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大波乱!?料理対決!!

【クイズ王専属料理長】ポトフ

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「私が作ったのはポトフだ」

会場内のアシスタントが盛り付けをして3人の前に出す。
具材がたっぷりと盛られたやや大きめの器にポトフが注がれる。

「5日間煮込んだ代物だ
プロの料理人が煮込み続けたポトフ
その旨さはお前達と同じ建物で調理し続けたから
理解出来るだろう?」
「「・・・・・」」

流石に旨さを理解している。
このポトフには・・・勝てない、 主婦とラビーは理解した。

「多くないか?」

【ダイナー・ファニーズ】料理人が疑問を口にする。

「この私の圧倒的旨味の料理
堪能し足りないと思ってな、 多めに盛った」
「なるほどなるほど・・・クク・・・料理長
アンタは煮込み料理は不慣れだろう? ポトフは専門外の筈だ
違うか?」
「確かに専門外だ、 だが私が面倒を見たポトフの旨さは
お前も感じているだろう」
「ふ・・・このポトフには致命的な穴がある」
「!?」

ざわつく会場。

「何を馬鹿な事を、 お前とて旨さは感じるだろう?」
「確かに旨さのレベルは凄まじく高いよ
俺の料理の倍はある、 だがその旨さのはどうだろう」
「・・・質? 何を訳の分からない事を・・・」
「じゃあお前も喰え」
「は?」

言われるがまま同じ皿同じ盛りでポトフを出される料理長。

「他の二人も食べて見ろ、 そうすれば分かる」
「・・・?」

首を傾げながら食べ始める3人。

「・・・・・」

ラビーは旨さをかみしめていた。
このポトフ、 悔しいが認めざるを得ない、 まさに満点だろう・・・

「スプーンを置くな」
「え?」
「全部喰え、 この盛りで出されたという事は料理長としては
沢山食べる事を想定している、 ならば食べるのが既定路線だ
そうだろう?」
「あぁ、 この旨さならば問題無いだろう」

料理長もポトフを食べる。
全員がポトフを食べ始め半分を食べた頃に異変が起きる。

「・・・・・」

旨い、 旨いのだが何だか飽きて来た。

「ポトフは確かに良い料理だよ、 それは疑いようがねぇ
しかしポトフは極論『肉と野菜を煮込んだだけ』要するに具材は
全部出汁を取った『出し殻』旨さのレベルは高いが
単調な旨さだ、 ポトフを多く食わせたいのならばピクルスとか
色々手段はある」
「抜かった・・・」
「で、 では皆さん採点をどうぞ!!」

ラビー:2点
主婦:2点
【ダイナー・ファニーズ】料理人:1点

「厳しい事を言っていますが美味しいですよ」
「そうね、 少し量を減らせば問題無く食べれたわ」
「・・・・・」

俯く【ダイナー・ファニーズ】料理人だった。
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