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第四章
12 有難う
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凪が手にした物に気付くと、〝アイツ〟の動きがピタリと止まった。
「何だと……それは……何故……!」
「その反応からすると、やっぱりこれは、木宮本人が俺たちのためにこっそり用意してくれていたみたいだな」
「じ、じゃあ! 光雅君の魂は……!」
「そんな馬鹿な!」
〝アイツ〟は血の飛沫を飛ばしながら叫ぶように言った。
「あのガキは! 木宮光雅は我が!!」
凪はつかつかと〝アイツ〟に近寄った。
「や、やめろ……」
〝アイツ〟は慌てて後ずさろうとしたが、唯一まともに動く腕を自らの流した血で滑らせ、カーペットに突っ伏した。
「やめろって言われてやめる奴って、そうそういないぜ」
凪は不敵に笑うと〝アイツ〟を壁際まで蹴飛ばし、ボロボロの体にライターオイルをぶち撒けた。
「やめろ!」
「やめろ!」
「やめて!」
「やめるんだ!」
「やめなさい!」
「やめろおお!!」
ケイと凪のよく知っている者たちの声が口々に叫んだ。
「うるせえぞ化け物」
凪がジッポーを着火させた時だった。
「ケイ! 助けて! ケイ!」
光雅の悲痛な声が凪の動きを止めた。
「光雅君……?」
「ケイ、三塚を止めて! おれまで消滅してしまう! ケイ、助けて!」
ケイは凪を見やった。凪は〝アイツ〟から目を離さなかったが、火を放つのをためらうのが感じられた。
「凪……」
「木宮」凪はケイには応えず静かに友人の名前を呼ぶと、フッと小さく笑った。「だったら何でこんな物を置いといた?」
「や……やめろちっぽけな人間ごときがああああ──」
凪はジッポーを〝アイツ〟に投げた。火は一瞬で〝アイツ〟に燃え広がり、断末魔の叫びを上げさせた。
「よく惑わされなかったわね、凪」
「緋山もな。全力で止められるんじゃないかと焦ったぞ」
「でもそうすると、光雅君の魂は──」
「待て、とにかく逃げるぞ緋山! このままじゃ俺たちも死ぬ!」
二人は同時にドアを見やったが、火達磨になった〝アイツ〟はドアの前でのたうち回っている。
「ま、まずいぞ」
「窓は?」
〝アイツ〟が獣のような咆哮を上げると、窓ガラスにヒビが入り、一部が砕けて飛び散った。僅かに見える外の様子は墨をこぼしたように真っ暗で、呻き声やら人間には発音出来ないような言葉の数々が聞こえてくる。
「〝アイツ〟以外にもいるのかよ!?」
「すぐ外は化け物たちの世界なんだわ、きっと」
もはや声を上げなくなった火達磨が、クルクル回り火の粉を散らしながらケイたちへ接近して来る。炎よりも先に容赦のない熱気に蒸し殺されそうだった。
「クソッ、どうすりゃいいんだ!」
ケイと凪は無意識のうちに後ずさると、アンティークの姿見にぶつかった。
凪はケイの腕にそっと触れた。火達磨が突っ込んで来たら、ケイを窓側に突き飛ばして逃がすつもりだった。もっともその行為も、一時的な気休めにしかならないかもしれないが。
「光雅君!!」
ケイは姿見に振り向くと、喉が張り裂けんばかりに叫んだ。
「お願い光雅君! 最後にもうちょっとだけ頑張って……助けて頂戴!!」
火達磨の足がもつれ、二人に覆い被さるようにして倒れ込んだ──……。
「ケイはさ、将来の夢ってあるの?」
高校三年生の夏休みの前日、学校からの帰り道。ケイは唐突に光雅にそう聞かれた。
「ううん、未だに何も。とりあえず大学には行くけど、大学でやりたい事があるわけでもないし」
「そっか」
「光雅君は?」
「おれは特別な人間になりたい」
「特別?」ケイは小首を傾げた。
「そう、特別。誰とも違うし誰にも真似が出来ない、住む世界や次元がちょっと違うような、そんな人間に」
「……それって、世界で何本かの指に入る億万長者みたいな?」
「いや、そうじゃない」光雅は微笑んでかぶりを振った。「まあ、それも魅力的ではあるけどね」
「光雅君はスポーツも絵も得意じゃない。どちらかの道は考えてないの?」
「全然」
「勿体無い」
「楽しくないんだよね、ちっとも」光雅は少々投げやりな口調で言い切った。「基本的には何やっても楽しくない。時間だけが虚しく過ぎていく感じ」
「じゃあ、わたしは?」
ケイの問いに、光雅はゆっくり振り向いた。
「わたしと喋るのも楽しくない?」
「言っただろ、『基本的には』って。例外もあるよ。そう、今みたいに」
「本当?」
「本当だって。じゃなかったら、一緒に帰ろうとか、映画観に行こうだとか、おれの方から誘うわけないだろ」
光雅はそう言うとフイと目を逸らした。ケイも何だか気恥ずかしくなり、どう答えるべきか迷っていると、光雅が別の話題に切り替えてしまった。
「…………ま」
暗闇の中、誰かの声がぼんやりと聞こえる。
「……やま」
自分が呼ばれているのだとケイが気付いた途端、視界の端の方から、カーテンを開いたように明るい光が広がってゆき──
「緋山!」
次にケイの視界に入ってきたのは、不安そうな凪の顔だった。
「……え……」
「緋山! 良かった!」
「凪……」
片膝を突いた凪に抱きかかえられている状態だと気付くと、ケイは慌てて飛び起きた。
「ご、ごめんなさい凪! 重たかったでしょ?」
「い、いや別に。俺も今さっき目を覚ましたばかりだしな。怪我は大丈夫か?」
「ええ、まあ。肩はまだ痛むけど、一応出血は止まっているみたいだし……うわ最悪! 服もリュックも血がいっぱい付いてるわ! あの最低な悪魔……あれ?」
ケイは周囲を見回した。最後に足を踏み入れた木宮家の二階の部屋であり、アンティークの姿見以外に家具は一切なく、全ての窓に雨戸が閉まっている。
「元の世界に戻って来られたらしい」
「……良かった……」
ケイは安堵の深い溜め息を吐いたが、はたと顔を上げた。
「待って、光雅君は?」
二人は姿見に近寄ると、恐る恐る鏡面を覗き込んだ。
──!!
二人の間に光雅が映し出された。
「ああ……光雅君……!」
「木宮!」
光雅は優しく微笑んでいた。
「光雅君、あなたが鏡の中からこちら側に引っ張って助けてくれたのよね。有難う!」
「木宮、本当に助かったぜ。感謝してもしきれない」
「いや、そもそもおれのせいで二人は危険な目に遭ったんだ。本当にごめん」光雅は頭を下げた。「そしておれを〝アイツ〟から解放してくれて、本当に有難う」
三人は互いに顔を見合わせると、照れ臭そうに笑った。
「光雅君……〝アイツ〟はもういないのよね? 安心してもいいのよね?」
「ああ、後はこの姿見が壊れればね」
「これが……」
「この姿見は、昔〝アイツ〟が最初におれのおじいちゃんに召喚された時に使われた物で、その際に〝アイツ〟の影響を受けて呪われ、ただの鏡じゃなくなった。でも〝アイツ〟が消滅したからその呪いは解けて、それと同時に寿命も尽きようとしている。ほっといてもすぐ壊れると思うよ」
その直後。
ピシッ。
まるで光雅の言葉が合図となったかのように、突然鏡面の右上がひび割れた。ケイと凪は驚いて姿見から離れた。
「ほらね」
ピシッ。ピシッ。ピシピシピシパキパキッ。
鏡面のヒビが徐々に広がってゆく。
「二人共、危ないからもうちょっと離れた方がいいと思うよ」
「光雅君!」
ピシピシピシパキッ、ピシピシピシピシ!
「これで……お別れ?」
「ああ、そうなるかな」光雅は穏やかに答えた。
「有難う……本当に有難う……」
「ケイ、おれの方こそ有難う」
「木宮」
「三塚も有難うな。三塚ならケイを助けてくれると信じてた」
ピシピシピシピシ! パキパキピシッ……ビシッ! バキッ!
「じゃあな、二人共」
光雅が笑顔で小さく右手を上げた次の瞬間。
ガシャアアアアアアアアン!!
ヒビだらけとなっていた鏡面は、最後の一撃を加えられたように大小の欠片となってフローリングに落下したのだった。
ケイと凪はしばらくの間、外枠だけとなった姿見とその下に散らばった欠片を呆然と見やっていたが、やがて凪の方から静かに口を開いた。
「……帰るか」
「……そうね」
部屋を後にする際、ケイは一度振り返ると呟いた。
「さようなら……光雅君」
「何だと……それは……何故……!」
「その反応からすると、やっぱりこれは、木宮本人が俺たちのためにこっそり用意してくれていたみたいだな」
「じ、じゃあ! 光雅君の魂は……!」
「そんな馬鹿な!」
〝アイツ〟は血の飛沫を飛ばしながら叫ぶように言った。
「あのガキは! 木宮光雅は我が!!」
凪はつかつかと〝アイツ〟に近寄った。
「や、やめろ……」
〝アイツ〟は慌てて後ずさろうとしたが、唯一まともに動く腕を自らの流した血で滑らせ、カーペットに突っ伏した。
「やめろって言われてやめる奴って、そうそういないぜ」
凪は不敵に笑うと〝アイツ〟を壁際まで蹴飛ばし、ボロボロの体にライターオイルをぶち撒けた。
「やめろ!」
「やめろ!」
「やめて!」
「やめるんだ!」
「やめなさい!」
「やめろおお!!」
ケイと凪のよく知っている者たちの声が口々に叫んだ。
「うるせえぞ化け物」
凪がジッポーを着火させた時だった。
「ケイ! 助けて! ケイ!」
光雅の悲痛な声が凪の動きを止めた。
「光雅君……?」
「ケイ、三塚を止めて! おれまで消滅してしまう! ケイ、助けて!」
ケイは凪を見やった。凪は〝アイツ〟から目を離さなかったが、火を放つのをためらうのが感じられた。
「凪……」
「木宮」凪はケイには応えず静かに友人の名前を呼ぶと、フッと小さく笑った。「だったら何でこんな物を置いといた?」
「や……やめろちっぽけな人間ごときがああああ──」
凪はジッポーを〝アイツ〟に投げた。火は一瞬で〝アイツ〟に燃え広がり、断末魔の叫びを上げさせた。
「よく惑わされなかったわね、凪」
「緋山もな。全力で止められるんじゃないかと焦ったぞ」
「でもそうすると、光雅君の魂は──」
「待て、とにかく逃げるぞ緋山! このままじゃ俺たちも死ぬ!」
二人は同時にドアを見やったが、火達磨になった〝アイツ〟はドアの前でのたうち回っている。
「ま、まずいぞ」
「窓は?」
〝アイツ〟が獣のような咆哮を上げると、窓ガラスにヒビが入り、一部が砕けて飛び散った。僅かに見える外の様子は墨をこぼしたように真っ暗で、呻き声やら人間には発音出来ないような言葉の数々が聞こえてくる。
「〝アイツ〟以外にもいるのかよ!?」
「すぐ外は化け物たちの世界なんだわ、きっと」
もはや声を上げなくなった火達磨が、クルクル回り火の粉を散らしながらケイたちへ接近して来る。炎よりも先に容赦のない熱気に蒸し殺されそうだった。
「クソッ、どうすりゃいいんだ!」
ケイと凪は無意識のうちに後ずさると、アンティークの姿見にぶつかった。
凪はケイの腕にそっと触れた。火達磨が突っ込んで来たら、ケイを窓側に突き飛ばして逃がすつもりだった。もっともその行為も、一時的な気休めにしかならないかもしれないが。
「光雅君!!」
ケイは姿見に振り向くと、喉が張り裂けんばかりに叫んだ。
「お願い光雅君! 最後にもうちょっとだけ頑張って……助けて頂戴!!」
火達磨の足がもつれ、二人に覆い被さるようにして倒れ込んだ──……。
「ケイはさ、将来の夢ってあるの?」
高校三年生の夏休みの前日、学校からの帰り道。ケイは唐突に光雅にそう聞かれた。
「ううん、未だに何も。とりあえず大学には行くけど、大学でやりたい事があるわけでもないし」
「そっか」
「光雅君は?」
「おれは特別な人間になりたい」
「特別?」ケイは小首を傾げた。
「そう、特別。誰とも違うし誰にも真似が出来ない、住む世界や次元がちょっと違うような、そんな人間に」
「……それって、世界で何本かの指に入る億万長者みたいな?」
「いや、そうじゃない」光雅は微笑んでかぶりを振った。「まあ、それも魅力的ではあるけどね」
「光雅君はスポーツも絵も得意じゃない。どちらかの道は考えてないの?」
「全然」
「勿体無い」
「楽しくないんだよね、ちっとも」光雅は少々投げやりな口調で言い切った。「基本的には何やっても楽しくない。時間だけが虚しく過ぎていく感じ」
「じゃあ、わたしは?」
ケイの問いに、光雅はゆっくり振り向いた。
「わたしと喋るのも楽しくない?」
「言っただろ、『基本的には』って。例外もあるよ。そう、今みたいに」
「本当?」
「本当だって。じゃなかったら、一緒に帰ろうとか、映画観に行こうだとか、おれの方から誘うわけないだろ」
光雅はそう言うとフイと目を逸らした。ケイも何だか気恥ずかしくなり、どう答えるべきか迷っていると、光雅が別の話題に切り替えてしまった。
「…………ま」
暗闇の中、誰かの声がぼんやりと聞こえる。
「……やま」
自分が呼ばれているのだとケイが気付いた途端、視界の端の方から、カーテンを開いたように明るい光が広がってゆき──
「緋山!」
次にケイの視界に入ってきたのは、不安そうな凪の顔だった。
「……え……」
「緋山! 良かった!」
「凪……」
片膝を突いた凪に抱きかかえられている状態だと気付くと、ケイは慌てて飛び起きた。
「ご、ごめんなさい凪! 重たかったでしょ?」
「い、いや別に。俺も今さっき目を覚ましたばかりだしな。怪我は大丈夫か?」
「ええ、まあ。肩はまだ痛むけど、一応出血は止まっているみたいだし……うわ最悪! 服もリュックも血がいっぱい付いてるわ! あの最低な悪魔……あれ?」
ケイは周囲を見回した。最後に足を踏み入れた木宮家の二階の部屋であり、アンティークの姿見以外に家具は一切なく、全ての窓に雨戸が閉まっている。
「元の世界に戻って来られたらしい」
「……良かった……」
ケイは安堵の深い溜め息を吐いたが、はたと顔を上げた。
「待って、光雅君は?」
二人は姿見に近寄ると、恐る恐る鏡面を覗き込んだ。
──!!
二人の間に光雅が映し出された。
「ああ……光雅君……!」
「木宮!」
光雅は優しく微笑んでいた。
「光雅君、あなたが鏡の中からこちら側に引っ張って助けてくれたのよね。有難う!」
「木宮、本当に助かったぜ。感謝してもしきれない」
「いや、そもそもおれのせいで二人は危険な目に遭ったんだ。本当にごめん」光雅は頭を下げた。「そしておれを〝アイツ〟から解放してくれて、本当に有難う」
三人は互いに顔を見合わせると、照れ臭そうに笑った。
「光雅君……〝アイツ〟はもういないのよね? 安心してもいいのよね?」
「ああ、後はこの姿見が壊れればね」
「これが……」
「この姿見は、昔〝アイツ〟が最初におれのおじいちゃんに召喚された時に使われた物で、その際に〝アイツ〟の影響を受けて呪われ、ただの鏡じゃなくなった。でも〝アイツ〟が消滅したからその呪いは解けて、それと同時に寿命も尽きようとしている。ほっといてもすぐ壊れると思うよ」
その直後。
ピシッ。
まるで光雅の言葉が合図となったかのように、突然鏡面の右上がひび割れた。ケイと凪は驚いて姿見から離れた。
「ほらね」
ピシッ。ピシッ。ピシピシピシパキパキッ。
鏡面のヒビが徐々に広がってゆく。
「二人共、危ないからもうちょっと離れた方がいいと思うよ」
「光雅君!」
ピシピシピシパキッ、ピシピシピシピシ!
「これで……お別れ?」
「ああ、そうなるかな」光雅は穏やかに答えた。
「有難う……本当に有難う……」
「ケイ、おれの方こそ有難う」
「木宮」
「三塚も有難うな。三塚ならケイを助けてくれると信じてた」
ピシピシピシピシ! パキパキピシッ……ビシッ! バキッ!
「じゃあな、二人共」
光雅が笑顔で小さく右手を上げた次の瞬間。
ガシャアアアアアアアアン!!
ヒビだらけとなっていた鏡面は、最後の一撃を加えられたように大小の欠片となってフローリングに落下したのだった。
ケイと凪はしばらくの間、外枠だけとなった姿見とその下に散らばった欠片を呆然と見やっていたが、やがて凪の方から静かに口を開いた。
「……帰るか」
「……そうね」
部屋を後にする際、ケイは一度振り返ると呟いた。
「さようなら……光雅君」
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