クラスまるごと異世界転移

59

「…倒した…か」

「…おー…やった…」

「…明日で、よくね…？」


一旦テントから出て確認するも睡魔に負けた俺らは兵士に後始末を任せて再び眠りにつく。


…数時間後の朝。


「…ううー…ふう。お、夢じゃなかったか」

「起きたか。見ろよ、また抜け殻だぜ」

「なんだろうな？この『抜け殻』って」

「抜け殻ぁ？」


藤原が背伸びをしながら起きて来るので先に起きていた俺と柴田は『死皇帝の抜け殻』とかいう動かなくなった骸骨を見ながら首を傾げる。


「まーた抜け殻か…つーかなんかやけにドロップアイテムが多くねーか？」


一箇所に集まってる『死皇帝の杖』『死皇帝の王冠』『死皇帝のマント』『死皇帝の首飾り』という装備品を見て藤原は意外そうに聞いてきた。


「そーか？一応全部装備品だぜ？」

「ドロップの条件が分からん…柴、お前分かるか？」

「さーな。ターン制限とかじゃねーの？ゲームと違って長い時間をかけて倒したらドロップする…とか」

「あー…確かに。俺がパーティ組んでた時は速攻で決めないと逆に全滅するからって短期決戦だったし」

「俺ん時もそうよ」


頭を掻きながら不思議そうに藤原が聞くと柴田が適当な感じで答え、納得したように頷く。


「つーか魔方陣とかねーんだけど歩いて帰るのか？」

「お、確かに…ボス戦ならあってもおかしくないのに」

「帰るんなら早く帰らねーと。ダラダラ過ごして聖水切れたらやべーぞ」


俺の問いに藤原は辺りを見渡して呟き柴田が注意喚起のような事を言ってくる。


「それもそうだ。さっさと帰るか」


俺は兵士達に急いで片付けをするよう指示して柴田や藤原と共に片付けを手伝う。


「…よし、帰るか」

「そだな」


最後に忘れ物やゴミが残って無いかを確認して俺らは来た道を戻った。


「…そういや俺ら、どっから来たっけ？」

「右じゃね？」

「いや、でもあっちからだろ？…左…いや右か？」


どうせ魔方陣で帰れるだろう…と、来た道のことなんて覚えて居ないので戻る時の別れ道で迷う。


「とりあえず右行くか」

「そーだな」

「適当進んで迷ったら目印でも付けりゃあ良いし」


まだ聖水は半分ほど残っているので俺らはまだまだ余裕の楽観的な感じで適当に道を戻っていく。