屋上の合鍵

守 秀斗

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第14話:電気室で愛し合う

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 会社を定時で帰ることにした私。でも、職場の部屋を出ると地下の倉庫部屋に行ってしまう。中を確認すると、鏡とソファはまだ置いてあるわ。でも、明日にでも捨てられちゃう。ああ、もったいないなあ。そして、鏡を見ているうちにいろんな行為を思い出してあそこが濡れてくるの。私っていやらしい女だわ。

 そして、床やソファの染みを見て恥ずかしくなる。やっぱりいやらしい女だわ。おまけに本当は気が弱いくせに、こういう行為の事には熱心になってしまう。でも、あの行為って本当に気持ちがいいの。ストレスが飛んでいくわ。

 さて、地下の倉庫部屋を出て、他にいい場所はないかしらと考える私。私の家では夫がいるからできないわ。彼の家はどうかしらね。彼はアパート暮らしみたいだけど。でも、二人で帰ったらバレちゃうわね。休日に訪問するのが普通かしら。ちょうどエアロビ教室でその日はいつも遅く帰ってたから。ああ、でも会社でするっていうのが私を興奮させるの。してはいけない場所でしてんだもん。

 他にいい場所はないかしらと地下一階をウロウロする私、ああ、いやらしい女だわ、彼とする場所を探しているんだもん。でも、性欲はおさえられないわ、誰にもあるし、普通の行為よ、誰でもしてるし、だから人類は八十億人にも増えたのよって、会社の地下室でする人は少ないか。

 そして、私は電気室って部屋を開けてみた。あら、かなり綺麗な場所だわ。何の場所かしらね。かなり大きい部屋なんだけど、半分にフェンスで仕切られていて、関係者以外立ち入り厳禁って表示がしてある。頭の悪い私はよくわからないけど、変電設備があるんだろうなあ。

 でも、そのフェンスの前半分は何も置いてない二十畳くらいの空間がある。この前室でしたらどうかなあ。あの倉庫部屋は狭苦しい場所だったけど、この広い空間で裸で愛し合うの。最高に興奮するんじゃないかしらって思う私はもう淫乱ね。

 でも、してみたいわ。こんな場所は夜には誰もこないでしょ。鍵を確認したら普通のシリンダー式。閉めても鍵で外から開けられちゃうなあ。ああ、でもしたいの。私のあそこが疼く。床は硬いなあ。よし、折りたたみのマットレスを持ってこようっと。

 でも、そんな事してないで、ちゃんと仕事しろって言われそう。仕事もちゃんとしてるわよ。でも、あの行為はもっとちゃんとしたいの。ちゃんとしたいのよってなんのことだって言われそうだけど。

 そして、次の日。マットレスはすでに電気室に置いてきた、ついでにバスタオルも。鈴木さんをうまく非常階段に誘う私。

「え、電気室ですか」
「いいじゃない、一度くらい。あの倉庫部屋、もう使えなくなっちゃうの。だめ……」

 ちょっと甘えた声を出す私、いやらしい女だわ。でも、鈴木さん嬉しそう。

「いいですよ」
「そう、じゃあ、今日の八時」

 ああ、今日も愛し合うのよ、それもあの広々とした部屋で。あそこが熱くなるわ。

……………………………………………………

 そして、マットレスの上で彼と激しく抱き合う、ああ、いいわ、この部屋。広々とした場所でするのって初めてだわね。天井も妙に高いし。後、スリルもあるわね、誰か来るかもしれないってこと。この部屋、どう使っているのか私は知らないもん。鍵はちゃんと閉めたけど、いつ誰が入って来るかわからない。見られたらクビかしらね。一応、そんな規定はないけど、すごく怒られて噂になって辞職ね。ああ、でもあそこはますます濡れちゃうの。広いし、きれいだからいろんな体位で激しく愛し合う。私は彼の上にまたがる。

「ああん、いい、あそこが熱い、哲也さん、理央のあそこをもっと突き上げてえ!!!」

 かなり大声上げちゃった。でも、聞こえないでしょ。彼も興奮して私の胸をきつく揉みしだく。私は喘ぎ気持ち良くて口から涎が垂れ流れちゃう。冷房も一旦消しちゃったから、暑いので汗だくよ。でも、汗まみれになるのがいいの、気持ちいいのよ。汗をまき散らして悶えまくって、最後には絶頂へ。あそこからはしたない液が噴き出すの。ああ、もうやたら噴き出るようになっちゃった。もう、そんな体になっちゃったの。恥ずかしいけど、やっぱり気持ちがいいし、興奮しちゃうわ。

 ちょっとだけ気に入らないのは、終わった後、さすがにゆっくりと抱き合うってのが出来ないこと。やっぱり誰かが入って来るかも知れないじゃない。そそくさと部屋を出る私。鈴木さんも数分後に部屋から出る。

 そんな感じで、また、週に三回はやってる私たち。例によって、彼の前で慰めたりしたわ。そして激しく抱き合った。あんまり気持ち良くて失禁しちゃったことある。彼にかけちゃった。事前に用意していたバスタオルで彼の体を拭く。

「あの、ごめんなさい、おしっこかけちゃって……」
「いや、全然、かまいませんよ。いっそのこと理央さんのおしっこ飲んでみたいなあ」
「やだあ、もう、哲也さん」

 あら、かなりの変態かしら、鈴木さん。でも、全然かまわないわ、もう、すっかり私も彼のことが好きになっちゃった。何をされてもいいわ。ああ、若いっていいわ、もう毎日してもいいくらいだわ。私は彼に立たされて壁に手を付かされる。お尻を突き出す私。この後ろからされるのが、私の好み。乱暴されてるみたいで気持ちがいいの。ああ、すごくいい。

「ああ、もっと責めてえ、ふしだらな私をもっと責めて、あそこを突きまくってえ!」

 いやらしい言葉を声に出すと興奮する。なぜかしらね。ああ、いいわ、いい、あそこが気持ちいい!

「ああん、ああ、いく、いっちゃう、ああ、いく、いく、ああああ! いくわ、ああん、出るうう、出ちゃう!」

 絶頂へいって、盛大にあそこからいやらしい液を噴き出す私。ああ、壁がびしょ濡れ、潮とおしっこって成分が違うみたいだけど、そんなことどうでもいいわ。でも、すごく気持ちいいの……鈴木さんとは本当に体の相性バッチリね。

………………………………………………

 そんな生活続けたら、食堂で変な噂を女子社員が喋っているのを聞いてしまった。

「地下室で女のうめき声が聞こえてきたんですって」
「深夜二時に警備員さんが見回りするらしいけど、なんだか女の幽霊を見たとか」

 あ、やっぱり見回りとかしてるんだ。
 これはまずいわね。
 すると、他の社員が変な事を言い出す。

「このビルって、江戸時代の処刑場の上に建てられたって聞いたことがあるよ」
「そうなんだ。だからわが社はいまいち冴えないんだ」

 ゲラゲラ笑う社員たち。でも、私はそわそわしてしまう。そのうめき声って、多分、私の喘ぎ声だわ。顔が赤くなる。私はそそくさと食堂を出た。

 うーん、あの電気室ではもうやめておこうかしら、でも、私はしたいの、何だか背徳行為って感じで興奮しちゃうの。あんな場所でしないもんねえ。でも、若い時にあの行為はたくさんするもんだって、ウォーレン・バフェットさんも言ってることだしね。ウォーレン・バフェットってどういう人か知らないけど。金持ちらしいけどね。
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