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七粒目 野茨闇 ~『落花流水の情』の巻~
その五 出会いも別れも再会も、運命と信じることにいたしましょう!
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ど、どういうことなの? 「母さん」って、どう見ても皇帝の方が年上よね?!
そ、それに、浩宇って、確か夏先生の話によると、翠姫様が恋情を抱いた相手よね? 人間界の時間でいうと、七百年も前に!
翠姫様は、今回その人に会うために再び下天したのだろうと、夏先生は、言っていたような気がするけど――。
皇帝が、浩宇ってことなの? う~ん、よくわかりません!
おたおたするわたしの前で、二人は、泣き笑いを浮かべながら優しく抱き合った。
互いの体をきづかう様子は、夫婦というよりは、まさしく久しぶりに会った親子という雰囲気だった。
「被っていた布が外されて顔が見えたとき、すぐに母さんだとわかったよ。驚いた俺の顔を見て、『浩宇!』なんて呼ぶから、危うくかんざしを落とすところだった。母さんは、いつ自分の前世に気づいたんだい?」
涙を浮かべながらも、皇帝は何だかとても嬉しそうだ。
涛超さんやわたしも、皇帝から卓に呼ばれ、一緒に卓を囲んで貞海様の話を聞くことになった。
「もう、十年になるかね。両親に連れられて、天帝廟にお参りした日のことだよ。初めて自分で蝋燭を買って、『みんなが幸せになれますように!』と祈ったのさ。子どもらしい願いだろう? するとその晩、不思議な夢を見たんだよ」
少女の姿の貞海様が、まるで老女のような口調で話すのを聞くと、とても奇妙な感じがしたが、皇帝も涛超さんも真面目な顔で話に聞き入っていた。
「一人の男の子が、たくさんの女官にかしずかれて、池の畔に立っていた。『ああ、あれは、わたしの愛しい息子、浩宇だ』と思った。顔は違っていたけれど、なぜか、間違いなくそうだとわかったんだ。
わたしは、遠い昔、小さな集落で畑を耕す永芳という名の農婦だった。息子の浩宇が三つの時に病で夫をなくし、それからは集落の人たちに助けられながら、何とか二人で暮らしていた。夢を見ながら、そんなことが次から次へと心に浮かび、わたしは前世のことをすべて思い出したのさ。
やがて、夢の中の男の子――浩宇の前に空から誰かが舞い降りてきた。萌葱色の衣をまとった美しい女人だった。最初は、誰だかわからなかった。でも、永芳だった頃の記憶をたどるうちに、林佳という名前が心に浮かんできた。
浩宇が椚林で拾ってきた美しい娘。記憶を失っていた彼女と、三人で仲良く暮らした穏やかな日々……。幸せな想い出ばかりだった。でも、彼女が記憶を取り戻したとき、悲しい別れが訪れた。だって、彼女の正体は……、豊穣の女神、翠姫様だったのだもの……。
舞い降りてきた翠姫様の手が、浩宇の手に触れた途端、彼女は一輪の蘭の花に姿を変えた。それは、今はまだ無理だが、いつかきっと再び会いに来るという約束のように思えたよ」
皇帝は、遠い昔の別離の場面を思い出したのか、とても辛そうな顔になった。
貞海様は、皇帝の肩をそっと撫でながら、その辛さを分かち合おうとしていた。
二人は、長い時を経て生まれ変わり、今日、再び出会うことができたんだ……。
「母さん、それは、本当にあったことだよ! 空から降りてきたのは、最初から蘭の花だったけれど、俺は、その花を手にしたときに、前世のことをすべて思い出したんだ。そして、いつか必ず林佳に会えると確信したんだよ」
貞海様は小さくうなずきながら、皇帝の言葉を噛みしめていた。
「夢で見た浩宇が、妍国の皇太子らしいと知ってから、わたしは、後宮で浩宇に会うことだけを夢見て生きてきた。自分の前世を知ってしまうと、もう贅沢な暮らしはできなくなってね。涛超には、ずいぶん心配をかけたけれど、昔を思い出しながら杜家の別邸で好きなように暮らさせてもらった」
貞海様が、優しい眼差しを向けると、涛超さんは手巾で涙を拭っていた。
なんとも不思議な話ではあるが、貞海様に仕えてきた涛超さんは、彼女の身に起きた稀有なできごとを知ることができて感極まった様子だった。
貞海様は、皇帝に向き直ると、少し表情を引き締めて話を続けた。
「五年前に、浩宇が皇帝になったときには、本当に嬉しかった。我がことのように喜んだよ。そして、必ず「秀女選抜」で選ばれて、後宮へ来ようと決意したんだ。
一年ほど前かね? お妃様のご懐妊が報じられた。とうとう、翠姫様が約束を果たし、林佳としておまえのお妃になってくださったのだと思ったよ。
皇子が生まれたんだよね? 今日の儀式には、二人とも姿を見せなかったけど……。
まさか、突然姿を消したと噂になっている寵姫というのは、林佳のことなのかい?」
そんな――。
翠姫様が、妍国の皇帝として生まれ変わった思い人と再会し、子までなしていたなんて……。 人間界から戻って、ひどく体が弱っていたように見えたのは、そういうわけだったんだ。
本当は、三年間人間界にとどまるつもりだったのに、わたしが天空花園を荒らしてしまったから、生まれて間もない我が子と別れ、急いで天界へもどってらしたのね……。何も知らなかったとはいえ、ごめんなさい、翠姫様……。
皇帝は、貞海様の手を取り、その感触を懐かしむように優しく撫でながら、悲しげな顔で言った。
「母さん、皇子を産んでくれたのは、確かに林佳だ。皇子は、劉星と名付けた。まだ、儀式に連れてくることはできないが、元気に育っている。近いうちに、必ず母さんに会わせるよ。
だけど……、林佳は行ってしまった……。劉星と彼女の侍女の蘭玲を地上に残し、翠姫様となって、また天界へ帰ってしまったんだ!」
「ラ、蘭玲?! 蘭玲姉様はここにいるのですか?!」
今度は、さすがに我慢ができず、声に出してしまった。
三人がいっせいに、蘭玲姉様の名前を口にしたわたしの方を見た。
まずい! 蘭玲姉様は、翠姫様の侍女ということになっているらしい。その蘭玲姉様を知っているわたしは――。うわっ! 絶対に、正体がわかっちゃったわよね?!
「フォッ、フォッ、フォッ……。相変わらず粗忽者じゃのう、深緑は! どうやら、ここが最後の仕事場のようじゃ。だったら、正体を明かして、皇帝陛下のお力を借りた方が何事も上手くいくじゃろう?」
虫籠の蓋を開け、卓の上に飛び出た夏先生が言った。
わたしの言葉に驚いていた三人は、人語を話す青蛙を目にして、さらに目を丸くし完全に言葉を失ってしまった。
貞海様と涛超さんだって、夏先生の「水嬉」は知っていても、言葉を話すところは初めて見るはずだものね――。
夏先生は、皇帝の前に進み出ると、小さな胸を張って挨拶をした。
「初めまして、皇帝陛下。わしは、このような姿をしておりますが、いにしえより天界に住まう者で、夏泰然と申します。そして、こちらの娘は、深緑といいまして、天界にて翠姫様のもとで働く天女なのでございます。
実は、我らは、天帝様の命により、人間界に降り立ちいくつか探し物をしております。わしの勘では、最後の探し物はこの後宮にあるようです。我らの仕事が終われば、翠姫様も再び下天することが許されることでしょう。どうか、我らに力をお貸しいただけませんかな?」
女神の下天や人の生まれ変わりという、摩訶不思議な話を信じている三人は、気持ちが落ち着くと、夏先生の言葉も素直に受け入れたようだった。
皇帝が、夏先生とわたしに丁寧なお辞儀をしたので、わたしたちもそれにならった。
「夏泰然殿、深緑殿、失礼をいたしました。わたくしは、天帝様のご加護によって、こうして生まれ変わり、翠姫様にも再会できたのだと信じております。今日は、母も同じように生まれ変わっていたことがわかり、たいそう驚きましたが、天帝様の深い慈愛を感じ心が震える思いでございます。
どうぞ、わたくしにできることでしたら、何なりとお申し付けください。そして、お二方の探し物とやらがお済みになりましたら、どうか、わたくしと劉星のもとへ再び林佳――いえ、翠姫様をおつかわしくださるよう天帝様にお口添えください」
皇帝は、先ほどよりさらに深く頭を下げた。
「お顔をお上げください、陛下。翠姫様は、確かに天界へお戻りになりましたけれど、たぶん、もう一度お二人に、いえ、貞海様も含めたお三人に会うことを望んでおられると思います。
もとを正せば、何もかもわたしのせいなのですが……。お言葉に甘え、ありがたく陛下のお力をお借りしようと存じます。まずは、蘭玲姉様に会わせていただけませんでしょうか? 姉様は、天女の霊力で、わたしたちの探し物の手がかりを掴んでいるかもしれませんので――」
顔を上げた皇帝は、少し困った顔をしていた。
しかし、やがて、何か思い当たったようにうなずくと、声を潜めて話し出した。
「実は、蘭玲は今、病に伏しております。すぐにも命に関わるということはないようですが、ほとんど言葉も話せぬような有様で――。医師や薬師にも見せたのですが、はっきりと見立てができた者はおりません。しかし、天界の方々であれば、彼女の病の正体がおわかりになるのではないでしょうか?」
蘭玲姉様が病に?! 病の見立てはともかく、わたしには快癒水がある!!
「皇帝陛下、今宵はこちらで、貞海様とゆっくりご歓談くださいませ。そして、明朝、わたくしと夏先生を蘭玲姉様の所へお連れください。姉様の病、わたくしが必ず治してみせますわ!」
そ、それに、浩宇って、確か夏先生の話によると、翠姫様が恋情を抱いた相手よね? 人間界の時間でいうと、七百年も前に!
翠姫様は、今回その人に会うために再び下天したのだろうと、夏先生は、言っていたような気がするけど――。
皇帝が、浩宇ってことなの? う~ん、よくわかりません!
おたおたするわたしの前で、二人は、泣き笑いを浮かべながら優しく抱き合った。
互いの体をきづかう様子は、夫婦というよりは、まさしく久しぶりに会った親子という雰囲気だった。
「被っていた布が外されて顔が見えたとき、すぐに母さんだとわかったよ。驚いた俺の顔を見て、『浩宇!』なんて呼ぶから、危うくかんざしを落とすところだった。母さんは、いつ自分の前世に気づいたんだい?」
涙を浮かべながらも、皇帝は何だかとても嬉しそうだ。
涛超さんやわたしも、皇帝から卓に呼ばれ、一緒に卓を囲んで貞海様の話を聞くことになった。
「もう、十年になるかね。両親に連れられて、天帝廟にお参りした日のことだよ。初めて自分で蝋燭を買って、『みんなが幸せになれますように!』と祈ったのさ。子どもらしい願いだろう? するとその晩、不思議な夢を見たんだよ」
少女の姿の貞海様が、まるで老女のような口調で話すのを聞くと、とても奇妙な感じがしたが、皇帝も涛超さんも真面目な顔で話に聞き入っていた。
「一人の男の子が、たくさんの女官にかしずかれて、池の畔に立っていた。『ああ、あれは、わたしの愛しい息子、浩宇だ』と思った。顔は違っていたけれど、なぜか、間違いなくそうだとわかったんだ。
わたしは、遠い昔、小さな集落で畑を耕す永芳という名の農婦だった。息子の浩宇が三つの時に病で夫をなくし、それからは集落の人たちに助けられながら、何とか二人で暮らしていた。夢を見ながら、そんなことが次から次へと心に浮かび、わたしは前世のことをすべて思い出したのさ。
やがて、夢の中の男の子――浩宇の前に空から誰かが舞い降りてきた。萌葱色の衣をまとった美しい女人だった。最初は、誰だかわからなかった。でも、永芳だった頃の記憶をたどるうちに、林佳という名前が心に浮かんできた。
浩宇が椚林で拾ってきた美しい娘。記憶を失っていた彼女と、三人で仲良く暮らした穏やかな日々……。幸せな想い出ばかりだった。でも、彼女が記憶を取り戻したとき、悲しい別れが訪れた。だって、彼女の正体は……、豊穣の女神、翠姫様だったのだもの……。
舞い降りてきた翠姫様の手が、浩宇の手に触れた途端、彼女は一輪の蘭の花に姿を変えた。それは、今はまだ無理だが、いつかきっと再び会いに来るという約束のように思えたよ」
皇帝は、遠い昔の別離の場面を思い出したのか、とても辛そうな顔になった。
貞海様は、皇帝の肩をそっと撫でながら、その辛さを分かち合おうとしていた。
二人は、長い時を経て生まれ変わり、今日、再び出会うことができたんだ……。
「母さん、それは、本当にあったことだよ! 空から降りてきたのは、最初から蘭の花だったけれど、俺は、その花を手にしたときに、前世のことをすべて思い出したんだ。そして、いつか必ず林佳に会えると確信したんだよ」
貞海様は小さくうなずきながら、皇帝の言葉を噛みしめていた。
「夢で見た浩宇が、妍国の皇太子らしいと知ってから、わたしは、後宮で浩宇に会うことだけを夢見て生きてきた。自分の前世を知ってしまうと、もう贅沢な暮らしはできなくなってね。涛超には、ずいぶん心配をかけたけれど、昔を思い出しながら杜家の別邸で好きなように暮らさせてもらった」
貞海様が、優しい眼差しを向けると、涛超さんは手巾で涙を拭っていた。
なんとも不思議な話ではあるが、貞海様に仕えてきた涛超さんは、彼女の身に起きた稀有なできごとを知ることができて感極まった様子だった。
貞海様は、皇帝に向き直ると、少し表情を引き締めて話を続けた。
「五年前に、浩宇が皇帝になったときには、本当に嬉しかった。我がことのように喜んだよ。そして、必ず「秀女選抜」で選ばれて、後宮へ来ようと決意したんだ。
一年ほど前かね? お妃様のご懐妊が報じられた。とうとう、翠姫様が約束を果たし、林佳としておまえのお妃になってくださったのだと思ったよ。
皇子が生まれたんだよね? 今日の儀式には、二人とも姿を見せなかったけど……。
まさか、突然姿を消したと噂になっている寵姫というのは、林佳のことなのかい?」
そんな――。
翠姫様が、妍国の皇帝として生まれ変わった思い人と再会し、子までなしていたなんて……。 人間界から戻って、ひどく体が弱っていたように見えたのは、そういうわけだったんだ。
本当は、三年間人間界にとどまるつもりだったのに、わたしが天空花園を荒らしてしまったから、生まれて間もない我が子と別れ、急いで天界へもどってらしたのね……。何も知らなかったとはいえ、ごめんなさい、翠姫様……。
皇帝は、貞海様の手を取り、その感触を懐かしむように優しく撫でながら、悲しげな顔で言った。
「母さん、皇子を産んでくれたのは、確かに林佳だ。皇子は、劉星と名付けた。まだ、儀式に連れてくることはできないが、元気に育っている。近いうちに、必ず母さんに会わせるよ。
だけど……、林佳は行ってしまった……。劉星と彼女の侍女の蘭玲を地上に残し、翠姫様となって、また天界へ帰ってしまったんだ!」
「ラ、蘭玲?! 蘭玲姉様はここにいるのですか?!」
今度は、さすがに我慢ができず、声に出してしまった。
三人がいっせいに、蘭玲姉様の名前を口にしたわたしの方を見た。
まずい! 蘭玲姉様は、翠姫様の侍女ということになっているらしい。その蘭玲姉様を知っているわたしは――。うわっ! 絶対に、正体がわかっちゃったわよね?!
「フォッ、フォッ、フォッ……。相変わらず粗忽者じゃのう、深緑は! どうやら、ここが最後の仕事場のようじゃ。だったら、正体を明かして、皇帝陛下のお力を借りた方が何事も上手くいくじゃろう?」
虫籠の蓋を開け、卓の上に飛び出た夏先生が言った。
わたしの言葉に驚いていた三人は、人語を話す青蛙を目にして、さらに目を丸くし完全に言葉を失ってしまった。
貞海様と涛超さんだって、夏先生の「水嬉」は知っていても、言葉を話すところは初めて見るはずだものね――。
夏先生は、皇帝の前に進み出ると、小さな胸を張って挨拶をした。
「初めまして、皇帝陛下。わしは、このような姿をしておりますが、いにしえより天界に住まう者で、夏泰然と申します。そして、こちらの娘は、深緑といいまして、天界にて翠姫様のもとで働く天女なのでございます。
実は、我らは、天帝様の命により、人間界に降り立ちいくつか探し物をしております。わしの勘では、最後の探し物はこの後宮にあるようです。我らの仕事が終われば、翠姫様も再び下天することが許されることでしょう。どうか、我らに力をお貸しいただけませんかな?」
女神の下天や人の生まれ変わりという、摩訶不思議な話を信じている三人は、気持ちが落ち着くと、夏先生の言葉も素直に受け入れたようだった。
皇帝が、夏先生とわたしに丁寧なお辞儀をしたので、わたしたちもそれにならった。
「夏泰然殿、深緑殿、失礼をいたしました。わたくしは、天帝様のご加護によって、こうして生まれ変わり、翠姫様にも再会できたのだと信じております。今日は、母も同じように生まれ変わっていたことがわかり、たいそう驚きましたが、天帝様の深い慈愛を感じ心が震える思いでございます。
どうぞ、わたくしにできることでしたら、何なりとお申し付けください。そして、お二方の探し物とやらがお済みになりましたら、どうか、わたくしと劉星のもとへ再び林佳――いえ、翠姫様をおつかわしくださるよう天帝様にお口添えください」
皇帝は、先ほどよりさらに深く頭を下げた。
「お顔をお上げください、陛下。翠姫様は、確かに天界へお戻りになりましたけれど、たぶん、もう一度お二人に、いえ、貞海様も含めたお三人に会うことを望んでおられると思います。
もとを正せば、何もかもわたしのせいなのですが……。お言葉に甘え、ありがたく陛下のお力をお借りしようと存じます。まずは、蘭玲姉様に会わせていただけませんでしょうか? 姉様は、天女の霊力で、わたしたちの探し物の手がかりを掴んでいるかもしれませんので――」
顔を上げた皇帝は、少し困った顔をしていた。
しかし、やがて、何か思い当たったようにうなずくと、声を潜めて話し出した。
「実は、蘭玲は今、病に伏しております。すぐにも命に関わるということはないようですが、ほとんど言葉も話せぬような有様で――。医師や薬師にも見せたのですが、はっきりと見立てができた者はおりません。しかし、天界の方々であれば、彼女の病の正体がおわかりになるのではないでしょうか?」
蘭玲姉様が病に?! 病の見立てはともかく、わたしには快癒水がある!!
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