大東亜架空戦記

ソータ

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連合国軍参戦

第109話 特攻隊

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三国同盟を破棄した日本は連合国軍への参加を表明、同時に独伊、枢軸国軍との戦争状態に突入した。
日本軍は連合艦隊を大西洋へ派遣、ドーバー海峡にて日本軍にとって二度目となる大空戦を繰り広げたが戦術的には連合国軍が勝利したものの損害で見れば痛み分けと言う引き分けに限りなく近い結果に終わった。
その結果に憤慨したナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーはゲーリング元帥に対して体当たり攻撃でもすれば戦果は上がるのではないかと半ば八つ当たり的な狂気じみた罵声をあびせゲーリング元帥はこれに対して残酷な決定を下した。

「閣下....」
「ああ、ヘルムート君か」
ウォルター・ヘルムート大佐は新設されたゲーリング直属の航空隊に所属する特別航空機師団の師団長を務めている。
「私は総統閣下の思し召しに沿い、新たな部隊を新設する。」
「新たな部隊ですか」
「敵に体当たりを敢行しこれを撃破する決死の部隊だ」
「な.....ありえません...」
「しかし先の作戦に失敗した私にはこれしか残されていないようだよ。」
この残酷な部隊はなんと正式な部隊として設立されてしまった。
名はエルベ特別決死攻撃隊と名づけられ、勇猛果敢な飛行兵士諸君よいざと言うお題目に惹かれ若者が殺到しその規模は戦闘機部隊2つ分に匹敵するほどの、人員を確保出来てしまったのだ。
「ゲーリング君、期待しているよ」
「はっ!必ずや吉報をお届けいたします!」
作戦機として選ばれたのは旧式化の進んでいたJu87シュトゥーカである。
「この隊の初陣は明朝に迫っている、全員覚悟を決めておけ」
「はっ!」

「フランスにシュトゥーカ爆撃機が多数配備されたようです」
「また仕掛けてくるぞ」
「その前に明日の上陸のことを考えよ」
「はっ、」
翌日午前7時に地獄が始まった。
まず大和級戦艦15隻、アイオワ級戦艦5隻による艦砲射撃が開始された。
その発砲音を初めて間近で聞いた米英将兵は驚愕した。
「アイオワ級よりも衝撃が凄い...」
「あれを相手にしてたなんて....」
午前9時には上陸部隊第一陣が出ていく
日本陸軍第一師団、米陸軍第四師団、英陸軍第五師団が海に放たれた。
「壮観だな」
第一師団第一歩兵中隊長である立島が呟く
「なんと仰られましたか!?」
「なんでもない!前を見とけ!」
「はっ!」
出羽艦橋は騒がしかった。
敵編隊が電探に引っかかったのだ。
草鹿任一長官は索敵機を発艦させ、事態の収集を急いだ。
「空母に打電、迎撃機の用意だ」
「はっ」
「古村くん、この現状で敵の艦隊による攻撃は有り得るか」
「ドイツ海軍は現在空母は2隻保有しておりますが恐らく出してこないでしょう、彼らの艦隊は地中海にいると思います」
「そうか。ありがとう」
「索敵機より入電!我敵編隊発見、シュトゥーカト認ム、以上!」
「方位を送らせろ、全機発艦用意」
「はっ!」

隆雄達も迎撃に出撃、ドイツ軍編隊を目視で確認、全機を突撃させた。
このシュトゥーカの攻撃隊には護衛の戦闘機が確認できず、航続距離的にも不可解であった。
シュトゥーカの最大航続距離は一部は1530kmであるが、Ju87A-1の場合1000km。
Fw190A-5であれば増槽をつけての護衛が可能である。
にもかかわらず、1機の戦闘機も確認できないのだ。
60機ほどが来襲し、16機を撃墜しているがこちらも弾薬においての懸念がある。
結局艦隊上空へ34機のシュトゥーカが侵入してきた。
各艦対空射撃を開始するが驚くことが起きる。
元々が急降下爆撃機であるため急降下をしてくる時点では気づかなかったが、機体を引き起こそうとしない。
そしてそのまま体当たりを敢行、1機を初弾と言うならばその初弾は日本海軍連合艦隊旗艦出羽に命中した。
「被害知らせ!」
「敵機は右舷後部に突撃!右舷射出機が使用不能!」
「さらに来ます!」
「大和級は頑丈だ!心配するな!空母上空に弾幕を集中させろ!」
「組織的な体当たり攻撃隊ですな。」
「こんな事をするなど正気の沙汰とは思えないな。」

「赤城がさらに迎撃機を発艦させました!」
「この状況下でよく発艦できたな...」
「加賀、蒼龍も発艦準備中との事です」
「命中したら一溜りも無いぞ。」
「加賀、蒼龍より烈風隊が発艦!」
赤城艦長太田実中将の決断は早かった。
赤城制空隊長である隆雄から、「現在ノ残弾数デノ敵機殲滅ハ不可能」との申告を受け独断にて追加の迎撃機発艦を決めた。
赤城の飛行甲板に出た烈風を見た加賀艦長柴田義尚少将、蒼龍艦長勝長正少将もこれに続き迎撃機発進を独断にて決定即座に行動に移した。

上陸作戦が実行されている中での敵機来襲は各軍司令官に多大な不安感を募らせる。
「敵は上陸部隊に対して攻撃をしませんな」
「あくまで艦隊の戦力を削ぐことが目的なのだろう。」
「それに陸上戦ならばあちらの方が上と考えているのでしょうな」
「花谷さんに任せるしかなかろう」
この頃には上陸部隊はノルマンディーの海岸に着岸、上陸を開始していた。
迎え撃つのはドイツ陸軍第4師団、SS第5歩兵連隊であり、トーチカには機関銃が据えつけられ、連合国軍はその猛威に晒されている。
「遮蔽物がない....身を低くしろ!進め!後続は!」
「戦車第9連隊がもうすぐ上陸するはずです!」
「よし!平野!」
「はっ!」
「トーチカの機関銃手!狙えるか!」
「やれます!」
「よしやれ!総員援護射撃!」
二式小銃が一斉に火を噴く。
日本軍の二式小銃は対米戦時に鹵獲したアメリカ軍のM1ガーランドを日本式に改良、弾倉に直接補助具を使って装填するのではなく、マガジンを下から入れ込む方式を採用、また、ボタンひとつでマガジンが落下するため三八式歩兵銃やM1ガーランドよりも装填時間が短く抑えられている。
M1ガーランドと同じくボルトアクションを省いた設計であるため将兵からの人気も高い
「艦砲射撃が止みました!」
先程まで聞こえていた大和級等の砲撃音が全くもって止んでいる。
「対空射撃に専念してんだ....」

海上では未だにエルベ特別決死攻撃隊による特攻が続いている。
対空射撃や迎撃機による奮戦によって被害は最小限と言っていいほど抑えられている。
「榛名被弾!炎上!」
「よりによって榛名も狙われたか....」
金剛型三番艦榛名は巡洋戦艦として建造された旧式の艦艇であり、高速戦艦と名乗っているが戦艦として建造された長門や陸奥等に比べて装甲が薄い。戦艦との殴り合いで金剛型戦艦である、二番艦比叡、四番艦霧島が沈没している。
榛名艦橋では参謀以上が冷や汗を流している。
「艦長....」
「まだだ、主砲は生きてる」
榛名艦長は吉村真武大佐が務めている。
その榛名は後部艦橋を破壊され、副砲の弾薬に誘爆、火災を起こしている。しかし主砲装甲は貫通されず未だ使用可能の状態であった。
「敵機さらに接近!二機来ます!」
烈風が後ろからシュトゥーカを追いかけてくるのが見えるが無情にもその2機のシュトゥーカは榛名の前部、中央部に突入、第一主砲塔、第二主砲塔が1機目の突入により爆発、2機目の突入で艦橋付近の副砲群が壊滅、更には艦橋にある射撃指揮所が押し潰された。
「艦長!これ以上は!」
「総員退艦!急げ!」
榛名はやがてその足を止め、欧州の冷たい海に沈んで行った。これにて残る金剛型戦艦は一番艦の金剛のみである。
旧式戦艦で言えば長門型2隻と金剛型1隻、伊勢型1隻、扶桑型1隻とかつての海軍の象徴たちはその数を段々と減らしている。
伊勢艦長牟田口格郎少将は少し不安感を抱き始める。しかし唯一旧式戦艦の艦長でありながらも堂々としている将官がいた。
長門型二番艦陸奥艦長三好輝彦中将である。
「皆落ち着け、巡洋戦艦よりは頑丈だ」
「この陸奥も結構年取っております。用心に超したことは...」
「戦場では大和型も長門型も金剛型も等しく船である、沈む時は沈む、今は戦闘に集中されたし」
「はっ...」

「1機も引き返さず体当たり...か...」
ドイツ軍機による攻撃は長時間にわたり連合国軍を苦しめた。
不可解な点は連合国軍艦隊への攻撃であったのだろうが集中的に攻撃を受けたのは日本軍艦隊だったことである。
軍艦旗は各軍各国のものを使用しているため判別も可能であろう。その場合狙われたのは日本軍艦隊ということになる。
米艦隊の損害は1番日本艦隊に近かった駆逐艦2隻、英艦隊の損害もこれまた日本艦隊に近かった巡洋艦1隻、日本軍艦隊の損害は戦艦榛名、空母石垣、軽空母昇龍、重巡三隈轟沈、戦艦出羽、安芸、大和、伊勢、その他多数艦艇中破または小破と甚大な被害を蒙った。

その間にも上陸作戦は敢行されており、既に第3陣まで上陸していた。
しかし必ずしも数があれば攻略できる訳では無い。
カレーに配備されていたSS第1機甲師団、陸軍第22戦車連隊、陸軍第62歩兵連隊、第121歩兵連隊がオマハ・ビーチへ到着、続いて陸軍第82歩兵連隊、第68歩兵連隊、第21戦車連隊がユタ・ビーチへ到着した。
この増援は両海岸をさらに激戦の渦へと招いていく。
「第十一戦車連隊はまだか!」
「第4陣でとの事でしたのでもうまもなくかと!」
日本陸軍第九戦車連隊は敵のトーチカめがけ砲撃を続けているがそれでもまだそこまでの損害は与えられていないように見える。
「クソ!」
思わず戦車兵は照準器を殴り付ける。
「パンツァーフォー」
そこにSS第1機甲師団のティーガー戦車がぞろぞろと顔をのぞかせる。
「おい.....うそだろ....」

「.....ファイア」
ティーガー戦車が放った砲弾は日本陸軍第九戦車連隊の九七式中戦車をあっという間に粉砕する。
「黄色い猿共の戦車なぞ我が軍のティーガーには通用せん....構わず撃ち続けろ」
第九戦車連隊の九七式中戦車も果敢に反撃を行うがその砲弾は装甲を貫通することが出来ず火花を散らしているだけに見えた。
「撃て!撃て!」
九七式中戦車がいくら撃っても火花を散らすだけで1両も撃破できない。
第九戦車連隊の誰しもが思った。恐らくアメリカ軍のM4シャーマンを持ってしてもこの戦車は正面からでは破壊できないであろうと。
しかしそこに一筋の希望が見えた。
「目標、前方正面のタイガー戦車!てっ!」
日本陸軍第十一戦車連隊、通称士魂部隊が三式重戦車を持って上陸したのだ。
三式重戦車は一式重戦車通称虎壱を元に改良を施した国産重戦車である。
ティーガーよりも大きく、サイズ感で言えばヤークトティーガーとティーガーの間と言うような感じであった。
日本軍戦車の中でティーガーと対等にやり合える戦車と言えばこの三式重戦車ぐらいである。
その三式重戦車の砲弾はティーガーの正面垂直装甲を貫通、機関部から大爆発を誘発させた。
「2号車爆発!」
「何!?」
「第2連隊長車通信遮断!」
「第5連隊に通信、ヤークトパンターを出させろ」
「了解!」
後方にて待機していたSS第1機甲師団第5戦車連隊が前進を始める。
「パンツァーフォー!連合国のヤツらを海にたたき落とせ!」
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