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四粒目 結縁花 ~『恋は思案の外』の巻~
その七 お嬢様の逃避行は、わたしがお膳立ていたしますわ!
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「お輿入れは来月ですよね? 許嫁の方は、どうして今頃、わざわざ都から訪ねてくるのですか?!」
茶館を出たわたしたちは、県令様のお邸へ足を進めながら、美珊さんから、詳しい状況を聞き出していた。
「さあ。ただ、江様の方に何やらご事情があって、こちらの了承も得ず、突然訪ねていらっしゃることになったようです。
もしかすると、略式の婚礼を挙げて、そのままお嬢様を都に連れて帰られることになるかもしれないと、侍史の黄墨さんが申しておりました」
「あとひと月なのに待ちきれないとは、ずいぶんと性急なお方ですね」
婚礼を急ぐ理由って何かしら? 十年にたった三回しか会っていない許嫁さんは、急に何を思いついちゃったのだろう?
とはいえ、ぐずぐずしている場合じゃないってことは確かよね!
事情はどうあれ、早いところ雪莉様に永庭さんの真意を伝えて、二人を引き合わせるしかない。そのためには――。
「永庭さん、あなたは、このまま月季庭園へ向かってください。そこで、雪莉様を待っていてください。わたしが、必ず雪莉様を庭園へ行かせますから――」
「でも、深緑さん――」
「この世界は広いんです。県城を離れても、あなたの園丁として腕が確かなら、どこにでも仕事はあります。雪莉様と一緒に、新しい居場所を見つけることはできるはずです!」
わたしは、背中を押すようにして、永庭さんを月季庭園へ続く道へ送り出した。
そして、思阿さんとわたしは、美珊さんの後について道を曲がり、県令様のお邸へと急いだ。
◇ ◇ ◇
広い庭のある大きなお邸だった。
玄関には、侍史さんがいらして、私たちが到着するとすぐに奥様に伝えに行ってくれた。
美珊さんの案内で、雪莉様の部屋へ到着すると、侍女を従えて優雅に奥様がやってきた。
雪莉様の母親にしては、やけに若いなという印象の美女だった。
「あなたのことは、雪莉からきいておりますよ。紅姫廟へ出向いた際、あなたから分けていただいた薬水で、だいぶ具合がよくなったと言っていました。気鬱の病には、旅の薬水売りの薬水だろうが何だろうが、本人が効くと思えば効くものですからね、ホホホ……。
実は、この子は、一両日中に婚礼を挙げることになっていますの。お相手に失礼があっては困りますから、是非ともあなたの薬水で体調を万全にしてやってくださいな。
この婚礼を無事に終わらせることで、この先のこの家の発展や主人の出世が約束されるんですの。よろしく頼みましたよ」
「はい、奥様……」
奥様は、寝台に横たわる雪莉様に声をかけることもなく、それだけ言って部屋を出て行ってしまった。わたしの名前を尋ねもしなかった――。
奥様が出て行くと、寝台の上で上掛けにくるまって丸くなっていた雪莉様が、ガバッと起き上がった。
「はいはい、陳家の発展とお父様のご出世のために、わたしは大人しく輿入れしますよーだ!」
そう言うと、彼女は、奥様が出て行った扉に向かって、ベエーッと舌を出した。
急に許嫁がやって来て、婚礼を挙げることになったから、もう少しおろおろしているのかと思ったら、雪莉様はやっぱり雪莉様だった。
わたしがクスリと笑うと、つられるようにして雪莉様もウフフと笑った。
わたしの横で成り行きを見守っていた美珊さんに、部屋の外に控えている思阿さんを呼んでもらった。部屋で雪莉様の世話をしていた妙香さんも交え、わたしの目論見をみんなに伝えることにする。
「雪莉様、あなたは、本当に大人しく輿入れするつもりなんですか?」
「そ、それは……。ねぇ、深緑、も、もしかして、死んだふりをする薬が手に入ったの?!」
「そういうことではありません! あなたのことを愛しく思っている人の所へ、行かなくてもいいのかということです!」
「えっ?! そ、それって……、まさか……、ヨ、永庭が、わたしのことを――」
寝台の上にどっかり座って、嬉しそうに両手で頬を包んでいる雪莉様の横に、わたしも座って、雪莉様の肩を掴んで言った。
「しっかりしてください、雪莉様! いいですか? あなたは、これからわたしと入れ替わって、思阿さんと一緒に月季庭園へ行ってください。そして、そこに咲いている白い薔薇を一枝切って、想いを込めて永庭さんに捧げてください。そうすれば、きっと永庭さんは、何があってもあなたと一緒に生きていこうと心を決めるはずです」
「ほ、本当に? 本当に……、そうなるの?」
「なります! そして、二人ですぐにでも県城を離れてください。わたしが、ここに残って時間稼ぎをしますが、いずれ県令様は、あなたを取り戻そうと追っ手をかけることでしょう。それまでにできるだけ遠くへ逃げてください。さあ、急いで!」
わたしは、ぽおっとしている雪莉様を立ち上がらせ、服や履き物を交換した。
思阿さんは、その間扉の外に出て見張りをしてくれていた。 思阿さん、あなたは最高の用心棒ですよ!
仕上げに、雪莉様にわたしの行李を背負わせ、頭には笠を被せた。
多少、二人の背格好は違うのだが、どうせ、わたしをよく見ていた人などいない。
思阿さんが一緒に歩いていれば、入れ替わりに気づく者はこの邸にはいないだろう。問題なく、邸の外へ出られるはずだ。
美珊さんには、二人を送るということで同行してもらい、旅の準備の手伝いを頼んだ。
いよいよ出立となって、思阿さんがブツブツ言い出した。
「これから、雪莉様の許嫁が来るんですよね。深緑さんと妙香さんだけで本当に大丈夫ですか? そいつが悪い奴で、良からぬことを企んでいたら――と思うと心配で、とてもここを離れる気になれません!」
「あなたと一緒だからこそ、雪莉様はわたしだと思ってもらえるの。だから、あなたは、雪莉様と一緒に行動してください。できたら、二人が無事に船に乗り込み、県城を離れるまで見守って欲しいの。わたしは大丈夫! だって、わたしには――」
夏先生がついているから――とは、言えないのよね。
いよいよわたしが危ないとなれば、また、夏先生がなんとかしてくれる……と思うのだけど……。
「わたしには、女神様の加護がありますから心配いりません。思阿さん、どうか二人を助けてあげてください。二人にとっては、これが最初で最後の好機だと思うから……」
「わかりました……。深緑さんがそこまで言うのなら、俺が必ず雪莉様を永庭さんの所へ届けます。二人を送り出したら、すぐにここへ戻ってきます。もし、身の危険を感じたら、遠慮なく逃げ出してください。いいですね?」
身の危険? まさか、身代わりがばれたとしても、殺されることはないと思うけれど……。
わたしは、雪莉様の部屋にあった紙と筆を使って、大急ぎで紹介状を三通したためた。
宛先は、柳泉の素封家・高燕紅様、普斎の妓楼の主・戴洪亮様、そして、層林の呂老師だ。
いずれの方を頼っても、永庭さんが園丁として働ける場所を紹介してくださると思う。
あとは本人の頑張り次第だ。
雪莉様と力を合わせて、新しい土地でしっかり生きていって欲しい。
そして、雪莉様の小さな願いを叶えてあげて欲しい。
どうか、二人ともお幸せに! 何処へ行こうと、わたしはずっとお二人の幸福を祈っていますよ――。
三人が部屋を出て行くと、わたしは、雪莉さんが着ていた夜着で寝台に寝そべり、上掛けに潜り込んだ。
妙香さんが、わたしの頭を隠すように上掛けを引き上げてくれた。
わたしは、上掛けの中で虫籠をギュッと抱えた
籠の中で、「ゲロゲロクックウ」といつになく渋い声で夏先生が鳴いていた。
さあ、これからが正念場ね。何とか時間を稼ぎ、二人を安全なところまで逃がさなくては――。
ああ、でも、この寝台、すごく寝心地がいいのよね……。
緊張感から解放されて、とても、眠くなってきた……、寝ている場合じゃないのはわかっているわ……。しっかり、目を開けていなくては……。
眠っちゃだめ、だめよ……、深緑……。まだ、昼前なのだし……、ムニャムニャ……。
茶館を出たわたしたちは、県令様のお邸へ足を進めながら、美珊さんから、詳しい状況を聞き出していた。
「さあ。ただ、江様の方に何やらご事情があって、こちらの了承も得ず、突然訪ねていらっしゃることになったようです。
もしかすると、略式の婚礼を挙げて、そのままお嬢様を都に連れて帰られることになるかもしれないと、侍史の黄墨さんが申しておりました」
「あとひと月なのに待ちきれないとは、ずいぶんと性急なお方ですね」
婚礼を急ぐ理由って何かしら? 十年にたった三回しか会っていない許嫁さんは、急に何を思いついちゃったのだろう?
とはいえ、ぐずぐずしている場合じゃないってことは確かよね!
事情はどうあれ、早いところ雪莉様に永庭さんの真意を伝えて、二人を引き合わせるしかない。そのためには――。
「永庭さん、あなたは、このまま月季庭園へ向かってください。そこで、雪莉様を待っていてください。わたしが、必ず雪莉様を庭園へ行かせますから――」
「でも、深緑さん――」
「この世界は広いんです。県城を離れても、あなたの園丁として腕が確かなら、どこにでも仕事はあります。雪莉様と一緒に、新しい居場所を見つけることはできるはずです!」
わたしは、背中を押すようにして、永庭さんを月季庭園へ続く道へ送り出した。
そして、思阿さんとわたしは、美珊さんの後について道を曲がり、県令様のお邸へと急いだ。
◇ ◇ ◇
広い庭のある大きなお邸だった。
玄関には、侍史さんがいらして、私たちが到着するとすぐに奥様に伝えに行ってくれた。
美珊さんの案内で、雪莉様の部屋へ到着すると、侍女を従えて優雅に奥様がやってきた。
雪莉様の母親にしては、やけに若いなという印象の美女だった。
「あなたのことは、雪莉からきいておりますよ。紅姫廟へ出向いた際、あなたから分けていただいた薬水で、だいぶ具合がよくなったと言っていました。気鬱の病には、旅の薬水売りの薬水だろうが何だろうが、本人が効くと思えば効くものですからね、ホホホ……。
実は、この子は、一両日中に婚礼を挙げることになっていますの。お相手に失礼があっては困りますから、是非ともあなたの薬水で体調を万全にしてやってくださいな。
この婚礼を無事に終わらせることで、この先のこの家の発展や主人の出世が約束されるんですの。よろしく頼みましたよ」
「はい、奥様……」
奥様は、寝台に横たわる雪莉様に声をかけることもなく、それだけ言って部屋を出て行ってしまった。わたしの名前を尋ねもしなかった――。
奥様が出て行くと、寝台の上で上掛けにくるまって丸くなっていた雪莉様が、ガバッと起き上がった。
「はいはい、陳家の発展とお父様のご出世のために、わたしは大人しく輿入れしますよーだ!」
そう言うと、彼女は、奥様が出て行った扉に向かって、ベエーッと舌を出した。
急に許嫁がやって来て、婚礼を挙げることになったから、もう少しおろおろしているのかと思ったら、雪莉様はやっぱり雪莉様だった。
わたしがクスリと笑うと、つられるようにして雪莉様もウフフと笑った。
わたしの横で成り行きを見守っていた美珊さんに、部屋の外に控えている思阿さんを呼んでもらった。部屋で雪莉様の世話をしていた妙香さんも交え、わたしの目論見をみんなに伝えることにする。
「雪莉様、あなたは、本当に大人しく輿入れするつもりなんですか?」
「そ、それは……。ねぇ、深緑、も、もしかして、死んだふりをする薬が手に入ったの?!」
「そういうことではありません! あなたのことを愛しく思っている人の所へ、行かなくてもいいのかということです!」
「えっ?! そ、それって……、まさか……、ヨ、永庭が、わたしのことを――」
寝台の上にどっかり座って、嬉しそうに両手で頬を包んでいる雪莉様の横に、わたしも座って、雪莉様の肩を掴んで言った。
「しっかりしてください、雪莉様! いいですか? あなたは、これからわたしと入れ替わって、思阿さんと一緒に月季庭園へ行ってください。そして、そこに咲いている白い薔薇を一枝切って、想いを込めて永庭さんに捧げてください。そうすれば、きっと永庭さんは、何があってもあなたと一緒に生きていこうと心を決めるはずです」
「ほ、本当に? 本当に……、そうなるの?」
「なります! そして、二人ですぐにでも県城を離れてください。わたしが、ここに残って時間稼ぎをしますが、いずれ県令様は、あなたを取り戻そうと追っ手をかけることでしょう。それまでにできるだけ遠くへ逃げてください。さあ、急いで!」
わたしは、ぽおっとしている雪莉様を立ち上がらせ、服や履き物を交換した。
思阿さんは、その間扉の外に出て見張りをしてくれていた。 思阿さん、あなたは最高の用心棒ですよ!
仕上げに、雪莉様にわたしの行李を背負わせ、頭には笠を被せた。
多少、二人の背格好は違うのだが、どうせ、わたしをよく見ていた人などいない。
思阿さんが一緒に歩いていれば、入れ替わりに気づく者はこの邸にはいないだろう。問題なく、邸の外へ出られるはずだ。
美珊さんには、二人を送るということで同行してもらい、旅の準備の手伝いを頼んだ。
いよいよ出立となって、思阿さんがブツブツ言い出した。
「これから、雪莉様の許嫁が来るんですよね。深緑さんと妙香さんだけで本当に大丈夫ですか? そいつが悪い奴で、良からぬことを企んでいたら――と思うと心配で、とてもここを離れる気になれません!」
「あなたと一緒だからこそ、雪莉様はわたしだと思ってもらえるの。だから、あなたは、雪莉様と一緒に行動してください。できたら、二人が無事に船に乗り込み、県城を離れるまで見守って欲しいの。わたしは大丈夫! だって、わたしには――」
夏先生がついているから――とは、言えないのよね。
いよいよわたしが危ないとなれば、また、夏先生がなんとかしてくれる……と思うのだけど……。
「わたしには、女神様の加護がありますから心配いりません。思阿さん、どうか二人を助けてあげてください。二人にとっては、これが最初で最後の好機だと思うから……」
「わかりました……。深緑さんがそこまで言うのなら、俺が必ず雪莉様を永庭さんの所へ届けます。二人を送り出したら、すぐにここへ戻ってきます。もし、身の危険を感じたら、遠慮なく逃げ出してください。いいですね?」
身の危険? まさか、身代わりがばれたとしても、殺されることはないと思うけれど……。
わたしは、雪莉様の部屋にあった紙と筆を使って、大急ぎで紹介状を三通したためた。
宛先は、柳泉の素封家・高燕紅様、普斎の妓楼の主・戴洪亮様、そして、層林の呂老師だ。
いずれの方を頼っても、永庭さんが園丁として働ける場所を紹介してくださると思う。
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そして、雪莉様の小さな願いを叶えてあげて欲しい。
どうか、二人ともお幸せに! 何処へ行こうと、わたしはずっとお二人の幸福を祈っていますよ――。
三人が部屋を出て行くと、わたしは、雪莉さんが着ていた夜着で寝台に寝そべり、上掛けに潜り込んだ。
妙香さんが、わたしの頭を隠すように上掛けを引き上げてくれた。
わたしは、上掛けの中で虫籠をギュッと抱えた
籠の中で、「ゲロゲロクックウ」といつになく渋い声で夏先生が鳴いていた。
さあ、これからが正念場ね。何とか時間を稼ぎ、二人を安全なところまで逃がさなくては――。
ああ、でも、この寝台、すごく寝心地がいいのよね……。
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