ....」
「何を言われます!私は今川家臣朝比奈泰基にござる!」
泰朝が起き上がってくる
織田の家臣も今川の家臣も足軽も将もみんなが無言で泰朝を見ていた
「よいか.....我が息子なれば....我が意志を継げ....」
「父上は織田に仕えたかったと申されるか....」
「.....」
今川重臣朝比奈泰朝、堀田城にて討死
「......あい分かり申した!」
「如何致す」
「朝比奈泰朝が嫡男!朝比奈泰基!条件付きで織田信長様にお仕えいたす!」
「条件?」
「1つお願い申し上げる!」
「申せ」
「今川家当主今川氏真様の助命嘆願にござる!」
「なっ!お主!ば、バカを申すな!」
「そうじゃ!敵の頭領を討たずして何と致す!」
「黙れぇ!」
突如勝家の怒号が響く
「氏真はそれに応じるのか?」
「某が説得致しまする」
「殿!この家康も!」
「うぬらに任せる」
「「ありがとう存じまする!」」
「だが一つだけ」
「はっ」
「家康、もし拒めば切り殺せ」
「....はっ....かしこまってございます」
「臣従か死だ、良いな泰基」
「はっ....」
駿河国今川館
「ひぃ!」
「如何した!」
「お久しぶりにござる」
「も、も、も、元康!?」
「泰基!どういうつもりじゃ!」
「岡部様、私共は織田信長様よりの使者にござる」
「寝返ったか!」
「黙れ岡部」
「貴様....今なんと申した!」
「黙れと申したのだ!我らが用があるのは氏真様ただ1人よ!」
「きっさっまぁ.....人質の身でありながら何たる物言い!この場で叩き斬ってくれる!」
「先程も申し上げたが我らは織田信長様、言わば尾張よりの使者にござる、我らを斬らば桶狭間とは逆に織田の大軍がこの駿河に押し寄せて参るぞ」
「ぬっ.....」
「氏真様」
「な、なんじゃ?」
「どうか降伏なされませ....」
「泰基...?」
「今氏真様に残された道は二つに一つ....
織田に臣従するか、今ここで我らに斬られるかにござる」
「織田信長様、ご入城にございます....」
信長が広間の上座に座る
「うぬが今川氏真か」
「今川上総介氏真にござる」
「織田上総介信長である」
「此度は助命嘆願をお聞き入れ下さり誠に感謝の念が耐えませぬ」
「礼ならば泰基と家康に言うが良い」
「はっ」
「生きておると言うことは我が家臣としてその命かける所存とみて間違いないな」
「相違御座いませぬ」
「では、この館を居城とし駿河国を治めよ」
「はっ!」
今川家第12代当主、今川氏真は信長の傘下に加わり駿河国一国を治めることになった
氏真が織田に加わったことで今川家臣であった
遠江国井伊氏や新野氏も織田に下りこの2家が主に遠江を治めていくことになる
その道中堀田城には朝比奈泰朝が構えており
堀田城を攻城、その最中で泰朝との一騎打ちに及んだ
「参る!」
「....」
最初こそ槍での突合から始まったが
信長の槍が切断されその刃のない槍で泰朝の槍を受け止め太刀で断ち切った
「流石にやるな...」
「成長したであろう」
「立派に歴戦の猛者にござるぞ、上総介殿」
「初陣でそなたに会ってから俺の中で何かが変わった、そなたこそ本物の武人よ」
滅多に人を褒めない信長が少し微笑みながら敵である泰朝を褒めていることが家臣からすれば異様な光景に見えた
「今からでも遅くは無い朝比奈殿!織田に下られませ!」
「元康...いや、家康殿、お主は我が友であった、しかし、今は最早織田家臣と今川家臣....敵に情けは無用!」
「朝比奈殿...」
「いくぞ泰朝!」
「はぁぁぁぁああああああ!」
どちらも共に譲らない
1時間が経っても2人はまだ斬り合いを続ける
お互いに切り込んではいるが甲冑で上手く守り決定打が出ずにいる
「はぁ、はぁ、」
「はぁ、そろそろ決めよう」
「言うに及ばず!」
お互いにこの一撃で決めるとばかりに突っ込んでいく
「ふんっ!」
「ぅぅぅぉぉぉあああああああ!」
「あぁ.....」
家康は膝から崩れ落ちる
「戦国の常であるのだろう、よく見よ」
「見ておる...しかし....」
家康の目の前では兄のように接してくれた信長と今川家の人質で孤独だった家康に積極的に話しかけてくれた泰朝がまさに殺しあっている
そしてその決着は目の前で今まさについてしまう
ガシャンと甲冑が地面に叩きつけられるような音がする
「良き武士であった.....惜しい男を死なせた」
「うぉぉぉぉおおおおお!信長様あぁあああ!」
「今川の旗を下ろせ!我らのものを掲げろ!」
「そんな.....朝比奈様.....」
「ち....父上....」
「泰基殿....」
家康がある男の方に向かい手を差し伸べる
「くっ......この裏切り者がァ!」
泰朝の長男、朝比奈泰基が太刀を抜き家康に向ける
「貴様は....今川一門でありながら裏切るとは何たる不義!」
「朝比奈の倅よ」
声の方に目を向けると信長が近づいてきていた
「大将首.....信長の首.....も、貰い受けるぞ!」
「ば....か.....もの....」
「!?父上!」
「よいか....お主は織田に仕えよ....」
「何を言われます!私は今川家臣朝比奈泰基にござる!」
泰朝が起き上がってくる
織田の家臣も今川の家臣も足軽も将もみんなが無言で泰朝を見ていた
「よいか.....我が息子なれば....我が意志を継げ....」
「父上は織田に仕えたかったと申されるか....」
「.....」
今川重臣朝比奈泰朝、堀田城にて討死
「......あい分かり申した!」
「如何致す」
「朝比奈泰朝が嫡男!朝比奈泰基!条件付きで織田信長様にお仕えいたす!」
「条件?」
「1つお願い申し上げる!」
「申せ」
「今川家当主今川氏真様の助命嘆願にござる!」
「なっ!お主!ば、バカを申すな!」
「そうじゃ!敵の頭領を討たずして何と致す!」
「黙れぇ!」
突如勝家の怒号が響く
「氏真はそれに応じるのか?」
「某が説得致しまする」
「殿!この家康も!」
「うぬらに任せる」
「「ありがとう存じまする!」」
「だが一つだけ」
「はっ」
「家康、もし拒めば切り殺せ」
「....はっ....かしこまってございます」
「臣従か死だ、良いな泰基」
「はっ....」
駿河国今川館
「ひぃ!」
「如何した!」
「お久しぶりにござる」
「も、も、も、元康!?」
「泰基!どういうつもりじゃ!」
「岡部様、私共は織田信長様よりの使者にござる」
「寝返ったか!」
「黙れ岡部」
「貴様....今なんと申した!」
「黙れと申したのだ!我らが用があるのは氏真様ただ1人よ!」
「きっさっまぁ.....人質の身でありながら何たる物言い!この場で叩き斬ってくれる!」
「先程も申し上げたが我らは織田信長様、言わば尾張よりの使者にござる、我らを斬らば桶狭間とは逆に織田の大軍がこの駿河に押し寄せて参るぞ」
「ぬっ.....」
「氏真様」
「な、なんじゃ?」
「どうか降伏なされませ....」
「泰基...?」
「今氏真様に残された道は二つに一つ....
織田に臣従するか、今ここで我らに斬られるかにござる」
「織田信長様、ご入城にございます....」
信長が広間の上座に座る
「うぬが今川氏真か」
「今川上総介氏真にござる」
「織田上総介信長である」
「此度は助命嘆願をお聞き入れ下さり誠に感謝の念が耐えませぬ」
「礼ならば泰基と家康に言うが良い」
「はっ」
「生きておると言うことは我が家臣としてその命かける所存とみて間違いないな」
「相違御座いませぬ」
「では、この館を居城とし駿河国を治めよ」
「はっ!」
今川家第12代当主、今川氏真は信長の傘下に加わり駿河国一国を治めることになった
氏真が織田に加わったことで今川家臣であった
遠江国井伊氏や新野氏も織田に下りこの2家が主に遠江を治めていくことになる
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