幼馴染みの彼と彼

綾月百花   

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 朝目覚めると。俺は篤志の腕の中で目を覚ました。

 篤志は寝ているけれど、菜都美が起きていて、「あー、あー、あー」と呼んでいる。

 俺は静かに起き上がった。けれど、篤志も起こしてしまった。


「おはよう。起こしてごめん。菜都美が起きて呼んでいるんだ」

「いいよ。もう起きる時間だな」

「まだ寝ていていいよ」と言って、俺は菜都美に声を掛ける。

「菜都美、おはよう。パパだよ。お腹が空いたのか?」

「あー、あー、あー」

「おしめを先に替えような」


 紙おむつを交換して、ゴミ箱に捨てる。


「手を洗ってくるから、ちょっと待っていてね」


 たぶん泣くだろうと思いながら、部屋から出て行く。

 手を洗って、水をコンロに掛ける。

 あれ、泣いていない。

 部屋に戻って行くと、篤志が菜都美を抱っこして、「菜都美、俺はあっちゃんだよ」と教えている。

 なんだか微笑ましい。


「あー、あー、あー」


 これは、先に菜都美はあっちゃんと呼ぶかもしれない。

 菜都美は『あー』と言えるから。

 仲良くお話しているようなので、俺は台所に戻って、ミルクを作る。

 パパは発音が難しいかなと考える。

 赤ちゃんが最初に言葉にするのは、『まんまん』とか『まんま』だそうだ。

 お腹が空いた事を報せる言葉。

 その次が、『ママ』らしい。

 まんまとママは似ている。

 パパはやはり難しいかな?

 考えながら、ミルクを作る。

 俺はミルクを持って、リビングに戻っていった。

 リビングに布団を二枚敷いて眠ったのだ。


「菜都美、ミルクだよ」


 篤志が手を伸ばして、ミルクを欲しがっているので、篤志に持たせてやった。

 怖々、ミルクを口に近づけている。

 俺は、少しだけ手伝った。

 篤志の手を支えて、菜都美の口の中に入れてやると、菜都美はミルクを飲み始めた。


「ミルクの量が増えたんだな」

「菜都美も成長しているから」


 篤志の顔が微笑んでいる。

 菜都美の顔を見て、癒やされているんだ。

 菜都美はきっと天使だと思った。


「可愛いな」と篤志が言った。

「ほんとに、可愛い。天使に見えるんだ。菜都美が辛くないような仕事を選ぼうかと思っている」

「俺達で会社を立ち上げるか?保証とかないけど、俺も真もプログラムのプロだ。就業時間を決めて働くのはありじゃないか?菜都美は保育園に入れなくちゃいけないけど。今の時代、保育園や幼稚園に入れるのは普通だし」

「給料は幾らくらいになるんだろう?」

「少し、調べてみよう」

「うん」

「そういえば、この会社のゴールデンウィークは休みなしか?」

「休み、いつだろう?」


 俺はリビングから会社の事務所に下りて、捲られていないカレンダーを捲った。今日から休みになっていた。

 昨日、明日も来てくれと言ったので、休みは一日ずらすのはどうだろう?

 小野田さんに聞いてみよう。

 今日は給料も支払いたい。
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