Another world currency

haya

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創られた国民

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 ルフィア王国の王城、城内にある庭に三人の幼女が玉遊びをしていた。

 その幼女達を微笑ましく眺める青年は悠士と同じく召喚に巻き込まれた高司の姿があった。

「それー!」

「 やったなー! それー!」

「あー! どこ蹴ってるのー!」


 一人が蹴ったボールはもう一人の子の位置から大きく外れ、転々と転がっていく。


 幼女は追いかけるが、ボールは人の足に当たり止まった。


「あ、ごめんなさいー! ボールくださいー!」


 幼女はボールが当たった主に話し掛けたが、返事もボールも返ってこなかった。


「???」


 返事が返って来なかったので幼女は不思議に思ったが、自分でボールを取りに行った。


「よいしょっと!」


 ボールがしゃがんで取ると、頭上から舌打ちが聴こえて来たので見上げると、男が怒った表情で前を見据えていた。


「チッ! 高司の奴め・・・居ねえと思ったらこんな所でガキ共と遊んでいやがるとは・・・」

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「うるせぇ! 邪魔だ!」


 幼女が心配して声を掛けた途端、男に軽く蹴られ横に転がってしまう。


「 カズヤ君、何をするの!」


 高司は急いで倒された幼女に駆け寄る。
 軽く小突かれた程度だったので擦り傷が少しできた位で大事には至らなくホッと胸を撫で下ろす。


「酷いよ! カズヤ君! こんな小さな子にいきなり何て事をするの!」

「うるせぇ! そのガキが人の前で邪魔するからだろ。 そもそもお前がこんな所にいるからだろうが! 手間掛けさせやがって!」


 そう言ってカズヤは高司を前蹴りで後ろに吹き飛ばす。
 それを心配した幼女達が今度は高司に駆け寄る。


「「「おーさま!!」」」


 それを聞いたカズヤは声を高らかにして腹を抱えて笑った。


「だぁはっはっは!! 王様だぁ? お前、誰にも相手にされないからって、こんなガキ共に王様なんて呼ばせてるのかよ! 惨め過ぎて笑えるぜ!」


 カズヤは笑い過ぎて涙目になり自分の手で涙を拭く。
 一通り笑い終わると真面目な顔をして高司の方へと向いた。


「お前みたいな偽物じゃなくて本物のこの国の王様から伝言だ。もうじき戦争だから城の倉庫にある物資をお前のスキル、【アイテムボックス】に入れておくようにだとよ。荷物持ちくらいしか出来ないんだからさっさとやれよ!」


 まったく面倒臭ぇとブツブツ文句を言いながらカズヤは戻っていった。


「おーさま、大丈夫?」


 幼女に声を掛けられ高司は起き上がりながら幼女達に顔を向ける。


「僕は大丈夫さ。 それより『12番』は本当に何とも無いか?」

「うん、あんなの大したことないよ!」


 高司に言われ12番と呼ばれた幼女は元気に答える。高司はそんな幼女の頭を優しく撫でた。


「それよりあのゴリラはムカつくね!」

「うんうん! おーさまにキックするなんてね! いなくなればいいのに!」
 
「ほらほら、15番と19番もそんなに怒らないの。僕は平気だからさ。」

「「おーさまがそう言うなら・・・」」


 高司に宥められて二人の幼女はとりあえず怒りの矛を収める。

「ねぇおーさま、私たちの国はまだ出来ないの?」

「そうそう、もうおーさまを苛める所にはいたくないよ・・・」

「うーん・・・早く作りたいんだけどねぇ。 まだまだ足りない物があるかな。もう少し待ってて。」

 高司が答えると幼女達は元気良くはーいと返事した。


 「王様ー!」


 ふいに遠くから高司を呼ぶ声が聞こえる。
 そちらを見ると中学生くらいの少女が手を大きく振りながらこちらに駆けてくる。


「はぁはぁ・・・こちらにおいででしたか。」


 少女は膝に両手を置き、肩で息をする。
 やがて少女は自分の胸に手を当て息を整えて顔を高司へと向ける。その可愛い顔はまるで『幼女達を成長させた』かのように良く似ていた。


「どうしたんだい『ナイン』? そんなに慌てて。」

「はい。『揺り籠』によりロットナンバー20から29の生産が終了しました。」

「そう・・・で? 今回は何体生き残ったの?」


 高司に聞かれてナインと呼ばれた少女は顔を曇らせて言い辛そうに答える。


「・・・残念ながら半数の5体です。」


 ナインと呼ばれた少女の報告に高司は肩を落とす。


「うーん・・・まだまだ生存率は低いなぁ。 もっと簡単にホムンクルスは作れると思ったんだけどなぁ。 『ゼロ』の方はどう?」

「生きてはいるのですが、依然として目覚める気配はありません。」

「そっかぁ、まだまだ人手は欲しいからね。 次の生産にも悪いが協力してくれ。」

「畏まりました。 ところで王様の方は例のモノの進捗はどうですか?」

「うん。何とか形には出来たよ。」


 そう言って高司は【アイテムボックス】のスキルを使い、何もない空間から白を基調とした金細工のなされた10cm四方サイズの箱を取り出した。


「その箱が例の・・・」

「うん。これが僕に優しい世界・・・【理想郷】《ユートピア》さ。」
    
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