GAKU~神様に想像魔法というチートスキルを貰ったけど俺より強い奴が山ほどいた~

ゆりぞう

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回想

原種の魔物

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ギリギリまで魔力を使用した為ガクは以前と同じように気絶こそしなかったもの、その場に膝をつき動けずにいた。



「ダンジョン個体のスプリガンとはいえよく頑張ったのぅ。ほれ、顔を上げて前を見よ。」



 息を整えながらゆっくりと顔をあげるとそこには、銀色の宝箱が置いてあった。



「はぁ・・・はぁ・・・こんなに強くて銀箱かよ・・・。」




「全く・・・最初に言う言葉がそれとはな。」



 ガクは内心では喜んでいるものの、ウィリアムの前で素直に感情を出すのが恥ずかしかっただけである。無論、ウィリアムもそのことは薄々感じてはいた。



 暫くするとようやく自分の足で歩けるようになった為、銀箱の中を確認しに行った。



 魔力を限界まで使うとこんな気持ち悪くなんのかよ・・・これだったらまだ船酔いのほうがマシだな。

 一応念の為に宝箱に鑑定でもしとくか・・・よし。大丈夫だな。



 中を確認してみると、女神らしき彫刻がはいった指輪とスプリガンの魔石が入っていたので指輪を鑑定してみた。





【パナケイアリング】

 着用者をあらゆる状態異常から身を守り、常時、体力回復効果があるリング。





「・・・銀箱とかしょぼいとか思ったけど、何これ?状態異常無効とかやばくね?常時体力回復も地味に嬉しいな。」



「何やら良いアイテムを手に入れることができたようじゃの。その指輪もこれからのガクの助けになるじゃろうな。」



 今まではウィル爺との鍛錬を真面目にはやっていたものの、どことなくこの世界をゲーム感覚で過ごしていたガクだったが、スプリガンとの戦闘を機にガクは変わっていった。





 それから数週間程が経ち、現在ガク達は29階層まで到達していた。



 あれからも魔物を狩り続けたが、結局でてくる魔物のランクはBランクが最大でほとんどがCとC+であった。宝箱もあれから一度も銀箱は出ていなかった。

 多くの魔物の魔石や宝箱から入手した武器や防具を手にしたガクは、こちらの世界にきた当初とは比べ物にならない位に強くなっていた。



「やっと次の階層で終わりか・・・というかこのダンジョン階層少なすぎねぇか?これってウィル爺達がダンジョンに定期的に来て狩りしてるのが関係してるよな。」



「恐らくそうじゃろう。儂らがきたときからこのダンジョンは成長を止めておる・・・というよりかは、ダンジョンコアに魔力が溜まり過ぎないから無理をして階層を増やして魔力を消費する必要はないのじゃろうな。このダンジョンがこの世界にある中で1番難易度は低いじゃろうな。」



 最初にここに飛ばされて良かったのぅ。と笑いながらウィル爺に言われたけど、他のダンジョンは一体どうなってんだ・・・?絶対やばいよな・・・。



「そう憂鬱そうな顔をするでない。儂と出会ってから2ヶ月でここまで成長できたのじゃ。剣士としてならひよっこから一端の剣士位にはなったし、魔法込みなら外の魔物にも遅れをとることはないじゃろう。」




「魔法ありでもウィル爺といい勝負できるどころか、まともに攻撃当てたことないんですけど・・・。」



「儂に攻撃を当てることができる者はそう居ないぞ?最初に儂と打ち合い稽古をした時の事を覚えておるか?あの時ガクはその場から儂の事を動かすこともできんかったが、今はさすがの儂でもガクの攻撃を動かずに全て避けるのは難しいぞ?自分に少しは自信をもつのじゃ。」



「そうは言ってもなぁ・・・てかウィル爺と勝負になる程戦える奴ってこの世界にいんのか?」



 ガクは普段から疑問に思っていたことを口にした。というのも、自分に全く自信がないわけじゃない。ないわけじゃないのだがウィリアムと模擬戦をしても子供のようにあしらわれてばかりなのだ。



「そうじゃのう・・・儂の集落に居る者達ならそれなりに戦闘といえるものにはなるな。それ以外となると各大陸に、食物連鎖の頂点におる物達がいるらしいからの。その者達なら良い勝負ができるかものぅ。儂はこの大陸からほとんど出たことはないのじゃが、儂の友人は旅が好きでのぅ、よく旅をしておった。その時に出会った事があると言っておったな。」



 なんでもウィル爺の友人は全部の大陸に行ったわけではないそうだが、各大陸には魔物がこの世界に出現してから長い間戦い、生き残ってきた”原種の魔物”がいるらしい。



 ”原種の魔物”とはこの世界が魔力で満たされ、動物たちが魔力により突然変異し魔物となったわけだが、それを”原種の魔物”と言う。



 話を戻すけど、それと出会ったウィル爺の友人は力試しをしたくて”原種の魔物”と戦ったそうなんだけど、三日三晩戦ったが決着はつかなかったらしい。



 それからお互いの実力を認め合って、ウィル爺の友人は今でもその”原種の魔物”と酒を飲みかわしに行く位の仲になってるそうだ。



 どっちも好戦的っていうか脳筋だな・・・。




「儂も詳しくはその話は知らんから集落に着いたら聞いてみるがよい。ガクよ、次はこのダンジョンの最深部じゃが準備のほうはできておるか?」



「準備は出来てるよ。そろそろ行くか。」



 あれからいろんな魔物とも戦って実力はついたと思うし、装備なんかも揃った。これが今の俺の装備とステータスだ。



【名前】  八神 学

【年齢】  18歳

【種族】  人間?

【体力】  E+→D+

【攻撃】  E+→C+

【防御】  E+→C+

【魔力】  E+→B

【素早さ】 F+→D

【運】   F→E

【固有スキル】 想像魔法  魔力吸収 インベントリ



 装備に関してはパナケイアリング、ウィル爺から貰ったロングソード、いくつか剣は手に入れたけどなんか手にしっくりこなかったから今でもこれを使っている。



 防具は革の鎧と靴、それぞれこんな感じ。



【黒虎象の鎧】

 Cランク上位の魔物タイガーエレファントの革で作られた鎧。

 鞣すと軽くなる性質がある為、軽い上に耐久力にも優れている。



【ドドニラミンゴの靴】

 Dランクの魔物ドドニラミンゴの革で作られた靴。

 特殊な効果はないがとにかく軽く動きやすい。



 地球じゃ鎧なんてきたことなかったし、とにかく動きを阻害しない軽めの物を使っている。

 ていうのも正直思ったことは最深部に近づくにつれて魔物もランクこそ高くはないものの一癖も二癖もあるような奴らばっかりだし攻撃力特化タイプの魔物の攻撃なんて当たったら防具を着てても気休め程度にしかならないんだよな。



 だったら防御力が下がってでもなるべく軽い物のほうが俺の戦闘スタイルに合ってるような気がするんだよ。




 最深部の30階層は降りるといかにもな扉があってそこを開けるとダンジョンボスがいるらしい。



 一度入ったら完全に扉は開かなくなるからボスを倒すしかないみたいだ。



 過去に何回かウィル爺達が倒しているそうでけど、強さも魔物の種類もバラバラだったそうだ。これに関しては恐らくダンジョンコアの保有魔力量に応じて変わっているんじゃないかと思う。



 1番最初にウィル爺と友人が攻略した時のダンジョンボスは龍種だったらしい。頼むから俺の時は出ないでほしい・・・。それ以降は龍種は出ていないみたいだから大丈夫だろうけどな。



 30階層に降りていくと目の前には豪華な扉、悪く言えば悪趣味な扉があった。



「ダンジョンボスを倒すことが儂からの最終試験じゃ。儂も中には入るが手出しはせん。己の全力を持って突き破ってみよ。」



「あぁ・・・絶対勝つ!!」



 ガクは自分を鼓舞し、ダンジョンボスが待っているであろう扉を開き中に入って行った。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【タイガーエレファント】C+

虎のように獰猛で凶悪な爪をもっており、象のように分厚い皮膚を持っている魔物。

その巨体からは考えられないような俊敏さで相手を翻弄する。

肉は筋張っていて食べても美味しくない。

爪は加工して短剣として使ったりするが、革の方が需要があり人気である。



【ドドニラミンゴ】C

基本的には好戦的ではない。捕食者から逃げ延びる為だけに発達した足の速さはCランクとは思えないほど素早い。

気休め程度にしかならないが魔眼で相手を少し止めることができる為、ドドニラミンゴを捕まえることは非常に困難。

革は軽く、使い勝手もいいので高値で取引されている。
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