商人でいこう!

八神

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…流石にこんな村の中なら危険な事も無いだろう…と、奴隷達を引き連れて先に飲食店へと向かった。


「へっへっへ…ようやくあの用心棒が居なくなりやがったぜ…」

「おう、兄ちゃん。痛い目にあいたくなければ金よこしな!今なら100万ゼベルで許してやるぜ?」


…どうやら俺の危機管理能力は低かったようで、飲食店までもう少し…って所でいかにもガラの悪そうな男二人に絡まれた。


何気に強盗やチンピラに遭うのはこの異世界に来てから初めてかもしれない。


「え、えーと…みんなでご飯食べてからじゃ、だめ…?」

「何言ってんだ?コイツ」

「今すぐに決まってんだろ!ふざけてると殺して奪うぞ!」


初めての体験にテンパって自分でも良く分からない事を口走ってしまい、男の一人が怒る。


うわー、どうしよー…痛い目みない内に金渡した方がいいかも…


「…ああん?」


俺が金を出そうとしたら子供達の内の三人が二人の男の前に立ち塞がるようにする。


「…金、払うから…穏便に…」

「はっ!ガキども、邪魔するんなら容赦はしな……なっ!」


金を払おうとしたら男が剣を抜いて女の子に突きつける。


すると女の子は肩から男の腹にタックルすると手首を掴んで捻るように地面に倒し、剣を奪った。


「この程度でわたくしと戦おうなんて正気ですの?」


女の子は倒れた男に剣を突きつけて煽り始める。


「くっ…!」

「今逃げるのならこの剣は返して差し上げますわ…但し、続けるのなら容赦はしませんことよ」


女の子は啖呵を切って剣を両手で握り、構えを取る。


「…お、おい…どうする…!?」

「どうするって言われても…この状況じゃ逃げるしかねぇだろ!」


あと一人の男がうろたえながら聞くと地面に倒された男は尻を着いたまま後ろに退がる。


「…剣は返して差し上げますわ」

「…ちっ、逃げろ!」

「だから無謀だって…!」


女の子が男の前に剣を投げると、ソレを拾って一目散に逃げて行く。


「あ、ありがとう…助かった…」

「…お金を持ってたら狙われて当然なのに、用心棒を離れさせて一人になるなんて…正気ですの?」

「…う、すみません…」


お礼を言ったのに呆れながら責めるような事を言われ、つい謝ってしまう。


「まったく、たまたま私達が居たから良かったようなものの…」

「まあまあ、この人はもう御主人様なんだから…そこらへんで、ね?」

「…奴隷の身分で差し出がましい事をしてしまい申し訳ありません、御主人様」


女の子の説教のような言葉に隣の男の子が宥めるようにして、あと一人の女の子が頭を下げて謝罪する。


「…あ、ああ…いや…助かった。ありがとう…」

「いえ、そんな…お礼など…」

「…金も無事だし…みんな、好きな物を頼んでいいよ」


あと一人の女の子が謙虚な姿勢を見せるので店の中に入り、俺はお礼代わりにそう告げる。


「やったー!」

「やった、やった」

「なに食べる!?」

「なに食べよう?なにが美味しい?」


…保育園かよ、ってぐらいにうるさくなるも周りに客の数が疎らなので多分迷惑ではない…はず。


…店員とかに怒られたら速攻で静かにさせよう。


「…なんだ?騒がしいな」


拘束具を返し終わったおじさんと飲食店の中で合流すると、子供達の騒ぎように少し眉をひそめる。


「…あ、俺の奢りって言ったから…」

「奴隷の衣食住を用意するのは主人の務めだが…大盤振る舞いすぎやしないか?」

「…いやぁ、守ってもらったからね」

「…なんだと?襲われたのか?」


理由を説明するとおじさんが驚いたように聞いてきた。


一応さっき起こった出来事をかくかくしかじかで説明する。
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