幼馴染みの彼と彼

綾月百花   

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 菜都美が寝たので、俺はご飯を食べて、家の中にある事務所で経理の書類を持ってきて、菜都美の隣で、パソコンに打ち込んでいく。

 会社のパソコンと俺のノートパソコンを繋げて、居間にいてもできるようにした。

 小野田さんが言ってたように、仕事はあまり変わった様子はない。

 収支を記録してから、金庫の中身をチェックする。

 何が入っているか俺は知らない。

 大金が入ってて、これは危険だと焦った。

 明日にでも銀行に行こう。

 その他は、権利証やら会社の書類。

 従業員の名簿。

 金庫にいる物と要らない物に分けて、事務所の中を片付けていく。

 そこら中に、母ちゃんが好きだったゆるキャラの人形が、飾られている。


「母ちゃん、ここは事務所だよ。ゆるキャラは纏めて飾った方が目立って可愛いんじゃないか?」


 母ちゃんの机の上のペン立てを片付けて、そこにゆるキャラを可愛く飾ってやった。

 母ちゃんの椅子に座って、机の引き出しを確認していく。

 俺の小さい頃の写真と大学の卒業式の写真が、書類の一番上に飾られていた。

 母ちゃんらしい。

 写真を避けて、中身をチェックする。

 社員の給料明細が出てきた。

 これを探していた。

 小野田さんは、何も言わなかったけど、まだ給料を受け取ってないはずだ。

 計算までされていたが、振り込むまでされてはいないようだ。

 アナログの人なので、パソコンで操作ができなかったのだろう。

 菜々美さんも高校卒で、パソコンに触れてきていないはずだ。

 出勤簿も手書きだし。

 出勤時間も書かれていない。

 残業などは、もしかしたらどんぶり勘定か?

 至急タイムカードを買わなくては。

 引き出しの中から給料袋が出てきて、給料が振り込みでもなく、この時代に手渡しだと驚いた。

 封筒に名前が書かれていて、給料の金額が書かれていた。

 この机の周りは昭和の初期のように感じた。

 至急、銀行振り込みにしたほうがいい。

 タイムカードをまず設置しよう。

 ネット検索で、タイムカードを購入した。

 配達は、特急便にしたので、すぐ到着するだろう。

 金庫の中のお金は、みんなの給料だと分かった。

 支払われる給料は、ノートに書かれていた。

 まったく、母ちゃんらしくて、微笑ましい。

 父ちゃんが、母ちゃんを大切にしていたのを思い出す。

 二人で逝けたことは幸せだったかもしれない。

 どちらかが残されていたら、心を病んでしまったかもしれないと思った。

 取り敢えず、母ちゃんが書いた金額と給料袋の金額が合っているか確かめて、金庫のお金を袋に入れていった。

 お金は心配しなくても、きちんと皆の給料袋に入った。

 明日にでも皆に渡そう。

 それにしても、一言、俺に給料を銀行振り込みにしたいと言ってくれたら、半日と経たずにできたのに、そんなに、遠慮をしていたのだとこんな事で気づいてしまった。

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