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第二機
生み出された理由
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『S・T6 ツバキのメモリー、身体の調査結果』
と、堅苦しいいゴシック文字で書かれ報告書。
作成者名には水瀬美陽とあった。
篤は画面をスライドさせて次のページへと進める。その内容はツバキの記憶から得た組織の情報がまとめられていた。
しかしそこから得られた情報は少なく、収穫と言えばナンバー0という組織のトップのコードネームと、強制的に消された記憶から鑑みるにツバキは組織の中枢と関係をもっていたと推測されること。だがそれ以上の情報和手に入れることができなかった。
「中枢に関わっていった? 記憶が消されているのによく推測できたな」
「十二ページ目を見てもらえばなんとなくわかると思うけど」
穂摘に言われるがまま篤はページをめくっていく。十二ページ目に『身体構造調査』と書かれていてさらにページをめくる。ツバキの体内スキャン画像が添付されていて次へ行こうとしていた手を突然止めた。
スキャン画像の胸の辺りを集中的に見る。その表情はまるで技術者のようだ。そしてある一点を拡大してなぞる。
「これ……なんだ?」
篤は驚愕の表情で疑問を口にする。
篤がなぞった場所には心臓を模した機械があって、その横、胸の中央部に球形のものがある。直径二センチほど。機械に対しての知識がなければ決して気が付かないようなものだ。
「さすが篤。それはギアって呼ばれるものみたい」
「ギア?」
全く聞いたことのない単語に首を傾げる。
「三年前に再現努っていう技術者が学会で発表したもので、機械人形の能力を段階的に上昇させるものみたいだけど」
「だけど?」
「実用の域に達していない机上の空論だったの」
「しかしそれがツバキの体の中にある……確かにそれだけの技術がツバキに使われているというのは何かあると決定づけるには十分だな」
篤は納得してギアを改めて目をやる。
「段階的に挙げられる以上何かしらのリスクの上での力だろ? どんなリスクがある」
篤の質問に対して穂摘は呟くように崩壊、と答えた。
篤は想像以上のリスクに目を見開いて言葉を失う。そして穂摘は言葉を続けた。
「確かにこれはギアというものには違いないのだけれど、再現努のとは全く別物なの」
「なら穂摘を生み出したのは……」
「再現努じゃない誰か。それもただものじゃないのは確か。水瀬さんでも手が付けられないってそのままにしているくらいだから」
「ならどうしてリスクが崩壊だってわかったんだ?」
「それはとても簡単な話で、ギアの性能に対して彼女の体があまりにも低いから」
「なら――ならツバキは……ギアの実験のためだけに生み出された使い捨てだっていうのか‼」
篤は食事に来ていることも忘れて大きな声をあげて立ち上がった。当然のごとく店員からお客さんそれに外を歩く人までもが驚き篤に視線を向ける。
穂摘はペコペコと頭を下げた後、篤を椅子に座らせて落ち着くように言った。
と、堅苦しいいゴシック文字で書かれ報告書。
作成者名には水瀬美陽とあった。
篤は画面をスライドさせて次のページへと進める。その内容はツバキの記憶から得た組織の情報がまとめられていた。
しかしそこから得られた情報は少なく、収穫と言えばナンバー0という組織のトップのコードネームと、強制的に消された記憶から鑑みるにツバキは組織の中枢と関係をもっていたと推測されること。だがそれ以上の情報和手に入れることができなかった。
「中枢に関わっていった? 記憶が消されているのによく推測できたな」
「十二ページ目を見てもらえばなんとなくわかると思うけど」
穂摘に言われるがまま篤はページをめくっていく。十二ページ目に『身体構造調査』と書かれていてさらにページをめくる。ツバキの体内スキャン画像が添付されていて次へ行こうとしていた手を突然止めた。
スキャン画像の胸の辺りを集中的に見る。その表情はまるで技術者のようだ。そしてある一点を拡大してなぞる。
「これ……なんだ?」
篤は驚愕の表情で疑問を口にする。
篤がなぞった場所には心臓を模した機械があって、その横、胸の中央部に球形のものがある。直径二センチほど。機械に対しての知識がなければ決して気が付かないようなものだ。
「さすが篤。それはギアって呼ばれるものみたい」
「ギア?」
全く聞いたことのない単語に首を傾げる。
「三年前に再現努っていう技術者が学会で発表したもので、機械人形の能力を段階的に上昇させるものみたいだけど」
「だけど?」
「実用の域に達していない机上の空論だったの」
「しかしそれがツバキの体の中にある……確かにそれだけの技術がツバキに使われているというのは何かあると決定づけるには十分だな」
篤は納得してギアを改めて目をやる。
「段階的に挙げられる以上何かしらのリスクの上での力だろ? どんなリスクがある」
篤の質問に対して穂摘は呟くように崩壊、と答えた。
篤は想像以上のリスクに目を見開いて言葉を失う。そして穂摘は言葉を続けた。
「確かにこれはギアというものには違いないのだけれど、再現努のとは全く別物なの」
「なら穂摘を生み出したのは……」
「再現努じゃない誰か。それもただものじゃないのは確か。水瀬さんでも手が付けられないってそのままにしているくらいだから」
「ならどうしてリスクが崩壊だってわかったんだ?」
「それはとても簡単な話で、ギアの性能に対して彼女の体があまりにも低いから」
「なら――ならツバキは……ギアの実験のためだけに生み出された使い捨てだっていうのか‼」
篤は食事に来ていることも忘れて大きな声をあげて立ち上がった。当然のごとく店員からお客さんそれに外を歩く人までもが驚き篤に視線を向ける。
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