エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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5-13、カメ、情報整理する

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 通り魔事件に関してわかっているのは、トップ二人はお互いに相手の仕業と考えていること。カズの考えでは他に犯人がいる。
昨日の事件は得体の知れない化け物がいた。幽霊でもなく人でもない。あれは魔族だ。異界の種族がどうしてこんなところに?通り魔は校舎外で起こっているのだから関係ない、と一様に言い切ってよいものだろうか?
「どうしはるかな・・・・」
「・・・情報不足」
見知ったちょっと懐かしい声に顔を上げると、冷凍イカのような青い瞳がこっちを見下ろしていた。
「ロンはん」
「違う」
「え?」
「サード」
「あ、ああ、サードはん」
レイカがリルクのことをお兄ちゃんと呼ぶのと同じだ。“サード”それがロンのコードネームなのだろう。しかしなぜ三番目なのだろうか?単純にいくなら、上に兄姉が二人いると考えられる。
「情報不足とはどういうことやろか?」
「言葉の通り」
「・・・もう少し詳しく」
「5w1hに当てはめる」
「ほな、一個ずつ」
WHEN、ここ数週間。
WHERE、学校外で。
WHO、誰かが。
WHAT、何かで。
WHY、何らかの理由で。
HOW、病院送りになるまで暴行した。
「今のところWHYは犯人はんから聞くしかあらへんなぁ」
「犯人不明は仕方がない」
一度目の当たりにしたとはいえ、犯人を見たわけじゃないし、凶器のことや襲われた時の状況不足だ。
「カズはんに頼んで被害者に話聞いてみよ。サードはんありがとう・・・はら、おらへん」
今後の方針がまとまり顔をあげた時、サードの姿はなく、風に揺らぐ木の葉がヒラヒラと舞い落ちていた。まるで、最初からそこには誰もいなかったかのように・・・・・・。
「相変わらず神出鬼没な人どす」
心の中で感謝し、レイカはカズを探しに校舎へと足を進めた。
そして、やたらとガタイのいい男子高生に囲まれて涙目になった。どうやらラグビー部の集会に紛れ込んでしまったようだ。泣くレイカの扱いに周囲の男子生徒達も困っている。
「あ、こんなところにいた」
「カズはん?!」
「お兄ちゃんが探してたぞ。皆も世話かけちまって悪いな」
集団の中からレイカを引き摺りだす。
「なぁ、何で最初は白の襲撃だと思ったん?」
「ん?」
「うち、みんなが知ってること知りまへん。教えてほしいんどす」
「対立してるところは端折っていいな」
入学式の時から何となくそりが合わないで始まったのが周囲巻き込んでズルズル続いてるだけだからさ、とカズが続ける。深い因縁があるわけではないらしい。
「白組の仕業だって考えたのは襲撃受けた奴の証言からなんだ」
「顔を見た訳ではなかったんどすか?」
「ああ、何かが飛んでくる音が聞こえたと思ったら後頭部に強い一撃を受けた。皆そう証言している」
あの後輩の後頭部にあった痣がその後だろう。
「何かが飛んできはったん?」
「そう、石が飛んできたんだよ。で、白の奴らがよく使ってる武器がパチンコってなわけ。笑えるほど見事な一致だろ」
「確かに筋が通ってる気がします」
「でも、通り過ぎだろ。全面戦争でも起こす気ならまだしも、俺ならこっちの武器を使って襲うぜ」
「何をよく使ってはりますの?」
「バットだな。バイク乗りながら地面とこすり合わせると良い音が鳴るんだ」
おそらく、それで襲われたから生徒会長は黒の仕業だと断言したのだろう。日常での実用性も兼ねた彼ららしい武器と言える。
「心配しなくてもこれ以上何か起こらないから大丈夫だって」
「なんでどすか?」
「うん、秘密」
「むぅ、そういえば、何でお兄ちゃんに伝えてくれなかったんどすか?」
「利敵行為はしたくないしww」
それもそうかとレイカは納得した。
「何でお兄ちゃんをそんなに仲間にしたがるんどすか?」
こう言っては何だが、リトアは喧嘩に弱くはないが、進んでするタイプではない。この学校で毛色が変わった生徒として扱われているのはそのためだろう。
「う~ん、簡単に言うなら誘いやすいからだな」
カトレアはモデル活動をしていてほとんど学校に来ていない。ゴックは学校一の秀才であるが故に取っ付き難い。
「あと、あいつが入れば人数の釣り合いが崩れるんだ」
「そんなことだと思ったよ」
いつの間にか二人の前にゴミ袋を下げたリトアが立っていた。
「僕が加わったからと言って変化あるとは思えないかな」
「謙遜するなって」
「そうそう、クラス準備の時間だよ」
「あとは衣装合わせだけだし、何とかなるって」
「お兄ちゃんたちは何をしはりますの?」
「「『喫茶、ALICE』をよろしく」」
そういってリトアから渡されたのはあのチケットだった。
「一枚につき二人まで呼べるから友達と一緒来てね」
イスカと自分とロンとロイズでちょうど四人だ。二枚あるから皆で遊びに行ける。
「あ」
ここに来てレイカは思い出した。


                                  続く
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