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連合国軍参戦
第110話 オマハ・ビーチ
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連合国軍はフランス・ノルマンディー、オマハ・ビーチ、ユタ・ビーチへ上陸部隊を展開。
そんな中ドイツ軍の体当たり攻撃隊による猛攻に合う。
多大な損害を被ったが上陸部隊は順調にその足を進めつつあった。
「パンツァーフォー!連合国軍を海にたたき落とせ!」
SS第1機甲師団第5戦車連隊はヤークトパンターを駆り前線へと推し出てくる。
「連合艦隊へ通信!砲撃支援をよこせと伝えろ!」
「はっ!...こちら第1歩兵連隊!砲撃支援をこう!」
『こちら連合艦隊旗艦出羽、了解した。前回砲撃時の記録を元に砲撃する。修正地点を教えられたし』
「了解!」
五分ほどで1回目の砲撃が始まる
8kmほど離れているにもかかわらずその衝撃は体をしびれさせる。
「弾着今!」
あらゆる所で爆発が発生する。
「これで打開できなきゃ打つ手なしだ」
「第1中隊が突撃していきます!」
「第2中隊!援護しろ!」
第1師団第1歩兵連隊第1中隊が突撃を開始した。
中隊長は立島健二中尉である。
「冴島!行け!」
「はっ!」
冴島軍曹率いる第2分隊がドイツ軍トーチカに差し迫る。
そしてトーチカの真下まで到達した時、大和級戦艦の砲弾であろう、とてつもない衝撃波が辺りを揺らす。
立島は手信号で近くにいる冴島軍曹に作戦開始の合図を送る。
大きくてを上にあげるとそれを振り落とした。その瞬間冴島軍曹とその部下である中山伍長が手榴弾をトーチカに投げ入れた。
「伏せろ!」
中から爆風が吹き出してくる。それを見た立島は一気に攻勢をかけた。
「突撃!行けいけ!」
それを見た第一師団第二歩兵連隊も前進を開始、オマハ・ビーチでの攻防戦に動きが出始める。
前進していたヤークトパンターを駆るSS第1機甲師団第5戦車連隊は大和級の砲弾が次々と着弾、10両いたヤークトパンターもたったの3両となっている。
そして海岸線にいるSS第1機甲師団はほぼ壊滅、ソ連軍の戦車師団を一掃した精鋭部隊も太平洋を我が物顔で凱旋した浮かぶ城の砲弾には適わなかった。
これにより歩兵は先程よりは楽に進めるようになったがそれでも敵のトーチカはいくつか持ち堪えている。
日本軍や米英軍は過去稀に見る損害を出しながら進んでおり、これは後世で旅順攻囲戦以来の戦死者数と言われたほどである。
それでも連合国軍は進み続ける。
ありとあらゆる穴に手榴弾を投げ入れ敵を殲滅していく。
しかしそれで敵だけが吹き飛ぶとは限らない。
中には通気口が上下で繋がっているものがあり、投げ入れたはずの手榴弾が自分の足元に落ちてくる仕組みになっているところがある。
連合国軍は自身の投げ入れた手榴弾でも被害を被っていく。
日本陸軍第一師団第一歩兵中隊第二分隊、米海兵隊第1師団B中隊第243歩兵連隊第1分隊はこれでほぼ壊滅、残った兵士は第一分隊へ合流した。
しかし連合国軍はそれでは止まらない。
やはり先を走るのは日本陸軍第一師団第一中隊である。
「進めぇ!」
そしてその先頭に立つのはやはり、あの立島である。
連合国軍は死傷者523人という数字を出しながらも、オマハ・ビーチを占領した。
その二時間後にはユタ・ビーチが陥落、ユタ・ビーチも死傷者265人と決して少なくない将兵が犠牲となった。
「各分隊長、小隊長は中隊長の下へ集合!」
伝令係が伝令に走る、そして立島の下へ集まった分隊長以上の兵士は連隊本部へ向かった
「第一中隊お連れ致しました!」
「ご苦労だった立島中尉」
第1師団第1歩兵連隊長揚田虎己大佐が立島を労う
「部下達の働きです」
「はっは、先頭に立っていたと言うでは無いか、貴様の鼓舞があったおかげだ」
「恐れ入ります」
上陸後後方支援を行っていた第三、第四中隊の面々は先程の激戦を生き抜いた第一、第二中隊を見て少し後ろにたじろぐ。
泥まみれなのは同じだが白兵戦を行ったのだろう、返り血を浴びている中隊長が目の前にいる、それに未だに目が血走っているのだ。
「本題はなんでしょうか」
「ん、我々は明日より前進を開始する」
「目標はどこです」
「ここから1番近い都市と言えばバイユーであろう、本来であればここまで今日中に行くはずであったが、思った以上に敵の抵抗激しく叶わなんだ」
「そのバイユーでも大規模な戦闘になると参謀本部は踏んでいる」
「そのバイユーとやらに敵は総勢どれほど構えているんです?」
「この海岸線を占領して直ぐに斥候隊を派遣したが、未だに帰らない」
「殺られたのでは?」
「立島中尉!少しは味方を信じぬか!」
第三中隊長物部中尉が立島の一言に目くじらを立てる
「俺は俺の部下しか信じない、それに最悪の事態を想像するのが指揮官の務めだろう」
「しかし斥候の隊長はあの服部長義大尉だぞ」
「だからどうした」
「やめんか!連隊長の前だぞ!」
「物部、貴様は少し前線を知れ、立島の言う通り斥候に関しては最悪を想定すべきだ、しかし作戦概要は変えられない、3日後にはイギリス本土から第一空挺師団、第二空挺師団等の落下傘部隊が降下してくる、それまでにカーンを落としたい」
「今のところの最終目標はカーンという所と言うことでよろしいですか?」
「その認識で構わん、皆、よろしく頼むぞ」
「「はっ」」
その夜は第三中隊が見張りに着いた。
午前三時頃ドイツ軍による小規模な夜襲があったが即応隊として配備されていた英軍第3師団第2中隊と共にこれを撃破した。
連合国軍の指揮官は今までではありえない光景を目の当たりにしている。
昨年まで殺しあっていた米英軍と日本軍が共に雑魚寝をしているのだ。
どの軍にも兄弟などを殺された兵士は大勢いる。それでも彼らは手を取り合い共にオマハ・ビーチを奪取した。
その事実に指揮官たちは少しの感動を覚えた。
そして午前6時、英軍第4師団第1歩兵中隊を先頭に連合国軍は動き出した。
「おい第四戦車連隊だ」
第1師団第1歩兵連隊所属の平松安寿上等兵が、隣にいる宍戸上等兵に話しかける。
「第四...あ、宍戸少尉殿!」
すると1人の兵士がこちらをむく
「ん、お、第1連隊か、頑張れよ!二郎!」
「兄貴も!」
「おう!」
このふたりは実の兄弟であり、小さい頃から仲の良い見本のような兄弟であった。
兄は勉学や周囲への目配りが得意であり、第四戦車連隊3号車の車長を務め、弟は小さい頃からの体力を持ち前に歩兵で奮闘を重ねる。
地元では有名な軍人兄弟である。
ポールアンベッサン付近を通り掛かったところにドイツ軍からの攻撃があった。
横を突かれた形となり英軍第4師団は大混乱に陥った。右往左往している間に機関銃に撃ち抜かれどんどん将兵が倒れていく。
日本陸軍第一師団第一歩兵連隊長揚田大佐が直ぐに第一中隊を全然に押し出し同地の占領を臨時目標として断行、そこに米海兵第1師団A中隊が到着、持ち直した英軍第4師団と共に日本軍の援護を開始、敵の機関銃に悩まされ、1時間程膠着を見せたが、日本陸軍第四戦車連隊の到着、敵の機関銃陣地となっていた外縁の家屋を砲撃、敵の機関銃を無力化したところに歩兵隊が突撃を開始、3時間の激闘の末に同地を奪取した。
「小休止したら前進を再開する!今度は俺たちが先頭だ!」
「はぁ....タバコあるか」
「ほらよ」
「ありがとよ」
「おう」
昨日の激戦を生き抜いて、今回の戦闘も生き抜いた兵士達の顔は少しずつ疲弊してきていた。
「バイユーでは何人生き残るでしょう...」
「全員生き残る....きっとな...」
「第一中隊から出発します」
「任せたよ」
「はっ、総員出発!」
立島の号令で全員が立ち上がり列を作る
「前へー!進めぇ!」
常時では旗手を務めていた大原一等兵の掛け声で師団は前進を始める。
普段であれば軍旗を掲げながらの行進であるが目立って敵に場所を知らせているものだということで今作戦では軍旗は用いられるどころか内地に置いてきている、そして旗手であるはずの大原一等兵は第一中隊の第四分隊員として作戦に従事している。
そして連合国軍はバイユーに到着したが、やはり大規模な迎撃に合う。
「第一中隊!散開!分隊で纏まって動け!」
「竹中軍曹!」
「はっ!」
「貴様の分隊は連隊本部へ伝令とする!敵ノ反撃激シク戦車ノ支援ヲ求厶!行け!」
「はっ!」
直後後方で爆発音が響く。
「竹中!」
立島の目には粉々に吹き飛んだ竹中軍曹の姿があった。
「っ.....下村!行け!」
「は、は、はい!」
竹中軍曹の部下である下村一等兵に再度命令し伝令を走らせた。
「中隊前へ!多少無理してでも進め!」
「第2歩兵連隊到着!」
「福山か!」
「おう!どうだ戦況は!」
「必ずしも優勢ならず!」
「はっ!だろうな!見りゃわかる!」
「なんか持ってきたのか!」
「手投げ弾ならあるぞ!」
「そんなもんみんな持ってる!ふざけんな!」
「ははは!こじ開けるのか!」
「手を貸せ!」
「任せろ!第一中隊!第一連隊の援護!1人も殺させるなよ!」
「「了解!」」
「第一連隊は第一分隊を先頭に手前の家屋に入り込む!続け!」
この時この場にいたのは第一歩兵連隊、第二歩兵連隊のそれぞれ第一中隊のみであり、第一歩兵連隊第二中隊は第一中隊左翼に、第二歩兵連隊第二中隊は未だ後方3km地点を前進中であった。
その後すぐに到着したのは英国軍第4師団第3歩兵連隊第3中隊であった。
この隊は日本軍に合流し直ぐに援護射撃などを始めたが射撃開始5分で指揮官が頭に弾丸を受け戦死した、それに伴い指揮権が第2中隊に移ってしまう、第2中隊長ジェームス大尉は第3中隊の撤退を命令、再び日本軍のみで後続を待たねばならなくなった。
その後に来たのは日本陸軍第一師団第二歩兵連隊第二中隊と日本海軍海兵団第一歩兵師団第四歩兵連隊であった。
「イギリス野郎ども引きやがった!」
「途中で突っ立ってたよ!タバコなんざ咥えやがって」
「ドイツ野郎の次はやっぱりあいつらだ!」
「第二連隊!突撃!」
日本軍は次々と家屋を制圧、後続の米陸軍第6師団第34歩兵連隊が来るまでに3分の1を奪取していた。
18時38分、約5時間の激闘を制し連合国軍はバイユーを占領、連合軍司令部を設置した。
「ふぅ....やっと一息つけますな...」
「花谷中将閣下.......」
あとから入ってきた揚田大佐から何やら耳打ちをされている。
「揚田君...それは誠か?」
「第一歩兵連隊第一中隊長立島中尉、第二歩兵連隊第二中隊長福山中尉、第二中隊長三富中尉、海兵団第一師団第四歩兵連隊長よりも同様の知らせがありました」
「わかった。当人を待とう」
「はっ」
米軍指揮官サイモン・バックナー中将は日本軍のピリついた雰囲気を察知し何も口を開かなかった。
そしてそこに英国軍司令官ウィリアム・スリム大将、バーナード・モントゴメリー中将が入ってきた。
「今日はお疲れ様でございましたな」
「ウィリアム大将...バーナード中将に問う」
「はっ」
「英国第四師団第三歩兵連隊第二中隊の長はどちらの部下か」
「第4師団はここにはおりませがマイルズ少将の指揮下であります」
「ここへ連れて参れ」
「は?」
「ここに連れてこいと言ったのだ!」
「何故です!」
「何故だと!?その第二中隊長の独断で我が軍の第一師団第一歩兵連隊、第二歩兵連隊が全滅するやもしれなかったんだ!」
「なっ....そのような....ありえません!」
「いいから連れてこい!」
花谷中将は本来上官であるウィリアム大将に向かって目の前にあった灰皿を投げつけた
「落ち着かれよ!花谷中将!」
バックナー中将が必死に諌めようとするが一向に立ち上がらない英国軍指揮官の両人に花谷だけでなく揚田大佐も怒りを顕著に出してくる。
「早く行かれよ!さもなくばこの私が直々にその中隊長を処してくれようぞ!」
「ライアン!」
バックナーが自身の副官を呼ぶ
「英国軍陣地へ向かい直ちに当人を探し出し連れてこいこれは連合国軍としての問題だ」
「イェッサー!」
「バックナー中将!勝手なことは!」
「貴官らはまた日本と戦争がしたいのか!?」
そんな中ドイツ軍の体当たり攻撃隊による猛攻に合う。
多大な損害を被ったが上陸部隊は順調にその足を進めつつあった。
「パンツァーフォー!連合国軍を海にたたき落とせ!」
SS第1機甲師団第5戦車連隊はヤークトパンターを駆り前線へと推し出てくる。
「連合艦隊へ通信!砲撃支援をよこせと伝えろ!」
「はっ!...こちら第1歩兵連隊!砲撃支援をこう!」
『こちら連合艦隊旗艦出羽、了解した。前回砲撃時の記録を元に砲撃する。修正地点を教えられたし』
「了解!」
五分ほどで1回目の砲撃が始まる
8kmほど離れているにもかかわらずその衝撃は体をしびれさせる。
「弾着今!」
あらゆる所で爆発が発生する。
「これで打開できなきゃ打つ手なしだ」
「第1中隊が突撃していきます!」
「第2中隊!援護しろ!」
第1師団第1歩兵連隊第1中隊が突撃を開始した。
中隊長は立島健二中尉である。
「冴島!行け!」
「はっ!」
冴島軍曹率いる第2分隊がドイツ軍トーチカに差し迫る。
そしてトーチカの真下まで到達した時、大和級戦艦の砲弾であろう、とてつもない衝撃波が辺りを揺らす。
立島は手信号で近くにいる冴島軍曹に作戦開始の合図を送る。
大きくてを上にあげるとそれを振り落とした。その瞬間冴島軍曹とその部下である中山伍長が手榴弾をトーチカに投げ入れた。
「伏せろ!」
中から爆風が吹き出してくる。それを見た立島は一気に攻勢をかけた。
「突撃!行けいけ!」
それを見た第一師団第二歩兵連隊も前進を開始、オマハ・ビーチでの攻防戦に動きが出始める。
前進していたヤークトパンターを駆るSS第1機甲師団第5戦車連隊は大和級の砲弾が次々と着弾、10両いたヤークトパンターもたったの3両となっている。
そして海岸線にいるSS第1機甲師団はほぼ壊滅、ソ連軍の戦車師団を一掃した精鋭部隊も太平洋を我が物顔で凱旋した浮かぶ城の砲弾には適わなかった。
これにより歩兵は先程よりは楽に進めるようになったがそれでも敵のトーチカはいくつか持ち堪えている。
日本軍や米英軍は過去稀に見る損害を出しながら進んでおり、これは後世で旅順攻囲戦以来の戦死者数と言われたほどである。
それでも連合国軍は進み続ける。
ありとあらゆる穴に手榴弾を投げ入れ敵を殲滅していく。
しかしそれで敵だけが吹き飛ぶとは限らない。
中には通気口が上下で繋がっているものがあり、投げ入れたはずの手榴弾が自分の足元に落ちてくる仕組みになっているところがある。
連合国軍は自身の投げ入れた手榴弾でも被害を被っていく。
日本陸軍第一師団第一歩兵中隊第二分隊、米海兵隊第1師団B中隊第243歩兵連隊第1分隊はこれでほぼ壊滅、残った兵士は第一分隊へ合流した。
しかし連合国軍はそれでは止まらない。
やはり先を走るのは日本陸軍第一師団第一中隊である。
「進めぇ!」
そしてその先頭に立つのはやはり、あの立島である。
連合国軍は死傷者523人という数字を出しながらも、オマハ・ビーチを占領した。
その二時間後にはユタ・ビーチが陥落、ユタ・ビーチも死傷者265人と決して少なくない将兵が犠牲となった。
「各分隊長、小隊長は中隊長の下へ集合!」
伝令係が伝令に走る、そして立島の下へ集まった分隊長以上の兵士は連隊本部へ向かった
「第一中隊お連れ致しました!」
「ご苦労だった立島中尉」
第1師団第1歩兵連隊長揚田虎己大佐が立島を労う
「部下達の働きです」
「はっは、先頭に立っていたと言うでは無いか、貴様の鼓舞があったおかげだ」
「恐れ入ります」
上陸後後方支援を行っていた第三、第四中隊の面々は先程の激戦を生き抜いた第一、第二中隊を見て少し後ろにたじろぐ。
泥まみれなのは同じだが白兵戦を行ったのだろう、返り血を浴びている中隊長が目の前にいる、それに未だに目が血走っているのだ。
「本題はなんでしょうか」
「ん、我々は明日より前進を開始する」
「目標はどこです」
「ここから1番近い都市と言えばバイユーであろう、本来であればここまで今日中に行くはずであったが、思った以上に敵の抵抗激しく叶わなんだ」
「そのバイユーでも大規模な戦闘になると参謀本部は踏んでいる」
「そのバイユーとやらに敵は総勢どれほど構えているんです?」
「この海岸線を占領して直ぐに斥候隊を派遣したが、未だに帰らない」
「殺られたのでは?」
「立島中尉!少しは味方を信じぬか!」
第三中隊長物部中尉が立島の一言に目くじらを立てる
「俺は俺の部下しか信じない、それに最悪の事態を想像するのが指揮官の務めだろう」
「しかし斥候の隊長はあの服部長義大尉だぞ」
「だからどうした」
「やめんか!連隊長の前だぞ!」
「物部、貴様は少し前線を知れ、立島の言う通り斥候に関しては最悪を想定すべきだ、しかし作戦概要は変えられない、3日後にはイギリス本土から第一空挺師団、第二空挺師団等の落下傘部隊が降下してくる、それまでにカーンを落としたい」
「今のところの最終目標はカーンという所と言うことでよろしいですか?」
「その認識で構わん、皆、よろしく頼むぞ」
「「はっ」」
その夜は第三中隊が見張りに着いた。
午前三時頃ドイツ軍による小規模な夜襲があったが即応隊として配備されていた英軍第3師団第2中隊と共にこれを撃破した。
連合国軍の指揮官は今までではありえない光景を目の当たりにしている。
昨年まで殺しあっていた米英軍と日本軍が共に雑魚寝をしているのだ。
どの軍にも兄弟などを殺された兵士は大勢いる。それでも彼らは手を取り合い共にオマハ・ビーチを奪取した。
その事実に指揮官たちは少しの感動を覚えた。
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「おい第四戦車連隊だ」
第1師団第1歩兵連隊所属の平松安寿上等兵が、隣にいる宍戸上等兵に話しかける。
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すると1人の兵士がこちらをむく
「ん、お、第1連隊か、頑張れよ!二郎!」
「兄貴も!」
「おう!」
このふたりは実の兄弟であり、小さい頃から仲の良い見本のような兄弟であった。
兄は勉学や周囲への目配りが得意であり、第四戦車連隊3号車の車長を務め、弟は小さい頃からの体力を持ち前に歩兵で奮闘を重ねる。
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横を突かれた形となり英軍第4師団は大混乱に陥った。右往左往している間に機関銃に撃ち抜かれどんどん将兵が倒れていく。
日本陸軍第一師団第一歩兵連隊長揚田大佐が直ぐに第一中隊を全然に押し出し同地の占領を臨時目標として断行、そこに米海兵第1師団A中隊が到着、持ち直した英軍第4師団と共に日本軍の援護を開始、敵の機関銃に悩まされ、1時間程膠着を見せたが、日本陸軍第四戦車連隊の到着、敵の機関銃陣地となっていた外縁の家屋を砲撃、敵の機関銃を無力化したところに歩兵隊が突撃を開始、3時間の激闘の末に同地を奪取した。
「小休止したら前進を再開する!今度は俺たちが先頭だ!」
「はぁ....タバコあるか」
「ほらよ」
「ありがとよ」
「おう」
昨日の激戦を生き抜いて、今回の戦闘も生き抜いた兵士達の顔は少しずつ疲弊してきていた。
「バイユーでは何人生き残るでしょう...」
「全員生き残る....きっとな...」
「第一中隊から出発します」
「任せたよ」
「はっ、総員出発!」
立島の号令で全員が立ち上がり列を作る
「前へー!進めぇ!」
常時では旗手を務めていた大原一等兵の掛け声で師団は前進を始める。
普段であれば軍旗を掲げながらの行進であるが目立って敵に場所を知らせているものだということで今作戦では軍旗は用いられるどころか内地に置いてきている、そして旗手であるはずの大原一等兵は第一中隊の第四分隊員として作戦に従事している。
そして連合国軍はバイユーに到着したが、やはり大規模な迎撃に合う。
「第一中隊!散開!分隊で纏まって動け!」
「竹中軍曹!」
「はっ!」
「貴様の分隊は連隊本部へ伝令とする!敵ノ反撃激シク戦車ノ支援ヲ求厶!行け!」
「はっ!」
直後後方で爆発音が響く。
「竹中!」
立島の目には粉々に吹き飛んだ竹中軍曹の姿があった。
「っ.....下村!行け!」
「は、は、はい!」
竹中軍曹の部下である下村一等兵に再度命令し伝令を走らせた。
「中隊前へ!多少無理してでも進め!」
「第2歩兵連隊到着!」
「福山か!」
「おう!どうだ戦況は!」
「必ずしも優勢ならず!」
「はっ!だろうな!見りゃわかる!」
「なんか持ってきたのか!」
「手投げ弾ならあるぞ!」
「そんなもんみんな持ってる!ふざけんな!」
「ははは!こじ開けるのか!」
「手を貸せ!」
「任せろ!第一中隊!第一連隊の援護!1人も殺させるなよ!」
「「了解!」」
「第一連隊は第一分隊を先頭に手前の家屋に入り込む!続け!」
この時この場にいたのは第一歩兵連隊、第二歩兵連隊のそれぞれ第一中隊のみであり、第一歩兵連隊第二中隊は第一中隊左翼に、第二歩兵連隊第二中隊は未だ後方3km地点を前進中であった。
その後すぐに到着したのは英国軍第4師団第3歩兵連隊第3中隊であった。
この隊は日本軍に合流し直ぐに援護射撃などを始めたが射撃開始5分で指揮官が頭に弾丸を受け戦死した、それに伴い指揮権が第2中隊に移ってしまう、第2中隊長ジェームス大尉は第3中隊の撤退を命令、再び日本軍のみで後続を待たねばならなくなった。
その後に来たのは日本陸軍第一師団第二歩兵連隊第二中隊と日本海軍海兵団第一歩兵師団第四歩兵連隊であった。
「イギリス野郎ども引きやがった!」
「途中で突っ立ってたよ!タバコなんざ咥えやがって」
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「第二連隊!突撃!」
日本軍は次々と家屋を制圧、後続の米陸軍第6師団第34歩兵連隊が来るまでに3分の1を奪取していた。
18時38分、約5時間の激闘を制し連合国軍はバイユーを占領、連合軍司令部を設置した。
「ふぅ....やっと一息つけますな...」
「花谷中将閣下.......」
あとから入ってきた揚田大佐から何やら耳打ちをされている。
「揚田君...それは誠か?」
「第一歩兵連隊第一中隊長立島中尉、第二歩兵連隊第二中隊長福山中尉、第二中隊長三富中尉、海兵団第一師団第四歩兵連隊長よりも同様の知らせがありました」
「わかった。当人を待とう」
「はっ」
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そしてそこに英国軍司令官ウィリアム・スリム大将、バーナード・モントゴメリー中将が入ってきた。
「今日はお疲れ様でございましたな」
「ウィリアム大将...バーナード中将に問う」
「はっ」
「英国第四師団第三歩兵連隊第二中隊の長はどちらの部下か」
「第4師団はここにはおりませがマイルズ少将の指揮下であります」
「ここへ連れて参れ」
「は?」
「ここに連れてこいと言ったのだ!」
「何故です!」
「何故だと!?その第二中隊長の独断で我が軍の第一師団第一歩兵連隊、第二歩兵連隊が全滅するやもしれなかったんだ!」
「なっ....そのような....ありえません!」
「いいから連れてこい!」
花谷中将は本来上官であるウィリアム大将に向かって目の前にあった灰皿を投げつけた
「落ち着かれよ!花谷中将!」
バックナー中将が必死に諌めようとするが一向に立ち上がらない英国軍指揮官の両人に花谷だけでなく揚田大佐も怒りを顕著に出してくる。
「早く行かれよ!さもなくばこの私が直々にその中隊長を処してくれようぞ!」
「ライアン!」
バックナーが自身の副官を呼ぶ
「英国軍陣地へ向かい直ちに当人を探し出し連れてこいこれは連合国軍としての問題だ」
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ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
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