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五粒目 暴食根 ~『いつも月夜に米の飯』の巻~
その一 あらあら、わたし、攫われちゃったみたいですよ?!
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「ありがとうございました。おかげさまで、体調もすっかり良くなり、無事に船旅を終えることができました。わたしの住む里の近くにおいでの際は、ぜひ、我が家にお立ち寄りください」
云峰さんは、わたしに薬水の礼金を渡しながら、何度も感謝の言葉を口にした。
船着き場の広場には、すでに、迎えの馬車が到着していて、侍者や御者たちが、云峰さんの手を取り乗車を手伝った。
「それでは、お先に失礼いたします。深緑どの、思阿どの、どうぞ、気をつけて旅をお続けください。また、お目にかかれることを楽しみにしております」
「云峰さんも、どうぞお元気で! 仕事が済みましたら、必ず伺いますので!」
思阿さんとわたしは、船着き場をゆっくりと出発する云峰さんの馬車を見送った。
わたしたちが次に目指すのは、県城・巧琳。
云峰さんは、その途中にある松柏という里で、里正を務めているそうだ。
鐘陽に住む弟さんの所に行った帰りに、寿春湖を渡る船で体調を崩した云峰さんを、たまたま居合わせたわたしが快癒水でお助けすることになった。
「巧琳までは、徒歩で二日はかかります。念のため、乾果など少し買ってきますね。深緑さんは、そこの茶館で、腹ごしらえをしながら休んでいてください」
「は、はい――」
そう言って、思阿さんは、屋台の集まっている辺りへ行ってしまった。
船旅の間も、何か一人で考えごとをしている感じだったし、わたしをからかってくることもなかった。また、知らないうちに、気に触ることを言っちゃったかしら?
思阿さんが、ぼうっと湖の向こうの山を眺めているときに、そっと腕に触ろうとしたら、とても驚いた顔をして逃げられたしね……。
う~ん……、これ以上ツンケンされる前に、雅文にでも相談したいなあ……!
このとき、わたしは、ある連中からずっと観察されていたらしいのだけど、まったく気がつかなかった。
だって、この茶館の饅頭ときたら、ほかほかで柔らかで、とっても美味しかったんだもの!
周りの様子なんて気にしている暇はなかった。無我夢中で食べてしまった……。
お腹がいっぱいになったら、当然眠くなる。
思阿さんたら、どうしたのかしら? なかなか戻ってこないなあって思っているうちに、だんだん瞼が重たくなってきた。
トントンと誰かに肩を叩かれて、「大丈夫ですか?」とか「こちらへ」とか言われた気がする。
ぼんやりとしたまま立ち上がり、その人に掴まって歩き出した。
――で、わたしの記憶はそこまで。その後のことは、覚えていない……。
◇ ◇ ◇
若い男たちが、なにやら話している声が聞こえる。
えっ?! わたしったら、手足を縛られて、猿ぐつわもかまされている?!
おまけに、なんだか薄暗い……。袋にでも入れられてしまったらしい……。
「しかし、ちょっとちんちくりんすぎないか?」
「何言ってんだよ! ちっちゃくて軽い方がいいんだから、願ってもない大きさだろ?」
「まあ、一人で旅をしているようだから、子どもってことはないだろうし、うってつけだと思うぞ」
また、ちんちくりん呼ばわりされた!
ちっちゃくて軽い方がいいって、わたしをどうするつもりだろう?
「それで、この娘っ子と誰が組むかということだけど――」
「俺は、断るよ! 俺は、何があろうと秋琴と一緒になるんだ。秋琴を裏切るわけにはいかないよ!」
「俺もお断りだ! せっかく苹果から、いい返事がもらえたのに――」
「ええっ?! じゃあ、俺にやれってのか?! 俺だって、梅蓉がいるんだよ!」
「おまえ、この間、豚の世話を忘れて梅蓉に怒られてたよな? あいつは、昔から口うるさいところがある。兄の俺が言うんだから間違いない。この際、あいつと別れて、このちんちくりんに乗り換えろ!」
「そ、そんなあ……」
ええーっ?! わたし、豚の世話を忘れた人と組まされるんですかあ?
――って、何のために組むのかしら? 組んで何をさせられるんだろう?
「冗談だよ! 祭りが終わるまでのことだよ。梅蓉だって、話をすれば納得するさ。この娘っ子には、祭りの褒美からたっぷり礼金を出せば文句は言うまい。ちんちくりんだが、旅慣れた娘のようだし、こう見えてけっこうなすれっからしかもしれないしな!」
ちんちくりんの次は、すれっからしときた。
何も言い返さないからって、ひどい言いようじゃないですか!
「祭り」とか「褒美」っていうのは、何だろう? 気になるわね……。
わたしは、どうやら荷車のようなものに乗せられて運ばれているらしい。
騒いだり暴れたりができなくはないけれど、ガタガタ揺れていてちょっと難しい。
それに、どうも人気のない所を移動しているようなので、助けは期待できない。
あーあ、今頃、思阿さん、わたしを探し回っているだろうなあ?
―― ガタ、ガタタン……。
荷車が止まったようだ。
「さてと、あとは計画通りすすめよう。この娘っ子は、今夜はこのまま里の外れの農機具小屋に入れておこう。沙包! おまえが見張りをしながら説得しろ。必ず「うん」と言わせるんだぞ! 里の連中には、おまえは酒楼で仲良くなった旅の娘っ子と、どこかに姿を消したって言っておくからな。明日になったら、適当な頃合いに娘っ子と一緒に帰ってこい。いいか、どんな手を使っても、おまえの許嫁になることを承知させるんだぞ!」
「あ、う、うん……、わ、わかったよ……。頑張るよ……。ちんちくりんだけど、梅蓉よりも可愛い顔してた……、うおっ! いてーよ! 万松! 何すんだよ?!」
「てめぇ、ひとの妹を! この野郎!」
「仲間割れはやめろよ! ほら、二人とも落ち着けって!」
今、妙なこと言ってたわよね? 「許嫁」って――、豚の世話を忘れた沙包って人とわたしが?! ちょっと、聞き捨てならない話になってきたわね。
袋に入れられたまま抱え上がられて、どこかに運ばれた。
先ほどの話から考えると、里の外れの農機具小屋だろうか?
扉を開ける音がして、わたしは、わら山の上に静かに下ろされた。
「じゃあな、沙包! 頼んだぞ!」
「あ、あの、梅蓉には、うまく言っといてくれよ。なんのかんの言っても、俺は……」
「わかってるって! 三人の中じゃ、おまえが一番力持ちだからな。それで、おまえに頼んだんだよ。万松だって、きちんと梅蓉に伝えてくれるさ。心配いらないよ」
わたしと沙包を小屋に残して、二人の男は出て行った。
小屋の中は、急に静かになった。
頭の上にある袋の口のあたりを、ゴソゴソといじる音がする。
急に視界が開け、息苦しさから解放された――。袋の口が開けられたのだ。
「お、おい……、ああ、もう目を覚ましていたんだな? あんた、大丈夫かい? どこか怪我は? そうか、このままじゃ、答えられるわけないよな……」
袋の口からのぞき込んでいたのは、丸い頬をした人の良さそうな若者だった。
ふーん、この人がわたしの許嫁候補で、豚の世話を忘れて梅蓉って子に怒られた、沙包って人なのね――。
悪人面ではないかもしれないけれど、どんな理由があっても人攫いは悪いことですからね。
わたしは、思い切り怖い顔をして、沙包を睨んでやった。
「お、何だか、気が強そうな娘っ子だな。ちんちくりんで可愛いと思っていたけど、そうでもないってことか――。申し訳ないが、騒がれると困るんで、猿ぐつわはそのままにさせてもらうよ。大丈夫、酷い真似はしないよ。とにかく、あんたに協力してもらわないと、困ったことになるんでね。俺の話を聞いて、よく考えてくれると――ん?」
何だか、外が騒がしくなっていた。
さっきの二人が戻ってきたようだが、別の人物もいるらしい。
「な、何すんだ、てめぇ!」
「ど、どうして、ここを?!」
その後は、苦しげな呻き声が何度か聞こえて、人が地面に倒れる大きな音がした。
何が起きたかわからず固まっていた沙包が、ようやく立ち上がり扉を開けようとしたとき、ものすごい勢いで扉が蹴破られ、人影が飛び込んできた。
「て、てめえ……、だ、誰だよ……、ふ、二人に、な、何を……」
沙包の横っ面に、思阿さんの拳が、うなりを上げてめり込んだ……。
云峰さんは、わたしに薬水の礼金を渡しながら、何度も感謝の言葉を口にした。
船着き場の広場には、すでに、迎えの馬車が到着していて、侍者や御者たちが、云峰さんの手を取り乗車を手伝った。
「それでは、お先に失礼いたします。深緑どの、思阿どの、どうぞ、気をつけて旅をお続けください。また、お目にかかれることを楽しみにしております」
「云峰さんも、どうぞお元気で! 仕事が済みましたら、必ず伺いますので!」
思阿さんとわたしは、船着き場をゆっくりと出発する云峰さんの馬車を見送った。
わたしたちが次に目指すのは、県城・巧琳。
云峰さんは、その途中にある松柏という里で、里正を務めているそうだ。
鐘陽に住む弟さんの所に行った帰りに、寿春湖を渡る船で体調を崩した云峰さんを、たまたま居合わせたわたしが快癒水でお助けすることになった。
「巧琳までは、徒歩で二日はかかります。念のため、乾果など少し買ってきますね。深緑さんは、そこの茶館で、腹ごしらえをしながら休んでいてください」
「は、はい――」
そう言って、思阿さんは、屋台の集まっている辺りへ行ってしまった。
船旅の間も、何か一人で考えごとをしている感じだったし、わたしをからかってくることもなかった。また、知らないうちに、気に触ることを言っちゃったかしら?
思阿さんが、ぼうっと湖の向こうの山を眺めているときに、そっと腕に触ろうとしたら、とても驚いた顔をして逃げられたしね……。
う~ん……、これ以上ツンケンされる前に、雅文にでも相談したいなあ……!
このとき、わたしは、ある連中からずっと観察されていたらしいのだけど、まったく気がつかなかった。
だって、この茶館の饅頭ときたら、ほかほかで柔らかで、とっても美味しかったんだもの!
周りの様子なんて気にしている暇はなかった。無我夢中で食べてしまった……。
お腹がいっぱいになったら、当然眠くなる。
思阿さんたら、どうしたのかしら? なかなか戻ってこないなあって思っているうちに、だんだん瞼が重たくなってきた。
トントンと誰かに肩を叩かれて、「大丈夫ですか?」とか「こちらへ」とか言われた気がする。
ぼんやりとしたまま立ち上がり、その人に掴まって歩き出した。
――で、わたしの記憶はそこまで。その後のことは、覚えていない……。
◇ ◇ ◇
若い男たちが、なにやら話している声が聞こえる。
えっ?! わたしったら、手足を縛られて、猿ぐつわもかまされている?!
おまけに、なんだか薄暗い……。袋にでも入れられてしまったらしい……。
「しかし、ちょっとちんちくりんすぎないか?」
「何言ってんだよ! ちっちゃくて軽い方がいいんだから、願ってもない大きさだろ?」
「まあ、一人で旅をしているようだから、子どもってことはないだろうし、うってつけだと思うぞ」
また、ちんちくりん呼ばわりされた!
ちっちゃくて軽い方がいいって、わたしをどうするつもりだろう?
「それで、この娘っ子と誰が組むかということだけど――」
「俺は、断るよ! 俺は、何があろうと秋琴と一緒になるんだ。秋琴を裏切るわけにはいかないよ!」
「俺もお断りだ! せっかく苹果から、いい返事がもらえたのに――」
「ええっ?! じゃあ、俺にやれってのか?! 俺だって、梅蓉がいるんだよ!」
「おまえ、この間、豚の世話を忘れて梅蓉に怒られてたよな? あいつは、昔から口うるさいところがある。兄の俺が言うんだから間違いない。この際、あいつと別れて、このちんちくりんに乗り換えろ!」
「そ、そんなあ……」
ええーっ?! わたし、豚の世話を忘れた人と組まされるんですかあ?
――って、何のために組むのかしら? 組んで何をさせられるんだろう?
「冗談だよ! 祭りが終わるまでのことだよ。梅蓉だって、話をすれば納得するさ。この娘っ子には、祭りの褒美からたっぷり礼金を出せば文句は言うまい。ちんちくりんだが、旅慣れた娘のようだし、こう見えてけっこうなすれっからしかもしれないしな!」
ちんちくりんの次は、すれっからしときた。
何も言い返さないからって、ひどい言いようじゃないですか!
「祭り」とか「褒美」っていうのは、何だろう? 気になるわね……。
わたしは、どうやら荷車のようなものに乗せられて運ばれているらしい。
騒いだり暴れたりができなくはないけれど、ガタガタ揺れていてちょっと難しい。
それに、どうも人気のない所を移動しているようなので、助けは期待できない。
あーあ、今頃、思阿さん、わたしを探し回っているだろうなあ?
―― ガタ、ガタタン……。
荷車が止まったようだ。
「さてと、あとは計画通りすすめよう。この娘っ子は、今夜はこのまま里の外れの農機具小屋に入れておこう。沙包! おまえが見張りをしながら説得しろ。必ず「うん」と言わせるんだぞ! 里の連中には、おまえは酒楼で仲良くなった旅の娘っ子と、どこかに姿を消したって言っておくからな。明日になったら、適当な頃合いに娘っ子と一緒に帰ってこい。いいか、どんな手を使っても、おまえの許嫁になることを承知させるんだぞ!」
「あ、う、うん……、わ、わかったよ……。頑張るよ……。ちんちくりんだけど、梅蓉よりも可愛い顔してた……、うおっ! いてーよ! 万松! 何すんだよ?!」
「てめぇ、ひとの妹を! この野郎!」
「仲間割れはやめろよ! ほら、二人とも落ち着けって!」
今、妙なこと言ってたわよね? 「許嫁」って――、豚の世話を忘れた沙包って人とわたしが?! ちょっと、聞き捨てならない話になってきたわね。
袋に入れられたまま抱え上がられて、どこかに運ばれた。
先ほどの話から考えると、里の外れの農機具小屋だろうか?
扉を開ける音がして、わたしは、わら山の上に静かに下ろされた。
「じゃあな、沙包! 頼んだぞ!」
「あ、あの、梅蓉には、うまく言っといてくれよ。なんのかんの言っても、俺は……」
「わかってるって! 三人の中じゃ、おまえが一番力持ちだからな。それで、おまえに頼んだんだよ。万松だって、きちんと梅蓉に伝えてくれるさ。心配いらないよ」
わたしと沙包を小屋に残して、二人の男は出て行った。
小屋の中は、急に静かになった。
頭の上にある袋の口のあたりを、ゴソゴソといじる音がする。
急に視界が開け、息苦しさから解放された――。袋の口が開けられたのだ。
「お、おい……、ああ、もう目を覚ましていたんだな? あんた、大丈夫かい? どこか怪我は? そうか、このままじゃ、答えられるわけないよな……」
袋の口からのぞき込んでいたのは、丸い頬をした人の良さそうな若者だった。
ふーん、この人がわたしの許嫁候補で、豚の世話を忘れて梅蓉って子に怒られた、沙包って人なのね――。
悪人面ではないかもしれないけれど、どんな理由があっても人攫いは悪いことですからね。
わたしは、思い切り怖い顔をして、沙包を睨んでやった。
「お、何だか、気が強そうな娘っ子だな。ちんちくりんで可愛いと思っていたけど、そうでもないってことか――。申し訳ないが、騒がれると困るんで、猿ぐつわはそのままにさせてもらうよ。大丈夫、酷い真似はしないよ。とにかく、あんたに協力してもらわないと、困ったことになるんでね。俺の話を聞いて、よく考えてくれると――ん?」
何だか、外が騒がしくなっていた。
さっきの二人が戻ってきたようだが、別の人物もいるらしい。
「な、何すんだ、てめぇ!」
「ど、どうして、ここを?!」
その後は、苦しげな呻き声が何度か聞こえて、人が地面に倒れる大きな音がした。
何が起きたかわからず固まっていた沙包が、ようやく立ち上がり扉を開けようとしたとき、ものすごい勢いで扉が蹴破られ、人影が飛び込んできた。
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