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古代でぶ妖精文明遺跡の謎

閑話 ウィノ、落ちぶれる

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ウィノは路地裏で震えていた。

「やばいやばいやばいやばい・・・」

事の起こりは学生ローンの借り入れである。
そこでアーモンド家に絶縁されている事やカラメル王国学院で留年している事を隠し
更に年収すら誤魔化した、 王国の法律では借り入れの総額は年収の三分の一以下と
法律で決まっている、 とは言え借入額が50万Gまでならば
収入の証明をする義務はないのでこの点においては学生ローン側に非は無い。
学生ローン側も最悪アーモンド家に債務を肩代わりして貰えば良いと考え
借入上限の50万Gを貸し出した。
その後、 ウィノはサンライズの捕獲に向かおうとするのだが旅券が無いのだ。

そこで勝てば官軍の気持ちでウィノは旅券の偽造を思いつき
偽造パスポートを販売する闇商人を探した。
意外とあっさり見つかったが、 偽造パスポートの値段は50万G。
これでは手元の金が無さ過ぎる、 そこでウィノはサンライズが留年している事を
ゴシップ新聞社に売り込んで20万Gを手に入れる事に成功した。
闇商人に金を支払い偽造パスポートが出来るのを待った。

これならばウェーサーカ法国まで行ける、 とウィノが考えたのもつかの間
ウィノは指名手配されてしまった、 罪状公文書偽造と国家機密漏洩罪である。
ゴシップ新聞社が王国の調査機関から詰問されてウィノが情報を売ったと証言し
更に闇商人が金を持ち逃げした上に追って来られない様にとタレコんだのだった。
最悪な事に学生ローンが指名手配を察知してアーモンド家にローンの返済を要請した事で
アーモンド家から絶縁されていた事も発覚し身分詐称の罪も加わった。

画してウィノはアーモンド家、 学生ローン業者、 警邏
賞金稼ぎから追われる身となり路地裏で震えている事になったのだった。

「畜生・・・」

既に変装の為に色々買った為、 手持ちは15万Gである。

「これで一体如何すれば良いんだ・・・」
「兄さん兄さん」

びくっ!! とするウィノ。
声をかけて来たのは俗に言うイケイケ系だった。

「行く所無いんけ? 如何する? ウチ来るか?」
「ウチ・・・?」
「おぉ、 ウチはなあんたみたいな若いのにこういう所を
ぶらぶらしている暇そうな兄ちゃんを雇って仕事させる
いわば慈善事業家や」
「慈善事業家・・・?」
「如何する? 来るか?」

ウィノに選択肢は無かった、 怪しげな男の後を付いて行くのだった。
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