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第三機
週に五回の甘い幸せ
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待ちわびたデザートが運ばれてきてテンションの上がった紅は「いただきます」と感謝の言葉を述べて食べ始める。
ジワーッと味わうように食べては幸せをかみしめ、幸福の甘さの余韻にしっかり浸ってはさらに口にする。そうして幸せのループを楽しむ紅を見て蒼は今日一番の笑みを見せる。
(この話はもうやめよう……。せっかく幸せそうに食べているんだから)
篤は黙って前に置かれたパフェに手を付ける。口の中に抹茶アイスの独特な苦みが口に広がって、心落ち着く新緑のような香りが鼻を抜ける。アイスを食べ進めると、フルーツの果肉をジュースの液で四角く凍ったものを口に入れるとフルーティーな甘みが抹茶の苦みによって、そのまま食べる以上に感じられる。
「おいしい――」
自然とその言葉が口からこぼれる。
それぞれ食べ終えたところで見計らったかのように女性店員はお茶を持ってくる。
「今日も美味しかったです」
紅は女性店員に言う。
「ありがとうございます。紅さんの笑顔を見ていると私も幸せになります」
「本当によくここへ来るみたいだな」
「週に五回くらいかな?」
紅は指を折って数えるとそう言った。
(週に五回とかもう毎日来ているようなものだな。そりゃぁ名前くらい覚えられても当然だな。あんなうれしそうに食べている子を見たら誰でも)
篤は温かなお茶を啜りながら思った。
ジワーッと味わうように食べては幸せをかみしめ、幸福の甘さの余韻にしっかり浸ってはさらに口にする。そうして幸せのループを楽しむ紅を見て蒼は今日一番の笑みを見せる。
(この話はもうやめよう……。せっかく幸せそうに食べているんだから)
篤は黙って前に置かれたパフェに手を付ける。口の中に抹茶アイスの独特な苦みが口に広がって、心落ち着く新緑のような香りが鼻を抜ける。アイスを食べ進めると、フルーツの果肉をジュースの液で四角く凍ったものを口に入れるとフルーティーな甘みが抹茶の苦みによって、そのまま食べる以上に感じられる。
「おいしい――」
自然とその言葉が口からこぼれる。
それぞれ食べ終えたところで見計らったかのように女性店員はお茶を持ってくる。
「今日も美味しかったです」
紅は女性店員に言う。
「ありがとうございます。紅さんの笑顔を見ていると私も幸せになります」
「本当によくここへ来るみたいだな」
「週に五回くらいかな?」
紅は指を折って数えるとそう言った。
(週に五回とかもう毎日来ているようなものだな。そりゃぁ名前くらい覚えられても当然だな。あんなうれしそうに食べている子を見たら誰でも)
篤は温かなお茶を啜りながら思った。
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