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第8話:アレックスに問いただす
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あたしは部屋の扉に身体を寄せて、耳をすませて、カイとアレックスが戻って来るのを待つ。
しかし、なかなか戻って来ない。
ちょっと、また部屋の窓際に戻って、カーテンを開けて外を見る。
まだ、やってる。
もう二時間経ってるわよ。
経験ないからわからないけど、この行為ってだいたい三十分くらいだと聞いたことがある。
元気ねえ。
それとも男と女でやるのと、男と男がやるのは違うのかしら。
乏しいあたしの知識じゃわからん!
と言うか、アレックスは魔力を使い果たして疲れきってたんじゃなかったっけ。
夜までには回復したのかしら。
それとも性欲と魔力と体力は関係ないの。
ああ、経験ないからわからないわ。
おっと、やっと終わったのか二人が服を着ている。
そして、ボートをカイが漕いで、アレックスがなんとなくけだるい表情で月を眺めている。
その姿もなんだか色っぽいなあ。
羨ましい。
あたしがボートに乗って、けだるい表情してたら、釣りに出て、全く魚を釣れなかった釣り師って感じに見られちゃうわ。
羨ましがっている場合ではないか。
宿屋の二階の廊下を二人が静かに歩いてくる足音がしてきた。
どうやら、二人とも自分の部屋に戻ったらしい。
あたしはケイティの様子を見る。
スカーッと大の字で寝ている。
大物モンスターのワイバーンを倒したけど、やはりまだ子供ね。
あたしはそっと部屋を出て、隣のアレックスの部屋を小さい音で叩く。
何度か叩いていると、扉が開いた。
あたしの顔を見て、ちょっとびっくりしているアレックス。
「ねえ、アレックス、少し聞きたいことがあるんだけど、中に入っていいかしら」
あたしは小声でアレックスに言った。
そのまま部屋の中にそっと入る。
「なんでしょうか、マリア」
「あの、見ちゃったんだけど、あなたがカイとボートの上でしているの」
すると、一瞬、びっくりした顔をしたが、特に悪びれずにアレックスが無表情で言った。
「ええ、カイとしましたけど、それがなにかいけないんですか」
「いや、昨夜はケンとしてたわよね、あなた」
アレックスがまたびっくりした後、ちょっと気まずい顔をしたが、また無表情に戻って言った。
「ええ、昨夜はケンとしましたけど。それが何か悪いんですか」
「あの、ケンとカイはお互いこのことを知ってるの」
「いえ、知りません」
「じゃあ、まずいじゃないの。要するに浮気でしょ、これ」
アレックスがベッドに座って足を組む。
その格好も色っぽい。
女のあたしよりよっぽど色っぽい。
ああ、羨ましい。
おっと、また羨ましがってしまった。
そんなあたしにアレックスが言った。
「私って、毎日、男性の方としないと、気が済まない性質なんです。元気が出るんですよ。十三才の時からですね。男性と寝るのが生き甲斐なんです、いえ、愛する人とかしらね」
「えー、十三才からやってたの。自分の意志でやってたの、それ」
「ええ、自らまたがってましたね、男の方の上に」
「けど、いいのかしら、早すぎない」
「いえ、この国の法律で性交同意年齢は十三才以上ってことになってますけど。お互いが望んでいて十三才以上ならしてもいいんですよ。だいたい、気持ちいいことをして何が悪いんですか」
性交同意年齢。
そんな法律があったのって知らんかったわい。
あたしもさっさとしておけばよかった。
相手いないけどさあ。
「けど、ケンもカイも知らないんでしょ、バレたらどうすんの」
「まあ、バレたら仕方がないんじゃないですか」
何だか色っぽい目つきであたしを見るアレックス。
「あの、そんなことになったらパーティーが崩壊するじゃないの」
「恋愛には二人と同時に付き合うってこともありますよ」
「え、そうなの!」
全く経験ないので、動揺するあたし。
そんなあたしを見て、なぜか、クスリと笑うアレックス。
「恋愛とは複雑なものなんですよ。複数と付き合ってうまくいく時もあれば、二人だけですごく愛し合っていても別れる羽目になる時もあるし、いろいろですね」
「え、そうなんだ!」
さらに動揺するあたし。
「私とケンとカイ、三人で愛し合うってことになるかもしれませんよ。そうなったら私は嬉しいですし、全て解決するじゃないですか」
三人で愛し合う。
え、そういうの、ありなの。
それとも男だけの間だと可能なの。
いや、違うと思うなあ。
経験ないから、わからないけど。
一人の男性に何人のもの女が惚れちゃうハーレム状態ってのはあるけど。
逆ハーレムってのもあるわね。
けど、そういうのって、一人をめぐってトラブルにならないのかしら。
三人で愛し合って、うまくいくのかしら。
ああ、もう全く経験がないからわからないわ。
思わず、あたしはアレックスに言ってしまった。
「それ、おかしいんじゃないかしら」
するとアレックスがムッとした顔をする。
「何がおかしいんですか、マリア」
「えーと、その、倫理的におかしいと言うか……」
恋愛経験不足のあたしは答えに詰まってしまう。
つーか、経験ゼロだけど。
すると、アレックスから逆に非難された。
「覗き見とは、趣味が悪いですね、マリアは」
「違うわよ、ケイティのいびきがうるさくて夜中に起きちゃうのよ。それにすぐに見るのはやめたわよ」
すると、アレックスがさらに不愉快そうな顔で言った。
「けど、それなら見なかったことにしていただければよかったんじゃないかしら、それが礼儀ですよね。マリアとは関係の無い事ですよね」
言われてみればそうなんだよなあ。
まずい事に首を突っ込んでしまったのかしら、あたし。
「えーと、けど、パーティーのメンバー間の事なんで、その、まずいんじゃないのかと思って」
すると、ますますアレックスが不愉快な顔をする。
「マリアはリーダーだから、恋愛にも介入していいってことなんですか。リーダーにはそんな権利があるんですか」
「あ、いや、リーダーとしてって言うか、その、あの、パーティーの活動に支障をきたしたらまずいと思って……えーと……」
また、あたしは答えに窮してしまった。
そんなあたしをいやな顔で見ながら、アレックスが言った。
「まあ、別に最後まで見ていてもよかったわよ。見られると私、興奮するほうだから。それにみんなやってることでしょ」
「は? 見られて興奮するっておかしいんじゃないの」
あたしが思わず言った言葉にもっと不愉快そうな顔をするアレックス。
あれ、あたし、またまずいことを言ってしまったのかなあ。
うーん、人にはそれぞれ趣味ってものがあるもんなあ。
別に悪い事をしているわけではないのかな。
けど、見られると興奮するって、あんたは変態かって。
それに、みんなやってるって、あたしは全くやってないわよ。
悲惨。
そんなあたしの表情を見て、なぜか真剣な顔で変な事を言うアレックス。
「まあ、マリアさんは一人の恋人としかしないタイプなのかしら。それとも相手がいなくてもする人なのかしら。妄想だけでは人生楽しくないと思いますけど。現実にしたほうがいいと思いますよ」
どういう意味だ、この女!
違う、この野郎!
違う、この男の娘野郎!
ぐぬぬ。
こいつ、あたしが処女だって見抜いているようだ。
勘の良い奴っているわよね。
チキショー!
処女をからかって、喜ぶ性格の悪い奴ってよくいるのよねえ。
ああ、もう、恋愛とかよくわからないのよ。
処女のあたしにはわからないっての。
デートもしたことがないんだから、十九才にもなって。
この男性いいなって思ったことは何度もあるけど、それ以上進まない。
片思いにもなってないぞ。
クソー!
イライラし始めているあたしに、さらにアレックスが変な事を言う。
「それに、私は四人の男性と同時に愛し合ったことがあるわよ、最高に素敵な体験だったわね。五人でしたのよ。気持ち良かったわ。五人の男の方たちから集中的に愛してもらったわ。ああ、最高に素晴らしい経験だったわね。マリアもしてみたらどうですか」
五人でするってどんな感じなのかしら。
何よ、それ。
要するに乱交じゃないのかしら。
なんだか、想像すると気分良くないわね。
それに女性って、普通は一人の男性と付き合いたいと思うんじゃなかったっけ。
おっと、アレックスは男だったわね。
それにしても、このアレックスって人、気持ち悪いなあとあたしは思い始めた。
あたしは、やっぱり愛する男性と二人だけ、相思相愛がいいなあ。
純愛よ、純愛!
やっぱり、愛とは究極の存在であって一つしか無いものと思うの。
世界は二人のためにだけあるのって感じがいいわ。
相手いないけどさあ。
そんなことを考えているあたしにアレックスが聞いた。
「リーダーのマリアとしては、私はケンとカイのどちらとも付き合ってはいけないって考えなんですか」
「いや、そんなことないけど。あたしとしてはリーダーとして、このパーティーを存続させなければいけないのよ、その責任があるの」
アレックスが少し考えている。
「そうですか、パーティーが存続する方向にしたいわけですね、リーダーのマリアは」
「そうね、お願いしたいわね。妙なトラブルでパーティーが何度か解散した経験があるのよ。金銭トラブルや恋愛トラブルでね。あたしは、とにかくメンバーみんな仲良くしたいのよ」
「わかりました。じゃあ、そういたします。すみませんが、もう私は眠いので、この辺で終わりにしてよろしいでしょうか」
「ああ、わかったわ」
毎晩、遅くまでやっていたら、そりゃ眠いわよね。
あたしは、また、こっそりと自分の部屋に戻る。
またケイティがいびきをかいている。
鼻をこっそりとつまむといびきがやんだ。
あたしはベッドに入って、またパーティーのことを考えて悩む。
アレックスは必要だわ、実力はあるんだから。
ケンの腕も治癒したし。
ちょっと身体は弱そうだけど。
追い出すわけにはいかない。
それにしても、アレックスはどうする気なのかしら。
ケンとカイ、二人に隠して、毎晩交代でやるつもりなのかしら。
何よ、『毎日、男性の方としないと、気が済まない性質なんです。元気が出るんですよ』って。
それだと一度もしてないあたしは寝たきりになっちゃうじゃないの。
いったい、どうするつもりなんだろう。
あたしは悩む。
アレックスは、パーティーを存続したいってあたしの考えは理解してくれたようだけど。
悩んでいたら、いつの間にか、寝た。
しかし、なかなか戻って来ない。
ちょっと、また部屋の窓際に戻って、カーテンを開けて外を見る。
まだ、やってる。
もう二時間経ってるわよ。
経験ないからわからないけど、この行為ってだいたい三十分くらいだと聞いたことがある。
元気ねえ。
それとも男と女でやるのと、男と男がやるのは違うのかしら。
乏しいあたしの知識じゃわからん!
と言うか、アレックスは魔力を使い果たして疲れきってたんじゃなかったっけ。
夜までには回復したのかしら。
それとも性欲と魔力と体力は関係ないの。
ああ、経験ないからわからないわ。
おっと、やっと終わったのか二人が服を着ている。
そして、ボートをカイが漕いで、アレックスがなんとなくけだるい表情で月を眺めている。
その姿もなんだか色っぽいなあ。
羨ましい。
あたしがボートに乗って、けだるい表情してたら、釣りに出て、全く魚を釣れなかった釣り師って感じに見られちゃうわ。
羨ましがっている場合ではないか。
宿屋の二階の廊下を二人が静かに歩いてくる足音がしてきた。
どうやら、二人とも自分の部屋に戻ったらしい。
あたしはケイティの様子を見る。
スカーッと大の字で寝ている。
大物モンスターのワイバーンを倒したけど、やはりまだ子供ね。
あたしはそっと部屋を出て、隣のアレックスの部屋を小さい音で叩く。
何度か叩いていると、扉が開いた。
あたしの顔を見て、ちょっとびっくりしているアレックス。
「ねえ、アレックス、少し聞きたいことがあるんだけど、中に入っていいかしら」
あたしは小声でアレックスに言った。
そのまま部屋の中にそっと入る。
「なんでしょうか、マリア」
「あの、見ちゃったんだけど、あなたがカイとボートの上でしているの」
すると、一瞬、びっくりした顔をしたが、特に悪びれずにアレックスが無表情で言った。
「ええ、カイとしましたけど、それがなにかいけないんですか」
「いや、昨夜はケンとしてたわよね、あなた」
アレックスがまたびっくりした後、ちょっと気まずい顔をしたが、また無表情に戻って言った。
「ええ、昨夜はケンとしましたけど。それが何か悪いんですか」
「あの、ケンとカイはお互いこのことを知ってるの」
「いえ、知りません」
「じゃあ、まずいじゃないの。要するに浮気でしょ、これ」
アレックスがベッドに座って足を組む。
その格好も色っぽい。
女のあたしよりよっぽど色っぽい。
ああ、羨ましい。
おっと、また羨ましがってしまった。
そんなあたしにアレックスが言った。
「私って、毎日、男性の方としないと、気が済まない性質なんです。元気が出るんですよ。十三才の時からですね。男性と寝るのが生き甲斐なんです、いえ、愛する人とかしらね」
「えー、十三才からやってたの。自分の意志でやってたの、それ」
「ええ、自らまたがってましたね、男の方の上に」
「けど、いいのかしら、早すぎない」
「いえ、この国の法律で性交同意年齢は十三才以上ってことになってますけど。お互いが望んでいて十三才以上ならしてもいいんですよ。だいたい、気持ちいいことをして何が悪いんですか」
性交同意年齢。
そんな法律があったのって知らんかったわい。
あたしもさっさとしておけばよかった。
相手いないけどさあ。
「けど、ケンもカイも知らないんでしょ、バレたらどうすんの」
「まあ、バレたら仕方がないんじゃないですか」
何だか色っぽい目つきであたしを見るアレックス。
「あの、そんなことになったらパーティーが崩壊するじゃないの」
「恋愛には二人と同時に付き合うってこともありますよ」
「え、そうなの!」
全く経験ないので、動揺するあたし。
そんなあたしを見て、なぜか、クスリと笑うアレックス。
「恋愛とは複雑なものなんですよ。複数と付き合ってうまくいく時もあれば、二人だけですごく愛し合っていても別れる羽目になる時もあるし、いろいろですね」
「え、そうなんだ!」
さらに動揺するあたし。
「私とケンとカイ、三人で愛し合うってことになるかもしれませんよ。そうなったら私は嬉しいですし、全て解決するじゃないですか」
三人で愛し合う。
え、そういうの、ありなの。
それとも男だけの間だと可能なの。
いや、違うと思うなあ。
経験ないから、わからないけど。
一人の男性に何人のもの女が惚れちゃうハーレム状態ってのはあるけど。
逆ハーレムってのもあるわね。
けど、そういうのって、一人をめぐってトラブルにならないのかしら。
三人で愛し合って、うまくいくのかしら。
ああ、もう全く経験がないからわからないわ。
思わず、あたしはアレックスに言ってしまった。
「それ、おかしいんじゃないかしら」
するとアレックスがムッとした顔をする。
「何がおかしいんですか、マリア」
「えーと、その、倫理的におかしいと言うか……」
恋愛経験不足のあたしは答えに詰まってしまう。
つーか、経験ゼロだけど。
すると、アレックスから逆に非難された。
「覗き見とは、趣味が悪いですね、マリアは」
「違うわよ、ケイティのいびきがうるさくて夜中に起きちゃうのよ。それにすぐに見るのはやめたわよ」
すると、アレックスがさらに不愉快そうな顔で言った。
「けど、それなら見なかったことにしていただければよかったんじゃないかしら、それが礼儀ですよね。マリアとは関係の無い事ですよね」
言われてみればそうなんだよなあ。
まずい事に首を突っ込んでしまったのかしら、あたし。
「えーと、けど、パーティーのメンバー間の事なんで、その、まずいんじゃないのかと思って」
すると、ますますアレックスが不愉快な顔をする。
「マリアはリーダーだから、恋愛にも介入していいってことなんですか。リーダーにはそんな権利があるんですか」
「あ、いや、リーダーとしてって言うか、その、あの、パーティーの活動に支障をきたしたらまずいと思って……えーと……」
また、あたしは答えに窮してしまった。
そんなあたしをいやな顔で見ながら、アレックスが言った。
「まあ、別に最後まで見ていてもよかったわよ。見られると私、興奮するほうだから。それにみんなやってることでしょ」
「は? 見られて興奮するっておかしいんじゃないの」
あたしが思わず言った言葉にもっと不愉快そうな顔をするアレックス。
あれ、あたし、またまずいことを言ってしまったのかなあ。
うーん、人にはそれぞれ趣味ってものがあるもんなあ。
別に悪い事をしているわけではないのかな。
けど、見られると興奮するって、あんたは変態かって。
それに、みんなやってるって、あたしは全くやってないわよ。
悲惨。
そんなあたしの表情を見て、なぜか真剣な顔で変な事を言うアレックス。
「まあ、マリアさんは一人の恋人としかしないタイプなのかしら。それとも相手がいなくてもする人なのかしら。妄想だけでは人生楽しくないと思いますけど。現実にしたほうがいいと思いますよ」
どういう意味だ、この女!
違う、この野郎!
違う、この男の娘野郎!
ぐぬぬ。
こいつ、あたしが処女だって見抜いているようだ。
勘の良い奴っているわよね。
チキショー!
処女をからかって、喜ぶ性格の悪い奴ってよくいるのよねえ。
ああ、もう、恋愛とかよくわからないのよ。
処女のあたしにはわからないっての。
デートもしたことがないんだから、十九才にもなって。
この男性いいなって思ったことは何度もあるけど、それ以上進まない。
片思いにもなってないぞ。
クソー!
イライラし始めているあたしに、さらにアレックスが変な事を言う。
「それに、私は四人の男性と同時に愛し合ったことがあるわよ、最高に素敵な体験だったわね。五人でしたのよ。気持ち良かったわ。五人の男の方たちから集中的に愛してもらったわ。ああ、最高に素晴らしい経験だったわね。マリアもしてみたらどうですか」
五人でするってどんな感じなのかしら。
何よ、それ。
要するに乱交じゃないのかしら。
なんだか、想像すると気分良くないわね。
それに女性って、普通は一人の男性と付き合いたいと思うんじゃなかったっけ。
おっと、アレックスは男だったわね。
それにしても、このアレックスって人、気持ち悪いなあとあたしは思い始めた。
あたしは、やっぱり愛する男性と二人だけ、相思相愛がいいなあ。
純愛よ、純愛!
やっぱり、愛とは究極の存在であって一つしか無いものと思うの。
世界は二人のためにだけあるのって感じがいいわ。
相手いないけどさあ。
そんなことを考えているあたしにアレックスが聞いた。
「リーダーのマリアとしては、私はケンとカイのどちらとも付き合ってはいけないって考えなんですか」
「いや、そんなことないけど。あたしとしてはリーダーとして、このパーティーを存続させなければいけないのよ、その責任があるの」
アレックスが少し考えている。
「そうですか、パーティーが存続する方向にしたいわけですね、リーダーのマリアは」
「そうね、お願いしたいわね。妙なトラブルでパーティーが何度か解散した経験があるのよ。金銭トラブルや恋愛トラブルでね。あたしは、とにかくメンバーみんな仲良くしたいのよ」
「わかりました。じゃあ、そういたします。すみませんが、もう私は眠いので、この辺で終わりにしてよろしいでしょうか」
「ああ、わかったわ」
毎晩、遅くまでやっていたら、そりゃ眠いわよね。
あたしは、また、こっそりと自分の部屋に戻る。
またケイティがいびきをかいている。
鼻をこっそりとつまむといびきがやんだ。
あたしはベッドに入って、またパーティーのことを考えて悩む。
アレックスは必要だわ、実力はあるんだから。
ケンの腕も治癒したし。
ちょっと身体は弱そうだけど。
追い出すわけにはいかない。
それにしても、アレックスはどうする気なのかしら。
ケンとカイ、二人に隠して、毎晩交代でやるつもりなのかしら。
何よ、『毎日、男性の方としないと、気が済まない性質なんです。元気が出るんですよ』って。
それだと一度もしてないあたしは寝たきりになっちゃうじゃないの。
いったい、どうするつもりなんだろう。
あたしは悩む。
アレックスは、パーティーを存続したいってあたしの考えは理解してくれたようだけど。
悩んでいたら、いつの間にか、寝た。
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