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悪役令嬢の私がモテモテな件について

素直な決着(皇子&騎士side)

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振り返ったソーラーは思考した。
異形の頭の二人までの間には木が無い、 足元も問題は無さそうだ。
【歩くような速さで】を使い瞬間移動をしナイフで刺す。
とそこまで考えた時点でばしゃあ、 と頭から水を被る。

「・・・・・」
「今のは手を抜いた」

花瓶の騎士が発言する。
彼の能力で水を上空に飛ばして水を被せたのだ。
ぽたぽたと水が滴る中でソーラーは静かに激高した。
しかし次の瞬間に戦慄した。

「あぁ!?」
「な、 何だ?」

木々に水がぶつかり水が滴っている。
この状況では【歩くような速さで】は使えない。
滴る水滴に激突してしまう。

「・・・・・」

ナイフを手に取るソーラー。

「武器を捨てろ!!」
「はい」

盾の騎士の警告に素直に従うソーラー。

「私はビア帝国の第10皇子ソーラ―・ボウル・ビア
この森に追放されたラビー・ストロング公爵令嬢を連れ戻しに来た
貴公らに危害を加えるつもりは毛頭無い」
「・・・それならば一旦我々の詰め所に来て貰いましょうか」
「・・・・・」

ツイストを如何するか迷うソーラー。

「・・・・・あー・・・貴公ら、 私が名乗りを上げたのだから
君達も名乗るのが筋だと思うが如何に?」
「我々にとって名前を教えるのはそうそう無い事だ
少なくとも初対面の相手には名乗らない」
「では所属とかは何処になるのですか? それ位は教えてくれるでしょう」
「この付近の守護を行っている騎士団です」
「・・・・・分かりました、 付いて行きましょう」
「ご協力ありがとうございます」

一応皇子と言う事で丁寧に対応する盾の騎士と花瓶の騎士。
そして二人に連れていかれるソーラー。

「・・・・・」

騎士二人を見るソーラー。

「(中々良い足取りだ、 恐らくは一級の騎士なのだろうな)
一つ聞いておきましょう、 向こうにもう一人居るのは知って居ますか?」
「えぇ・・・ですが・・・ねぇ・・・」
「ヤク中を如何こうよりも皇子を連れて行く方が大事ですよ」
「なるほど・・・」

薬物を吸う事により集中力を高めて魔力を高めると言うやり方は
ビア帝国独自のやり方であり一般化されていない。
警戒しないのも道理だろう。

「まぁツイストが彼女を射止める事が出来るとは思えないが」
「何か言いました?」
「いえ、 何でも?」

打算込みで騎士達に付いて行くソーラーだった。
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