頬に落ちる、透明な君

いちごみるく

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土曜日。

次の日、俺は同じ学校の美人先輩とデート(?)に行くという現実をまだ夢見心地で受け止めていた。

先週の今頃は、配信アプリでアニメを見まくっていたのに…。

今が間違いなく人生の分岐点だということは何となく分かっている。

しかし、俺はどうすればいいのか全く分からなかった。

そもそも、あの人は…

鳴美さんは、何故俺と親しくしてくれているのだろうか?

俺が同じぼっちだから?

一緒に昼食を摂る相手として都合が良かったから?

だとしたら、何故日曜日にまでわざわざ会うのだろうか……



まさかそんなはずはない。

よくあるラノベの主人公みたいに、自由にぼっちで過ごしていたら突然現れた美人転校生に気に入られて何故か向こうからグイグイきてそしていつの間にかウフフな展開……

とかそんなの、俺には絶対あり得ない…


もしかして美人局か?もしくは罰ゲーム?


これまで女子にモテてきた経験のないこじらせ野郎の俺は、さっきまでの都合の良い解釈と同時にこんなことも考えていた。


(明日会う前に…ちゃんと聞いておくべきだよな……)


会ってからネタバラシされるくらいなら、今ここで知ってしまったほうが傷は浅い。

そう思った俺は、昨日帰り際に渡された鳴美さんの連絡先に思い切ってメッセージを送ってみたのだった。
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