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三粒目 黄金李 ~『貪欲は必ず身を食う』の巻~
その二 思阿さんは、やっぱり肝心なときにいないのです!
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荷車は、里の門を入ってすぐの小さな家の前で止まった。
わたしは、荷車の荷台に何度も腰を打ち付けた痛みで、すぐには立ち上がれなかった。
腰をさすっているわたしを、先ほどと同じように、友德様が抱え上げようとした。
しかし、今回は、思阿さんが素早くその腕を掴んで、わたしに触らせなかった。
「それは、俺の仕事ですから――」
怪訝な顔をした友德さんを押しのけるようにして、思阿さんはわたしを抱き上げて荷台から下ろし、家の戸口に立たせてくれた。
「大丈夫ですか? 歩けますか?」
「あ、うん……。は、はい……」
なんだかドキドキし過ぎて、一瞬、腰が痛いのも忘れてしまった……。
気を取り直して家の中に入ると、志勇が待っていて、静帆さんの寝台へ案内してくれた。
静帆さんは、寝台の上で背を丸め、ときどき咳き込んでいた。
熱があるのだろう、顔が赤い……。
わたしは、行李の中から盃と瓶を取り出して、盃を快癒水で満たした。
志勇の目の前で、一口だけ飲んでみせる。悪いものじゃないから安心してね――。
わたしは、寝台のそばにひざまずき、静帆さんの背中に手を添え起こしてあげた。
咳が静まった頃合いを見て、盃を彼女の唇に当て快癒水を飲ませた。
ほんの少し快癒水を口に含んだだけで、静帆さんの息は穏やかになり、顔からは辛そうなこわばりが消えて咳もおさまった。
「す、すごいや……。あんなに、苦しんでいたのが、すっかり楽になったみたいだ……。深緑さん、あ、ありがとう……」
「咳を止めるだけでなく、薬水の効果は体全体に広がって、溜まった疲れも取り去ってくれると思います。だから、できれば、このまましばらく寝かせておいてあげてください」
一口だけ飲んだ快癒水が、わたしの体にも効いてきたようだ。
体が温かくなって、腰の痛みのせいで、しびれていた足にも力が戻ってきた。
振り返ると、思阿さんはにこにこしているし、友德さんは、目を丸くしてわたしを見ていた。
「驚きました! この里には、医師がいないので、医師がいる近くの郷へ使いを出そうと思っていたのですが、もう、その必要はないようですね。
それにしても、素晴らしい薬水です。さぞかし高名な薬師が、処方されたものなのでしょうね? それとも深緑さん、あなたご自身が薬師なのですか?」
高名な薬師? それどころじゃありません! 医薬と生命の女神である紅姫様が、手ずから処方された神秘の薬水です――、とはさすがに言えないわよね。
「これは、ある薬師様が、紅姫様のお告げをもとに処方した薬水です。わたしは、諸州を旅して、様々な傷病でお困りの方に、女神様のご加護をお分けしているにすぎません」
「そうですか。それは、素晴らしいお仕事です。志勇が、あなたと出会えたことも、きっと女神様のご加護でありましょう。志勇は、姉思いの働き者ですから――」
志勇の家の外に出ると、運んできた荷物を引き取りに、大勢の人が集まってきていた。
友德様の姿を見ると、皆一様に礼をしてかしこまっている。
志勇から預かったらしい割り符を確認しながら、友德様は人々に荷物を引き取らせていた。
思阿さんは、親戚から酒甕が届いたというご老人が、重くて運べず難儀をしていたので、「俺が運びましょう!」と言うと、酒甕を抱えてご老人について行ってしまった。
親切なのはいい。しかし、あれは、たぶん、しばらく戻ってこないだろう……、と思う……。
最後に荷物を取りに来た人は、荷車を貸してくれた人だったようで、友德様はなにがしかの礼金を渡そうとしたが、その人は丁寧にそれを断り帰って行った。
そういえば、まだ、友德様がどういう人なのか、何も聞いていなかったっけ――。
「あ、あの、友德様は、どのようなご身分のお方なのですか?」
「ああ、きちんと名乗るのを忘れておりましたね。これは、失礼をいたしました。
わたしは、文國強の息子で、文友德と申します。この里の人々の多くは父の田畑の小作ですし、わたしの祖父がこの里に住んでいますので、皆、顔見知りばかりです。
今日は、うちの李畑の世話をする日で、静帆も手伝いに来てくれていたのですが、このようなことになり、わたしが家まで運んできました」
顔見知りとはいえ、大地主のご子息が、里の小作の娘を自ら家まで運ぶなんて、親切すぎやしないだろうか?
見た感じは、穏やかそうで里人からも慕われているようだけど、妙な下心を抱いていないとも限らない。さっきは、いきなり断りもなくわたしのことを抱き上げたし――。
「友德様―っ! 大変でございますーっ!」
里の奥の方から、大慌てで若い男の人が走ってきた。
その姿を認めた友德様が、急いでそちらに駆け寄った。
「どうしたのですか、暮白?!」
「今度は、忠良が、岩棚から落ちました! 呂老師のお宅に運び込みましたが、右足の骨を砕いたようで――」
「またですか?! あれほど、岩棚へは上るなと釘を刺しておいたのに!」
友德様が、悔しそうに顔を歪めた。
えっ? 岩棚から落ちて右足の骨を砕いた? それって、もしかして――。
「李畑の世話をしていて、金の李が目に入ってしまったようです。目にすれば、もう、あれの誘惑には勝てませぬ。忠良は、三人目の子どもが生まれたばかりですし――」
「愚かなことを! 片足になって、どうやって子どもたちを養っていくのです! 申し訳ないが、暮白は、このまま陳医師の所へ行ってください。すぐに来ていただくよう、お願いしてきてください」
「承知いたしました、では!」
わたしは、頭を抱え大きな溜息をつく友德様の衣の袖を、つんつんつんと引っ張った。
険しい顔で振り向いた友德様に、わたしは言った。
「友德様、忠良さんのところへわたしを連れて行ってください。きっと、お役に立てると思います」
友德様は、一瞬、不思議そうな顔でわたしを見たが、すぐに思い当たったようで、「ああ」とつぶやくと家の中の志勇に声をかけた。
「志勇! 深緑さんと一緒に、呂老師の家に行ってきます。もし、思阿さんが戻っていらしたら、呂老師の家を教えてあげてください」
「はい、わかりました!」
家の中から、志勇の元気な応えがあった。
それを聞くや、友德様がわたしの方へ手を伸ばしてきた。
彼の目線の先にあるのは、志勇の家の荷車……。
「深緑さん、急ぎましょう!」
えーっ?! また、わたしを積み込もうとしてますう?! もう、荷車はたくさんです!
わたしは、友德様の手をすり抜け、ピョンピョンと跳びはねて言った。
「見てください、友德様! わたし、こう見えて、けっこう足が速いんですよ! 呂老師の家はどこですか?」
「こ、この道の突き当たりを、右に曲がったところですが――。ちょ、ちょっと、深緑さん!」
わたしは、友德様を置き去りにし、脱兎の勢いで駆け出した。
忠良さん! あなたの右足は、わたしの快癒水で、きっと治してみせますからね!
わたしは、荷車の荷台に何度も腰を打ち付けた痛みで、すぐには立ち上がれなかった。
腰をさすっているわたしを、先ほどと同じように、友德様が抱え上げようとした。
しかし、今回は、思阿さんが素早くその腕を掴んで、わたしに触らせなかった。
「それは、俺の仕事ですから――」
怪訝な顔をした友德さんを押しのけるようにして、思阿さんはわたしを抱き上げて荷台から下ろし、家の戸口に立たせてくれた。
「大丈夫ですか? 歩けますか?」
「あ、うん……。は、はい……」
なんだかドキドキし過ぎて、一瞬、腰が痛いのも忘れてしまった……。
気を取り直して家の中に入ると、志勇が待っていて、静帆さんの寝台へ案内してくれた。
静帆さんは、寝台の上で背を丸め、ときどき咳き込んでいた。
熱があるのだろう、顔が赤い……。
わたしは、行李の中から盃と瓶を取り出して、盃を快癒水で満たした。
志勇の目の前で、一口だけ飲んでみせる。悪いものじゃないから安心してね――。
わたしは、寝台のそばにひざまずき、静帆さんの背中に手を添え起こしてあげた。
咳が静まった頃合いを見て、盃を彼女の唇に当て快癒水を飲ませた。
ほんの少し快癒水を口に含んだだけで、静帆さんの息は穏やかになり、顔からは辛そうなこわばりが消えて咳もおさまった。
「す、すごいや……。あんなに、苦しんでいたのが、すっかり楽になったみたいだ……。深緑さん、あ、ありがとう……」
「咳を止めるだけでなく、薬水の効果は体全体に広がって、溜まった疲れも取り去ってくれると思います。だから、できれば、このまましばらく寝かせておいてあげてください」
一口だけ飲んだ快癒水が、わたしの体にも効いてきたようだ。
体が温かくなって、腰の痛みのせいで、しびれていた足にも力が戻ってきた。
振り返ると、思阿さんはにこにこしているし、友德さんは、目を丸くしてわたしを見ていた。
「驚きました! この里には、医師がいないので、医師がいる近くの郷へ使いを出そうと思っていたのですが、もう、その必要はないようですね。
それにしても、素晴らしい薬水です。さぞかし高名な薬師が、処方されたものなのでしょうね? それとも深緑さん、あなたご自身が薬師なのですか?」
高名な薬師? それどころじゃありません! 医薬と生命の女神である紅姫様が、手ずから処方された神秘の薬水です――、とはさすがに言えないわよね。
「これは、ある薬師様が、紅姫様のお告げをもとに処方した薬水です。わたしは、諸州を旅して、様々な傷病でお困りの方に、女神様のご加護をお分けしているにすぎません」
「そうですか。それは、素晴らしいお仕事です。志勇が、あなたと出会えたことも、きっと女神様のご加護でありましょう。志勇は、姉思いの働き者ですから――」
志勇の家の外に出ると、運んできた荷物を引き取りに、大勢の人が集まってきていた。
友德様の姿を見ると、皆一様に礼をしてかしこまっている。
志勇から預かったらしい割り符を確認しながら、友德様は人々に荷物を引き取らせていた。
思阿さんは、親戚から酒甕が届いたというご老人が、重くて運べず難儀をしていたので、「俺が運びましょう!」と言うと、酒甕を抱えてご老人について行ってしまった。
親切なのはいい。しかし、あれは、たぶん、しばらく戻ってこないだろう……、と思う……。
最後に荷物を取りに来た人は、荷車を貸してくれた人だったようで、友德様はなにがしかの礼金を渡そうとしたが、その人は丁寧にそれを断り帰って行った。
そういえば、まだ、友德様がどういう人なのか、何も聞いていなかったっけ――。
「あ、あの、友德様は、どのようなご身分のお方なのですか?」
「ああ、きちんと名乗るのを忘れておりましたね。これは、失礼をいたしました。
わたしは、文國強の息子で、文友德と申します。この里の人々の多くは父の田畑の小作ですし、わたしの祖父がこの里に住んでいますので、皆、顔見知りばかりです。
今日は、うちの李畑の世話をする日で、静帆も手伝いに来てくれていたのですが、このようなことになり、わたしが家まで運んできました」
顔見知りとはいえ、大地主のご子息が、里の小作の娘を自ら家まで運ぶなんて、親切すぎやしないだろうか?
見た感じは、穏やかそうで里人からも慕われているようだけど、妙な下心を抱いていないとも限らない。さっきは、いきなり断りもなくわたしのことを抱き上げたし――。
「友德様―っ! 大変でございますーっ!」
里の奥の方から、大慌てで若い男の人が走ってきた。
その姿を認めた友德様が、急いでそちらに駆け寄った。
「どうしたのですか、暮白?!」
「今度は、忠良が、岩棚から落ちました! 呂老師のお宅に運び込みましたが、右足の骨を砕いたようで――」
「またですか?! あれほど、岩棚へは上るなと釘を刺しておいたのに!」
友德様が、悔しそうに顔を歪めた。
えっ? 岩棚から落ちて右足の骨を砕いた? それって、もしかして――。
「李畑の世話をしていて、金の李が目に入ってしまったようです。目にすれば、もう、あれの誘惑には勝てませぬ。忠良は、三人目の子どもが生まれたばかりですし――」
「愚かなことを! 片足になって、どうやって子どもたちを養っていくのです! 申し訳ないが、暮白は、このまま陳医師の所へ行ってください。すぐに来ていただくよう、お願いしてきてください」
「承知いたしました、では!」
わたしは、頭を抱え大きな溜息をつく友德様の衣の袖を、つんつんつんと引っ張った。
険しい顔で振り向いた友德様に、わたしは言った。
「友德様、忠良さんのところへわたしを連れて行ってください。きっと、お役に立てると思います」
友德様は、一瞬、不思議そうな顔でわたしを見たが、すぐに思い当たったようで、「ああ」とつぶやくと家の中の志勇に声をかけた。
「志勇! 深緑さんと一緒に、呂老師の家に行ってきます。もし、思阿さんが戻っていらしたら、呂老師の家を教えてあげてください」
「はい、わかりました!」
家の中から、志勇の元気な応えがあった。
それを聞くや、友德様がわたしの方へ手を伸ばしてきた。
彼の目線の先にあるのは、志勇の家の荷車……。
「深緑さん、急ぎましょう!」
えーっ?! また、わたしを積み込もうとしてますう?! もう、荷車はたくさんです!
わたしは、友德様の手をすり抜け、ピョンピョンと跳びはねて言った。
「見てください、友德様! わたし、こう見えて、けっこう足が速いんですよ! 呂老師の家はどこですか?」
「こ、この道の突き当たりを、右に曲がったところですが――。ちょ、ちょっと、深緑さん!」
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