エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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5-14、カメ、電話をかける

エターナニル魔法学園特殊クラス

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 攫われてから数日仲間の誰にも連絡を入れていないことを・・・・・・携帯を操作するが、動かない。画面が暗いまま。どうやら充電切れのようだ。
「ちょ、ちょっと失礼します」
精霊に充電してもらってから大急ぎで電話帳からイスカを探しだす。
『ただいま、電波が届かない所にいるか、電源が入っておりません』
「あそこ電波状態が悪いからその内かけてくる、と思うよ」
「日曜学校の友達だろ。明日でもいいんじゃないか」
日曜学校とは、6~12歳相当の子供に対して教会や国営学術館が教えるものだ。カーレントでの小学校に当たる。共通語や算数、簡単な歴史を教えている。
「・・・そうどすなぁ」
お詫びの品も手に入っている。それにロンがこっちに来ていたということは、向こうは安全になったのだろう。でなければ、ロイズが彼を手放すはずがない、とレイカは思っている。
「喫茶店の内容は当日までの内緒な」
ごめん、名前で分かった。できるだけ表情を殺したのだが、顔に出たのだろう。カズが博学なんだなと褒めてくれた。さすがに何を担当するかまでは教えてくれなかったが、餡蜜とホットケーキが売りの店だと教えてくれた。
「他のクラスも色々するらしいよ」
「そうそう、お化け屋敷とか占い屋とか出店とか」
出店。その言葉にレイカの瞳が輝く。
「講堂で劇をやるクラスもあるみたいだよ」
「無礼講までじゃないが、年に一度のお祭り騒ぎってわけだ。皆気合入るさ」
「先生は何してはります?」
「基本は放置かな。期末テストの準備で忙しいからね」
「昨日のこともあるから早めに帰った方がいいんじゃないのか?」
「一人にしておくのも・・・図書館も18:00には閉まってしまうし・・・・・・カズと一緒にいた時に会った喫茶店を覚えてるかな。19:00に集合で」
「じゃあ、それまで他のグレー探しててもええ?」
「いいけれど、迷惑をかけないように」
「はーい」
「種族特徴だけ教えてやってもいいよな」
「はい、僕からだとどこまで教えていいかわからなくて」
「種族名だけでええどす。あとは自分で調べはるから」
「わかりやすいのはゴックだな。鋼人だから肌の色で分かる」
灰色の肌で私服を着ているのが彼。
「わかりにくいのはカトレアだな。インセクターだし」
昆虫に変化できる種族だ。耳に甲殻の欠片がある。それ以外は人間と変わらない。
「探しにくそうどすなぁ」
「何とかなると思うよ」
目立つ人達だからな、と頷き合う。
「・・・・・・なぁ」
「ん?」
「どうしはったん?」
「・・・やっぱ何でもないわー。引き留めちまって悪―な」
運んでいたゴミ袋を半分ずつ持つとカズとリトアは焼却炉の方へ歩いて行った。


                                続く
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