GAKU~神様に想像魔法というチートスキルを貰ったけど俺より強い奴が山ほどいた~

ゆりぞう

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1章 激動の日々

話せる魔物

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ガクの身体をバッチリと見てしまったリンは気恥ずかしさで思わず逃げてしまったが、とりあえず落ち着ける場所を探した結果、家の裏手にある場所に来ていた。



「はぁーもう、、、師匠もそうだけど、なんで男って服を着ないで家の中を歩き回るのかしら。そりゃあ家に上がらせてもらってる身ではあるけど...」



 恥ずかしさやらなんやらで火照っていた身体も幾分かましになり落ち着きを取り戻していた。



 あっ、ガクさんに神草の事聞かないといけないんだった。ちょっと気まずいけど、気にしてません風にいけば大丈夫!それにしても、本当にこんなに神草が生えているなんてなんだか幻想的な光景ね。淡く光っててとっても綺麗。







 よし。そろそろガクさんの所にいこう。さすがにもう服は着てるはず。




 落ち着きを完全に取り戻したリンは家の中に入りガクを探すことにした。



 最初に師匠と話をした部屋に行ってみたが誰も居なかったので取り敢えず家の中をむやみに歩き回るのも悪い場合かと思い、その部屋で待っていることにした。



 師匠との話しに夢中になっていた為に部屋をよく見ていなかったが、改めてみると無駄なくものがなくよく言えばシンプル。悪く言えば殺風景な部屋だった。

 しかし、テーブルの一つをとっても明らかにその辺に売ってある安物のテーブルではなく、高級そうな素材で作られているのが分かる。

 観察をしていると、扉があき師匠とアピスさんが入ってきた。



「あーさっぱりしたわ。おぅリンここにいたのか。何処に逃げたか探す手間が省けてよかったわ。」



 くぅ、、、、腹立つ。落ち着けー我慢我慢....。



『あまりからかってはいけませんよ?女性なのですから驚いて当然ですよ。』



 ん??



『改めまして。リンさん僕はアピスと言います。先日は驚かせた挙げ句、大切であろう剣まで折ってしまい大変申し訳ございませんでした。』



 ん???



『恥ずかしながら、初めて人間の女性を見たもので少しはしゃいでしまいました。』



 ん????



『折れてしまった剣ですが、兄様に見せた所、直すよりリンさんに合う武器を選んでほしいとのことだったので、後程剣の打ち合わせ等をしていただけますでしょうか?』



 ん?????あれ、、、アピスさん喋ってる。チラッと師匠をみるといつもと同じくニヤリと笑っている。



「いや、これに関しては黙ってたわけじゃねぇぞ?さっきアピスと風呂入ってるときに俺も初めて聞いたからな。簡単に言うと知能が高い魔物と会話できる魔道具を使ってるからアピスと会話できるんだけど、お前と会ったときは使用するの忘れてたんだとよ。アピスと俺の首にネックレスしてるだろ?ガクが作ったから詳しいことは知らねぇけど、魔力を込めながら話すと会話できるようになるんだとよ。」



「そんな魔道具聞いたことない...いえ、分かりました。アピスさんも気にしないで下さい。アピスさんのお陰で私は今こうして生きてられるのですから感謝してます。えと、正直武器自体は替えがあるんですけど、ここの魔物には心許ないので剣についてもすごく助かります。」



『そう言ってもらえて僕も安心しました。兄様はすごいんです!なんでもできますから。』



 さっきからアピスさん、ガクさんのこと兄様ってよんでるけど、どういう関係なんだろ?そもそも、魔の大陸に来れるどころか住んでる人がいるなんて聞いたことがないし。



 どういう事か師匠に視線を向けると、本人に直接聞けと言われた。



「そろそろ、飯の準備も出来た頃だろうから向かうか。飯食ってから色々ガクに聞いてみろ。」



 食堂に3人で向かうとすでにテーブルには美味しそうな料理や酒が並んでいた。



「タイミングがいいな。今出来た所だから飲んで食べてくれ。」



 ガクさんがキッチンから出てきたってことは、これガクさんが全部作ったってことだよね...この人私より歳が下に見えるのに料理までできるんだ。



 リンは20歳、ガクはこの世界に18歳で来て5年が経過している為、現在は23歳なのだが日本人は実年齢より幼く見えるそうなので、リンも勘違いしていた。



「今日も美味そうだな!ガクが居ない時は俺もアピスも飯なんか作れねぇから大変だったわ。リンも座れよ。」



 見た事がない料理が並んでいるので、多少戸惑っていると「「いただきます」」と聞こえた。



「いただきます...?」



「飯食う前の挨拶みたいなもんだ。食い終わったらご馳走さまっていうんだとよ。」



 食事の前に神様にお祈りをする感じかと思い納得したリンだったが、ご飯を食べようとフォークを探したが2本の棒しかなかった。



「あー、リンちゃんは箸使った事ないもんな。俺の故郷では飯を食べる時はこれ使ってるんだけど、ちょっと難しいもんな。」



 そう言いながら、ガクはフォークとナイフを持ってきてくれた。



「ありがとうございます。それとリンでいいです。歳も近いですし。」



 それから各々が美味しい料理や酒を楽しんでいた。

 私もビールというお酒を少し飲んだけど、冷えていて初めてだったけど、すごい美味しかった。



 アピスさんはまだお酒を飲める歳ではないらしく、果実水を飲んでいた。魔物に年齢とか関係あるのだろうか...??




 初めて尽くしで、時折ガクさんや師匠にどんな料理かを教えてもらったり、楽しい時間だった。



 食事も終わり酒盛りをしている所でリンが本題を切り出した。



「あのガクさん、庭の裏手にある神草がほしいので譲って頂いてもよろしいですか?」



「話しは大体おっさんに聞いてるけど、弟さんが病気なんだろ?まず弟さんの症状を教えてくれ。」



 症状もなにも神草さえ手に入れれば病気も治ると思っていたリンは困惑しながらも説明を始めた。



 弟のカイは3年程前から体調を崩すことが多くなり最初は風邪だと思っていた。数日休めば体調も良くなるので医者からも風邪だと診断を受けていた。

 しかし、次第に薬を処方してもらっても体調は良くならなくなってきていたので、さすがに少しおかしいと感じた為、有名な医者に診断してもらっていたが原因が分からなかった。

 そうこうしているうちにカイはろくにベッドからも動けなくなってしまった。



「んーと、カイだっけ?もしかして、魔法上手く使えないんじゃねぇか?」



 説明を聞いたガクは少し険しくなった顔で質問をした。



 この世界の住人は魔力が身体の中に大小はあるが必ずある。魔法というのは体内の魔力を操作することによって発動することができる。もちろん本人の資質によって使える魔法というのは限られている。しかし、生活の中で使う生活魔法というのは全員が使える。

 カイはそれすらも使えないのだ。



「やっぱりな。だったら例え神草でも治らねぇよ。」



「なんで⁉神草は万病に効くって話でしょ?!だったらカイの病気だって、きっと治るはずじゃない!!」



 あまりにも信じられない、信じたくない事実を知ってしまったリンは頭が真っ白になっていた。

 神草だけを希望にしてきたリンにとってあまりにも残酷なことだった。
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