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第七機
時間稼ぎ 【篤・ツバキ】 15
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篤の全力パンチがロボットの固い外殻を突き破る威力だった。
突き破った腕を引き抜こうとして「あれ?」と声を漏らす。勢いよく外殻に穴をあけたのはよかったものの変形した外殻に圧迫されて抜けないのだ。
「どうした? さっさと離れろ!」
翠間が身動きを取らない篤に対して声を上げる。
「それが、腕が抜けなくなったんだよ」
「お前は本物のアホか!! 何とかしてさっさと脱出しないとマズいぞ!」
翠間の言葉は正しかった。
動けなくなったのだと理解したロボットは勢いよくタイヤで加速して倉庫の壁へまっしぐら。まったく勢いを止めようとしていない。篤は身の危険を感じ取って、もがくが抜ける様子は全くない。そうこうしている間に倉庫に叩きつけられる。
体内の空気と血を同時に吐き出す。脳を強く揺さぶられたのと体内の空気が減ったことで平衡感覚と意識を失いそうになる。
唯一の救いが倉庫の壁がそこまで頑丈でなかったことで、これがもし倉庫の分厚い扉だったら篤の体は風船のように破裂して、血をまき散らしていたに違いない。
「ラッキー……なのか?」
篤は口元の血を右手で拭き取って、苦笑する。
「いや……アンラッキーだな」
腕が突き刺さったままぶら下がっている自分を思い浮かべて言った。
取り敢えず脱出する手段を考える篤だが、それを阻止するかのようにさらに壁にたたきつける。
死に直結するようなダメージはないものの確実にダメージが蓄積されていく。子供に遊ばれている人形のように乱暴に扱われる。
等々壁に穴が開いて、ロボットは扉の方に移動をして同じことを始めようとする。
「さすがにまずいな……。一人で何とかするなんて言った手前こんな無様な負け方はできない」
(そろそろ限界も近い……早いところお決着をつけたいところだ)
背に扉が迫る篤は刺さって抜けなくなった左腕のそばに右足を当てて――
「バースト!!」
今度は腕からではなく足から空気砲が放たれて大きく穴が開くことでロボットから腕が抜けた。
〝月下の日〟に使って、穂摘を傷つけてしまった技を瞬間的に使った。
辺りは閃光に包まれて、真っ白く景色が塗り潰される。
突き破った腕を引き抜こうとして「あれ?」と声を漏らす。勢いよく外殻に穴をあけたのはよかったものの変形した外殻に圧迫されて抜けないのだ。
「どうした? さっさと離れろ!」
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「それが、腕が抜けなくなったんだよ」
「お前は本物のアホか!! 何とかしてさっさと脱出しないとマズいぞ!」
翠間の言葉は正しかった。
動けなくなったのだと理解したロボットは勢いよくタイヤで加速して倉庫の壁へまっしぐら。まったく勢いを止めようとしていない。篤は身の危険を感じ取って、もがくが抜ける様子は全くない。そうこうしている間に倉庫に叩きつけられる。
体内の空気と血を同時に吐き出す。脳を強く揺さぶられたのと体内の空気が減ったことで平衡感覚と意識を失いそうになる。
唯一の救いが倉庫の壁がそこまで頑丈でなかったことで、これがもし倉庫の分厚い扉だったら篤の体は風船のように破裂して、血をまき散らしていたに違いない。
「ラッキー……なのか?」
篤は口元の血を右手で拭き取って、苦笑する。
「いや……アンラッキーだな」
腕が突き刺さったままぶら下がっている自分を思い浮かべて言った。
取り敢えず脱出する手段を考える篤だが、それを阻止するかのようにさらに壁にたたきつける。
死に直結するようなダメージはないものの確実にダメージが蓄積されていく。子供に遊ばれている人形のように乱暴に扱われる。
等々壁に穴が開いて、ロボットは扉の方に移動をして同じことを始めようとする。
「さすがにまずいな……。一人で何とかするなんて言った手前こんな無様な負け方はできない」
(そろそろ限界も近い……早いところお決着をつけたいところだ)
背に扉が迫る篤は刺さって抜けなくなった左腕のそばに右足を当てて――
「バースト!!」
今度は腕からではなく足から空気砲が放たれて大きく穴が開くことでロボットから腕が抜けた。
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