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第2章 インターハイ〜
第124話 高校No.1
しおりを挟む慎太郎「あ~…あつっ」
大樹「気温も試合もな」
Bコート
第2試合 試合終了
愛和工業大学附属 120
博多第一 104
第3シード・愛和工業大学附属がベスト4に勝ち残る。
愛和は武田の29得点を筆頭にスタメン全員が2桁得点。
控えで登場した3選手も揃って2桁得点を記録。
チームとしての攻撃力の高さを見せつけた。
第一はディフェンスで勝機を見出そうとしたものの、さすがにずっとノーマークにさせない事は至難であり、速攻だけでなくハーフコートオフェンスではスクリーンやピックアンドロールも織り交ぜてくる愛和にノーマークをことごとく決められてしまい、ここで敗退。
試合後は互いに健闘を讃え合う。
Aコート
試合終了
昭鹿学院 73
聖ロザリア学園 77
女子準々決勝第2試合の、手に汗握る激闘も終わる。
最後まで競り合ったものの、ラスト1分の攻防で第2シード・聖ロザリアが抜け出した。
そして…
ブーッ!!!
試合開始まで残り1分半。
「来た来た!男女とも優勝候補筆頭・第1シードの登場だ!」
Aコート
桃花学園 0
開志 0
Bコート
洛阪 0
泰正学園 0
男女の優勝候補大本命の登場ということもあり、観客席は大混雑。
立ち見の客でコート側は埋め尽くされ、警備によって通路が確保される程に。
-洛阪ベンチ・試合開始前
指揮を執るのは、監督として20年以上連続で全国出場を誇る吉永監督。
吉永「スターターはいつもの5人。あ、そうだ高松」
高松「はい」
吉永「お前、さっき言ってた愛和のあれやってみな」
塚森「え゛」
大谷「へ!?」
高松「まじっすか?」
吉永「ああ。マジだ。いいだろたまには。
お前が何故高校No.1プレイヤーと呼ばれているのか、それを今日ここに見に来ている全ての人間にプレイで教えてこい」
高松「ありがとうございます!」
吉永「そして…」
吉永監督、他の全員を見渡す。
吉永「何故お前達が優勝候補筆頭なのか、コートで教えてこい」
洛阪メンバー「「「はい!!!」」」
塚森「お前、無茶な勝負して試合壊すなよ?」
高松「何言ってんのお前…俺が言ってたのはシュートセレクションを考えない訳じゃないだろ?ボール受けてノーマークなら攻める。チャンスメイクだって隙あらばするって事だろ」
塚森「…わかってんならいいよ」
塚森、高松の肩をポン、と叩く。
塚森「任したぜ」
高松「おう」
ブーッ!!!!
試合開始までの猶予時間が0になった。
新城「楽しみなとこ悪いが下降りんぞ」
慎太郎「えぇ~!?そんなぁ」
涼真「今は北陵の事を気にしろよ」
(とはいえ…高校No.1プレイヤーのプレイは俺も見ておきたかったけどな)
高松のプレイ、洛阪のプレイを見たかったのは涼真だけではない。
勝ち残っている愛和、屋代工業の両チームも
今日敗退した東裁大諏訪も、博多第一も
昨日洛阪に敗北した地元・明桜も
既にインターハイで敗退した高校も
インターハイに出場すらできなかった選手達も
これから第4試合を星垓と戦う北陵も
全員が注目してると言っても過言ではなかった。
優勝候補筆頭というのは嫌でも注目され、結果を気にされ、批評される。
対戦相手にはその名前さえ重くのしかかる。
しかし、負けることをもはや許されず、苦戦ですらバッシングの対象となる彼らにかかるプレッシャーは相手の比ではなく、計り知れない。
しかし、2年前にインターハイ準優勝、国体で優勝、ウィンターカップで優勝。
昨年は高校3大タイトル全てで優勝。
1年次から主力として出続けてきた高松、塚森、大谷の3人は既に5度の日本一を経験している。
注目されることにもはや慣れた彼らにとって準々決勝というのは、もはや通過点でしかなかった。
そして…
ブーッ!!!!
前半終了
洛阪 56
泰正学園 29
そして…
この時点での高松晃良のスタッツ
得点37
リバウンド4
アシスト5
スティール3
ブロック3
山下「と、とんでもないものを見せられてしまいましたね…」
村上「我々は今、歴史的パフォーマンスの証人になろうとしているのかもしれん…」
会場は歓声を通り越してどよめきが起きていた。
コートではハーフタイムの星垓と北陵の練習が始まっている。
塚森「ふぅ…」
(疲れた)
大谷「てか高松…すげー調子いいよな」
塚森「高松の奴…徹底マーク受けてんのにそれでもノーマーク作ってボール要求しやがる。
オフボールの動きもオフェンス能力も、そこからのアシストでのクリエイトも全てがよく見えてる。文句なくうちのエースだよアイツは」
その高松はベンチで他のチームメイトと談笑している。
ブーッ!
ハーフタイム残り3分になり、北陵と星垓のメンバーがコートからいなくなる。
そして第3Q、泰正学園はボックスワンで高松を止めにかかるも…
バシッ!
高松、味方も相手も遮蔽物に使いノーマークでボールを受ける。
村上「フェイスガードのマンマークをいきなり破りおった…」
ダム!!
マークマンが追いついてきた所をカウンターで鮮やかに抜く。
バス!!
そのままレイアップを決める。
ボックスワンだろうがこの男には全く関係なかった。
ブーッ!!!
第3Q終了
洛阪 81
泰正学園 47
高松晃良・個人スタッツ
得点56
リバウンド7
アシスト7
スティール6
ブロック5
第4Q、洛阪は主力を1秒たりともコートに立たせる事はなかった。
山下「たった30分で高松くんこのスタッツ…40分でのスコアだとしても恐ろしすぎるのに…フル出場してたらどうなってたんでしょう…」
村上「ファイブ・ファイブズも達成している。もはや日本の高校では最強のオールラウンダーと言っても過言ではないだろう。フル出場していたら70得点やトリプル・ダブル達成の可能性もあっただろうな」
高松晃良、たった1人で56得点。
対戦相手の泰正学園は、チームで47点。
高松1人で相手チームの総得点を上回っていた。
しかもこのスタッツを残したのはまだ第3Qの終わりであり、試合の3/4しか出ていない状況である。
ブーッ!!!
試合終了
洛阪 102
泰正学園 72
2回戦で関東の強豪・深谷を倒し、3回戦で九州の強豪・博多大学附属大濠を倒し勢いのあった泰正学園、洛阪・高松に手も足も出ずここで敗退。
高松晃良のワンマンショーとも言うべき準々決勝男子第3試合だった。
そして女子も…
ブーッ!!
桃花学園 87
開志 62
女王・桃花学園が危なげなく勝利。
会場内は早くも次の試合に興味が移っている。
Aコート(女子)第4試合
大阪駿英女子 0
美濃女子 0
Bコート(男子)第4試合
星垓 0
北陵 0
山下「女子は第3シードの大阪駿英と東海2位の美濃女子…共に強豪同士、いい勝負が期待できそうですね」
村上「大阪駿英はアウトサイドのシュート力とディフェンス力、美濃女子は高さとリバウンドにそれぞれ定評がある。その上でスコアラーは共にアウトサイドとインサイドに強力なプレイヤーが1人ずつだ。どちらのコンビがより自チームをのせるか、ポイントはそこだろう」
山下「そして男子は…」
村上「高校界最高の高さを誇る摩天楼…どころかヒマラヤ軍団ともいうべき北陵に速さと爆発力の星垓が挑むというのが大方の見解だな。
舟栄を倒したとはいえ、星垓は2戦続けて優勝候補と対戦だ。疲労も気になるところだな」
山下「北陵には霧谷君や高松君と比べても遜色ない高校3大プレイヤーの1人、堂林君もいる」
村上「堂林はどちらかと言えばバックコートのプレイヤーだからな…少々荷が重い気もするが新城がマークにつく事になるだろう」
星垓(ユニフォーム青)
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G/F #9 真田 直斗 2年 183㎝
F #10 北条 涼真 1年 187㎝
F #8 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
北陵(ユニフォーム白)
G #5 三上 直哉 3年 184㎝
G/F #6 堂林 和樹 3年 189㎝
F #4 筒井 辰也 3年 193㎝
C/F #10 劉 子轩 3年 203㎝
C #15 伊達 裕之 1年 211㎝
-星垓ベンチ-
唐沢「さて、いよいよベスト4への挑戦です」
一同「「「はい!!!」」」
唐沢「やるべき事は、わかってますね」
一同「「「はい!!!」」」
一同、プレッシャーも気負いもない。
やる気に満ちた表情。
唐沢「よし、頑張ろう!」
新城「そうだお前ら、試合前は今日から新しい掛け声だぞ」
髙木「それいつ決めたんだっけ」
中澤「今朝」
矢島「まあこの掛け声も締まるからいいじゃん」
新城「よし、全員円陣組め」
全員が円状に固まりぎゅうぎゅうになる。
新城「よし、今日の相手は強いけど、勝って生き残る!」
新城、全員の前に掌を下にして出す。
一同「オウ!!」
全員新城が出した手に手を重ねる。
新城「Run!Jump!」
星垓メンバー「「「Go For Win!!!」」」
掛け声と共に全員が手を空に突き上げる。
ブーッ!!!!
準々決勝最終試合
星垓vs北陵
次回、ティップオフ!
……To be continued
応援ありがとうございます!
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