花姫だという私は青龍様と結婚します

綾月百花   

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1   御嵩家の一員

2   花姫様

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「唯様、そろそろ到着いたします」

 パンと手を叩かれて、唯は目を開けた。

 まるで催眠術にでもかかっていたようだ。

 車から見える景色は山の中だ。まだ三月の初めなのに、桜の花が満開に咲いている。

「わぁ、綺麗」

 桜だけではない。下生えにツツジや名前の知らない花も咲いている。

 標高が高いのか、暖房のかけられた車内でも、少し肌寒く感じる。

 両親が準備してくれた、余所行き着に着替えている。

 短いスカートの裾を、少し引っ張って足を隠す。

「寒いですか?」

「2時間って短いよね。あれ?」

 家を出たのは夕方だったのに、まだ明るい時間だ。腕時計を見て、唯は驚いた。

 家から出て5分くらいだ。

「どんなトリックを使ったの?」

「トリックですか?」

 達樹はクスッと笑って、ポケットから懐中時計を取り出した。

「御嵩家にお仕えできる者の嗜みでございます」

 車が静かに止まった。

 大きな門があり、ゆっくり門が開いていく。

「わあ、大きなお屋敷」

「こちらが御嵩家でございます」

 門が開くと、車が走り出した。

 少し離れた場所に山があり、湖も見える。道の両脇には桜の花が満開に咲いている」

「山も湖も御嵩家の所有のものでございます」

「すごい」

 景色が美しい。

 緑の木々に混ざるように、花がとにかく多く咲いている。桜だけではなくて、知らない木の花も咲いている。

 まるで狂い咲きだ。

 大きな屋敷の前で、車が止まった。

 外から扉を開けられた。

 達樹が下りて、唯に手を差し出してきた。

 その手を取らず、唯は車から降りた。

 車から玄関まで赤い絨毯が敷かれ、大勢の人が頭を垂れていた。

「なにごと?」

「お帰りなさいませ」

 大勢の声がそろって言った。

「ただいま?」

 唯は小さな声で答えた。

 達樹が唯の手を取り、赤い絨毯の上を歩き出した。

「えっと、篠宮さん。なにが起きているのか理解ができません」

「お部屋につきましたら、お話しましょう」

「お願いします」

 空気は冷たいが、甘い花の香りが漂っている。

「花が多いんですね」

 達樹が、にやりと笑った。

「花姫様のお力でございますよ」

「花姫様?」

「先ほどまでは咲いておりませんでした。唯様のお力は、どの花姫様より強いのでしょう」

「私の力?」

 唯は自分の手を広げて見た。

 いつもと変わらない自分の手だ。

「唯様は、花姫様でございます。生まれる前から霊力が溢れておられたそうです。なので、優秀な親鳥に、生まれた唯様を預けたのです。御嵩家の者たちは16年育つのを待ち望んでおりました」

「はあ」

(花姫、霊力?実は魔法使いだったのか?)

 夢でも見ているのかと、唯は自分の頬を抓った。

(あ、痛い)

「何をしていらっしゃるのですか?」

「夢かと思って」

 手を引かれて、長い廊下を歩いて行く。

「中庭があるんですね」

「枯山水でございます」

「でも、花が咲いてる」

「普段は緑の苔だったのですが、苔に花が咲いたのでしょう。周りの木にも花が咲いております。わたくしもこのような光景は初めて見ました」

「へえ、そうなんだ?枯山水ってことは、この庭には入っちゃ駄目なんですね?」

「そうですね」

 流れるような丸い円がいくつも描かれている。

 京都に旅行へ出かけたときに、お寺にあったような庭だ。

(庭の向こうにも廊下が見える。造りが四角になってるのかな?)

「唯様のお部屋は、こちらでございます」

 襖の前に若い女性が頭を下げて座っている。

「唯様、こちらはわたくしの妹のみのりと言います」

「唯様、篠宮みのりと申します。唯様のお世話をさせていただきます。よろしくお願いします」

「私こそ、よろしくお願いします」

 みのりは美しい顔立ちをしていた。年の頃は十代後半くらいだろう。

 みのりは襖を開けると、先に部屋に入り、入り口に座って、また頭を下げた。

「あの、たぶん、あまり年齢は変わらないと思うんだけど、そんなに頭を下げないで。対応に困っちゃうよ」

 自分の部屋だと言われた部屋に入ると、唯は部屋の真ん中にぺたりと座った。

「今日は私の誕生日なのに、最悪!」

 部屋はまだい草の匂いがする。新しい畳が敷かれた二十畳ほどの部屋だ。途中に襖で閉められるのか、桜の花の描かれた美しい襖が見える。立派な鏡台に文机。洋服ダンスは桐箪笥だ。

 清潔で美しい部屋だ。

「何か足りない物があれば、なんなりとおっしゃってください」

「前の家より立派。こんなに広い部屋なんていらないでしょう?」

 唯は呆れたように言った。

「襖の向こう側は、寝室としてお使いください」

 みのりはそう言うと、お茶を淹れだした。

 綺麗な作法だ。同じくらいの年齢には見えない。

「あの、詳しい話をしてもらえる?勝手に拉致られて、さっぱりわかんない」

 達樹は唯の斜め前に座って、まず深く頭を下げる。

「突然、ご無礼をいたしました」

「普通にしゃべってよ。敬語とか面倒だし」

「いえ、わたしども篠宮家は唯様のお世話を担当させていただく一族でございます」

「いろんな一族があるんだね」

「その通りでございます」

「それで、私は誰?何者?」

「唯様は生まれ落ちる前から花姫の一族です。花姫は空気を浄化し、木々に花を咲かせる力がございます。唯様は花姫の中でも霊力が特に強く、御嵩神社にある青龍神社のご神体のお妃候補としてお迎えいたしました」

「神社のご神体?」

 唯の目が半目になってくる。

 神社のご神体と言われて思い出すのは、石や木で作られたモノだった。

「お妃って、花嫁のこと?」

「そうでございます」

 唯はお腹を抱えて笑い出した。

「石や木の花嫁ってなに?超ウケるんだけど。私、木や石と結婚するの?絶対にイヤ!」

「木や石ではありません。御嵩神社のご神体は青龍様でございます」

 恭しく達樹とみのりが畳に頭がつくほど頭を下げた。

「へえ、人外じゃん!いや!絶対にイヤ!私、まだやっと16歳になったばかりなのに、なんでもう結婚しなきゃいけないわけ?好きでもない、人でもない人と。家に帰る!」

 唯はすっと立ち上がった。

 その姿を見て、達樹が大きなため息をついた。

「帰る家はございません。今まで育ててくださったお二人を殺してしまいたいのですか?」

 家で話されたことを思い出して、唯は項垂れるようにストンと座った。

「ご神体ということは、神様でございますよ」

 達樹はできるだけ優しい声で、唯に言った。

「神様って、本当にいるの?会ったこともないよ?」

 何度も神社に行ったことはあるが、神様の姿は一度も見たことがなかった。

「いずれお目にかかる日もございましょう」

「……え?神様に会えるの?」

 唯はぱっと顔を上げて、達樹を見た。

「お妃候補からお妃に選ばれたらの話でございますが」

「私以外に、候補がいるの?何人?どんな人?」

「唯様を入れて、五人でございます。人となりは、いずれおわかりになります」

 みのりが茶托に載せた緑茶を出してくれた。

 せっかく淹れてくれたのだから、唯は青にも緑にも見える綺麗な湯飲みを丁寧に手に取り、口に運ぶ。

「あ、美味しい」

 今まで飲んだ中で、一番美味しいお茶だった。

 冷えていた体が温まる。

 一気に飲んでしまった。

「ありがとうございます」

 みのりが恭しく頭を下げた。

「ねえ、お妃に選ばれなかったら、どうなるの?」

「龍神の一族に嫁ぐことになります」

「結局、結婚させられるの?」

 唯の頬はだんだん膨らんでいく。

(不満だ。すごく不満だ)

「ええ、でも処女でなくなった場合は、木の肥やしにさせられます」

「は、肥やし?って肥料?」

 唯は思わず正座をしてしまうほど驚いた。

「肥料って、木を育てるためにまく肥料のこと?」

「そうですね」

 なんてスリリングなんだ。スリリングって言うか異常だ。

「神様に仕える身なのですから、処女でなくてはなりません。唯様は処女ですね?」

「もちろん処女です」

 好きになった人もいないほど、完璧に綺麗な身だ。

「わたくしたちも精一杯守らせていただきますので、唯様も身辺には気をつけてください。誰もがお妃になりたがっております。蹴落とすことくらいなんとも思ってはいませんよ、あの方々は」

 唯はそっと手を上げた。

「あの、前に肥料にさせられた人はいるの?」

「ええ、おります。今のお妃候補が二人葬っております」

「そんな怖いとこなの?」

 唯はまた立ち上がった。

 みのりが茶托をすっと引っ込めた。

「イヤだよ。こんな怖いところ」

「逃げだそうとは思わないでください。ここは聖地ですが魔物がおります。家の敷地には結界が張られておりますが、家の敷地の外までは守り切れませんので」

「……そんなぁ」

 唯はまたストンと座った。

「まずは、わたくしのことは、達樹とお呼びください。みのりもみのりとお呼びください」

「私は唯でいいよ」

「それはいけません。唯様は特別なお方です。しっかり自覚を持っていただきたい」

「自覚なんてすぐ持てないよ」

 新しい畳に爪を立てる。

(どうしよう。肥料になりたくない。どうやって身を守るの?)

「それでは明日からのお妃候補のお務めをお話いたしますね」

 唯はそれどころではなかった。

「ちょっと待って。私には身を守る魔法は使えるの?」

「防御魔法はありません。主に癒やしの力でございます。過去に癒やしの力で瀕死に陥ったご神体のお体を治癒なされたと文献に残っております。今いる花姫にはその力はありませんが、霊力の強い唯様には、治癒の力はあるかもしれません。唯様自身がおられることで、空気を浄化し、木々に花を咲かせることができます」

「全然、役に立たない」

「とんでもない。唯様のお力ですべてを浄化できるのです。ここのお屋敷の空気も変わりました。見渡す限りの花々を美しいとは思いませんか?」

「綺麗だけど、体は守れない」

「そのために、我々がいるのですよ。わたくしもみのりも魔力を持っております。体術も行えます。いつもお側に置きください」

「肥料にはなりたくない」

 唯は耐えられず、泣き出していた。唯の許容範囲を超えていた。

「泣いている場合ではございません。明日の起床は4時でございます。まず禊ぎを行っていただきます。体を清めた後は、青龍神社に参拝し、掃除を行っていただきます。早朝から参拝者が訪れるので、掃除まで終えたら、朝食になります」

「4時なんて起きられない。みそぎってなに?」

 嗚咽を零しながら、唯は達樹に質問した。

「護衛を兼ねて、我々もお供します。4時には起こします。禊ぎは心身の汚れを取るために、山頂から青龍様の湖に流れる川に浸かっていただきます」

「川って寒いんじゃないの?まだ3月だよ」

「寒くても行っていただきます」

「そんなの虐めじゃん」

 唯は声を上げて泣いた。

……
…………
………………

 唯は夜、ぼんやりと座っていた。

 みのりに着替えをさせられた。

 両親が準備してくれた洋服は、片付けられ、白の絹の着物に鮮やかなピンクの羽織を着ている。羽織は様々な色で花が描かれている。幼い顔の唯にとても似合っていた。

(癒やしの力ってどうやって使うんだろう)

 唯は爪で引っ掻いた畳の前に移動した。

(直せるのかな?)

 小さな両手を見てから、畳に両手をかざす。

 手が温かくなってくる。手だけではなくて、体まで温かくなってくる。

 直れ、直れと念じる。

 頭がぼんやりしてくるが、畳のささくれが直っていく。

(力使えるじゃん)

「唯様!」

 襖を開けて、みのりが部屋に飛び込んできた。その直後に達樹も部屋の中に入ってくる。

「……直せた」

 唯の体がぱたりと前に倒れていく。

 それをみのりが抱き留めた。

「無理をなさる」

 みのりが抱き留めた唯を達樹が抱き上げる。

「襖を閉じてくれ」

「はい、兄様」

 急激な霊力の上昇に、周りの部屋の襖が開いた。

 誰にも見せてはいけない。

 花姫の中で一番霊力の強い唯は狙われやすい。

 青龍様の花姫の生る木は、青龍様がお妃を望んだ年から実をなす。最後になった実が唯だった。名付けは、生まれた子を見て青龍様が名付ける。最後になった実は蕾を付けたときから霊力が強かった。青龍様は実がなる前に唯一の花嫁という意味で、唯と名付けた。

 青龍様は花を付けた時点で、伴侶を決めていた。

 霊力の使いすぎで、意識を失ってしまった唯を見て、達樹とみのりは青龍様のためにも唯を守らなければと心に誓った。

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