34 / 37
第34話:ボリスの告白
しおりを挟む
突然、政府の諜報員とか言い出すボリス。
頭がおかしくなったのかと、一瞬、あたしは思ってしまった。
政府の諜報員って、要するにスパイよね。
えー! ただのスケベ親父だと思ってた。
そして、ボリスがおもむろに話し出した。
「もう時間が余りないので、手短に説明します。明日、この村に軍隊が到着します。ドラゴンが出現した時のためです。すでに村長には連絡してありますので、この村からは村民たちは全員退避をお願いしているところです」
「な、なんでドラゴンが現れるんですか」
「湖の東端にある邸宅に住んでいるスミスと言う男は、アーチボルトの可能性が高いんですよ」
アーチボルト。
あれ、その名前、あたし聞いた事があるなあ。
「アーチボルトって、確か、十五年前くらいに隣のサルバンテス王国の王族を皆殺しにした奴じゃなかったでしたっけ。けど、確か、たった一人生き残ったお姫様と軍隊に討伐されて死んだって聞いてましたけど」
「いや、それがアーチボルトは逃亡したんですよ。ただ、世間を騒がせるのはまずいとの当局の判断で死亡したことにして、我々諜報部が捜索していたんです。そして、スミスはアーチボルトである有力容疑者の一人だったんですよ」
ガハハ笑いの豪快親父から、いきなり神妙な表情で深刻な感じで話すボリスを見て、あたしはまだ殴られた頭がはっきりしてないのかなあと思ったりした。
「ここの地主さんが、ドラゴンを操っていたと思われる魔石の破片を持っていることは有名でした。本人がよく周りの人に自慢気に見せていたようですから。そして、その頃、例のスミスが引っ越してきた。だから私は、冴えない冒険者パーティーのリーダーに変装して、見張っていたんですよ。おっと、失礼、冴えないパーティーなんて言って。それで、アーチボルトはすぐに魔石を取り返そうとするのではと思っていました。ただ、四年ほど前にこの村に来たのに、全く、地主の家に近づこうとしないんですよ」
あれ、魔石とは言っても今はただの石ころなんじゃないの。
あたしはボリスと名乗る政府の諜報員に聞いた。
「すみません、ボリス、じゃなくて、えーと、本名は言えないんですよね。じゃあ、ボリスさんて呼びますけど、もう魔石は割れたからただの石になったんじゃないんですか」
「そうです。一般人にはただの石なんです。それで、マリアさんをパーティーの仲間に入れたんですよ」
「え、何で私を入れたんですか」
「魔石が半分では、例え復活させても魔力が半分しか出ない。アーチボルトには割れた魔石を復活できる力があるようなんです。そこで、もう半分を持っているマリアさんを探したんです。ちょうど一年前、マリアさんがあるパーティーから離れたところだったので、私のパーティーに誘って、この村に連れてきて、それとなく噂を流したんです。ドラゴンキラーがやって来たって」
なんとまあ、あたしは囮だったの。
ひどいわね。
まあ、スパイ活動って、そんなもんなのかなあ。
要するに、あたしとあの地主夫妻がこの村で再開したのは偶然では全然なかったのね。
「そして、マリアさんは魔石をブローチにして服に付けているとの噂も流しました。しかし、やはりスミスは全く動かずに、豪邸で悠々自適に暮らしているだけ。これは当てが外れたのかなあと思ったところに、ある場所にアーチボルトが潜伏していると有力情報があって、私は三か月前に他の諜報員たちと協力するために、その場所に行ったんです。親が倒れたと言ってね。いや、ウソをついて申し訳ありません」
深々と頭を下げるボリスと名乗る諜報員。
「それで、どうだったんですか。その有力情報の結果は」
「いや、それがアーチボルト一派の残党は確かにいたんですが、肝心の首領のアーチボルトとはほとんど会ってないようなんですよ。行方は全然知らないようです。ただ、重大な情報を掴みましてね」
「どんな重大な情報なんですか」
「どうもアーチボルトは巨大な魔法陣を作っていると残党たちの噂になっていたんですよ。場所は、どこかの村の近くの廃墟か、もしくは閉山した鉱山の近く、または自分が住んでいる邸宅の地下ってことだったんです」
「ふーん、だから、ボリスさんがこの村に戻って最初にやった仕事が廃墟近くの畑のゴブリン退治、そして、閉山した山の洞窟の探索、そして、最後にスミスさん、ではなくてアーチボルトですか、その家の地下のスライム退治ですか。あれ、何でスライム退治の時に邸宅にボリスさんは来なかったんですか」
「いや、もしかしたら、アーチボルトは私の顔を知っている可能性もあるなあと思いまして、一応変装はしているんですけどね」
うーん、それにしても、親が倒れたってのはウソだったのか。
もしかして、各地に愛人がいるってのもウソじゃないかしら。
「けど、確か、スミスさん、じゃなくてアーチボルトの豪邸の地下にスライム退治に行って終わった後、このブローチを見せたんですけど、その場で強奪しようとはしませんでしたよ」
「それは、マリアさんはドラゴンキラーなんだから警戒したんでしょう。ドラゴンを倒した人から無理矢理その場で奪うなんてことはしないでしょうね」
警戒されるほど、あたしは強くないけどなあ。
それにしても、愛人巡りじゃなくて諜報活動で各地を飛び回っていた可能性があるわね、この世を忍ぶ仮の姿のボリスさんは。
両刀使いも、もしかしたら擬装なんじゃないの。
わざと男にも女にもだらしがないオヤジを演じていたんでしょうね。
あたしがそんなことを考えていたら、ケンがボリス諜報員に言った。
「そんなの、見張ってないで、いっそのことさっさとそのスミスを逮捕すればいいんじゃないの」
「いや、それがアーチボルトはドラゴンを召喚出来る能力があるんですよ。ただ、召喚は出来るが、そのドラゴンを制御するには魔石が無いと出来ないらしい。下手に刺激して、アーチボルトが焦ってドラゴンを召喚して、そのドラゴンが制御不能で大暴れしたらまずい。だから、確実な証拠が必要だと思ったわけです」
証拠って、魔石のことかしら。
あたしはボリス諜報員に聞いた。
「確実な証拠って、何ですか。魔石を奪うってことですか」
「ええ、それもありますけど、多分、アーチボルトは相当恨みを持っているだろうと思いましてね、特に、このアルファポリス王国に。関係ないのに隣国に軍隊を送り込んで来て、サルバンテス王国を支配するのを邪魔されたんですからね。だから、かなり巨大なドラゴンを召喚して、この国を滅亡させるつもりではと思ったんですよ」
「あの、それで、その証拠って何ですか」
「さっき言った巨大な魔法陣ですよ」
「魔法陣ですか」
「アーチボルトの魔法でもドラゴンを召喚出来るけど、それではこの前と同じ程度のドラゴンしか召喚できない。だから、巨大な魔法陣を作って、それで、超巨大ドラゴンでアルファポリス王国を滅ぼすつもりではないのではと思ったんですよ」
あれ、もしかして、ダンジョン探索の練習だとか言って、豪邸の地下の図面を書かされたなあ。
廊下しかなくて、妙な感じがしたけど、あれは魔法陣だったのか。
「アーチボルトは秘かにこの四年間、あの魔法陣を豪邸の地下に作るのに費やしていたんでしょう。最近、妙に珍しいモンスターが、やたらこの村に出現しましたよね。どうも、この魔法陣に引き付けられて現れたようなんです。未完成でもモンスターを引き寄せるような巨大な魔法陣ですね」
そうよねえ、この村の付近にはスライムの他は、少数のゴブリンくらいしか出現しないと言われていたのに、ワイバーンにサイクロプス、ドラゴンタートル、フェンリル、アムフィシーン、アーヴァンク、それに大勢のゴブリンに大勢のコボルト、大量のスライム、巨大イノシシと現れたもんねえ。
おっと、巨大イノシシは関係ないか。
「あと、ちょっとした情報ですけど、アーチボルトは甘い物好きなんですよ。マリアさんたちにサルバンテス王国の有名チョコブランド品を土産にくれたってのも、疑惑を深める証拠になったわけです」
チョコで確定しちゃっていいのかなとあたしは思った。
「けど、何であたしに言ってくれなかったんですか。そうすれば、ブローチなんて、どこか誰にもわからないところに隠したのに」
「いや、申し訳ありません。マリアさんの作った図面を見て、これは魔法陣が完成してないとわかったんですよ。だから、まだ魔石を奪いにはこないだろうと思ったんですがね、今までのアーチボルトの行動で推測すると。しかし、地主さんの家にいったら、案の定、昨夜、魔石が盗まれたそうです。どうやら完成したようですね」
あれ、確かあの豪邸の地下のスライム退治は、カイが途中でもう飽きたって言ってやめたんだっけ。
それで、あの図面も最後の方はあたしが適当に書いたんだわ。
もしかしたら、もうすでに完成してたのね、その魔法陣とやらは。
やばい、あたしとカイがいい加減なことやって、この政府の諜報員ボリスさんの判断を誤らせてしまったのか。
けど、黙ってようっと。
後で、ケイティにも口止めしておこう。
もう、魔石も盗まれたしね。
どうしようもないわよね。
いい加減なあたし。
「とにかく、今、スミス、いや、アーチボルトの邸宅は諜報員たちが武器を持って包囲しています。今、奴が逃げ出さないように見張っています。そして、明日、軍隊が到着したら、邸宅を攻撃して、魔法陣ごと崩壊させる予定です」
「けど、もしアーチボルトがヤケクソ状態でドラゴンを召喚したら、どうするつもりなんですか」
「軍隊で対抗しますが、私たちには秘密兵器がありますので」
「秘密兵器って何ですか」
「ケイティですよ」
え、ケイティ?
なんでケイティちゃんが秘密兵器なの。
あたしらの冴えないパーティーの秘密兵器ではあったけど。
頭がおかしくなったのかと、一瞬、あたしは思ってしまった。
政府の諜報員って、要するにスパイよね。
えー! ただのスケベ親父だと思ってた。
そして、ボリスがおもむろに話し出した。
「もう時間が余りないので、手短に説明します。明日、この村に軍隊が到着します。ドラゴンが出現した時のためです。すでに村長には連絡してありますので、この村からは村民たちは全員退避をお願いしているところです」
「な、なんでドラゴンが現れるんですか」
「湖の東端にある邸宅に住んでいるスミスと言う男は、アーチボルトの可能性が高いんですよ」
アーチボルト。
あれ、その名前、あたし聞いた事があるなあ。
「アーチボルトって、確か、十五年前くらいに隣のサルバンテス王国の王族を皆殺しにした奴じゃなかったでしたっけ。けど、確か、たった一人生き残ったお姫様と軍隊に討伐されて死んだって聞いてましたけど」
「いや、それがアーチボルトは逃亡したんですよ。ただ、世間を騒がせるのはまずいとの当局の判断で死亡したことにして、我々諜報部が捜索していたんです。そして、スミスはアーチボルトである有力容疑者の一人だったんですよ」
ガハハ笑いの豪快親父から、いきなり神妙な表情で深刻な感じで話すボリスを見て、あたしはまだ殴られた頭がはっきりしてないのかなあと思ったりした。
「ここの地主さんが、ドラゴンを操っていたと思われる魔石の破片を持っていることは有名でした。本人がよく周りの人に自慢気に見せていたようですから。そして、その頃、例のスミスが引っ越してきた。だから私は、冴えない冒険者パーティーのリーダーに変装して、見張っていたんですよ。おっと、失礼、冴えないパーティーなんて言って。それで、アーチボルトはすぐに魔石を取り返そうとするのではと思っていました。ただ、四年ほど前にこの村に来たのに、全く、地主の家に近づこうとしないんですよ」
あれ、魔石とは言っても今はただの石ころなんじゃないの。
あたしはボリスと名乗る政府の諜報員に聞いた。
「すみません、ボリス、じゃなくて、えーと、本名は言えないんですよね。じゃあ、ボリスさんて呼びますけど、もう魔石は割れたからただの石になったんじゃないんですか」
「そうです。一般人にはただの石なんです。それで、マリアさんをパーティーの仲間に入れたんですよ」
「え、何で私を入れたんですか」
「魔石が半分では、例え復活させても魔力が半分しか出ない。アーチボルトには割れた魔石を復活できる力があるようなんです。そこで、もう半分を持っているマリアさんを探したんです。ちょうど一年前、マリアさんがあるパーティーから離れたところだったので、私のパーティーに誘って、この村に連れてきて、それとなく噂を流したんです。ドラゴンキラーがやって来たって」
なんとまあ、あたしは囮だったの。
ひどいわね。
まあ、スパイ活動って、そんなもんなのかなあ。
要するに、あたしとあの地主夫妻がこの村で再開したのは偶然では全然なかったのね。
「そして、マリアさんは魔石をブローチにして服に付けているとの噂も流しました。しかし、やはりスミスは全く動かずに、豪邸で悠々自適に暮らしているだけ。これは当てが外れたのかなあと思ったところに、ある場所にアーチボルトが潜伏していると有力情報があって、私は三か月前に他の諜報員たちと協力するために、その場所に行ったんです。親が倒れたと言ってね。いや、ウソをついて申し訳ありません」
深々と頭を下げるボリスと名乗る諜報員。
「それで、どうだったんですか。その有力情報の結果は」
「いや、それがアーチボルト一派の残党は確かにいたんですが、肝心の首領のアーチボルトとはほとんど会ってないようなんですよ。行方は全然知らないようです。ただ、重大な情報を掴みましてね」
「どんな重大な情報なんですか」
「どうもアーチボルトは巨大な魔法陣を作っていると残党たちの噂になっていたんですよ。場所は、どこかの村の近くの廃墟か、もしくは閉山した鉱山の近く、または自分が住んでいる邸宅の地下ってことだったんです」
「ふーん、だから、ボリスさんがこの村に戻って最初にやった仕事が廃墟近くの畑のゴブリン退治、そして、閉山した山の洞窟の探索、そして、最後にスミスさん、ではなくてアーチボルトですか、その家の地下のスライム退治ですか。あれ、何でスライム退治の時に邸宅にボリスさんは来なかったんですか」
「いや、もしかしたら、アーチボルトは私の顔を知っている可能性もあるなあと思いまして、一応変装はしているんですけどね」
うーん、それにしても、親が倒れたってのはウソだったのか。
もしかして、各地に愛人がいるってのもウソじゃないかしら。
「けど、確か、スミスさん、じゃなくてアーチボルトの豪邸の地下にスライム退治に行って終わった後、このブローチを見せたんですけど、その場で強奪しようとはしませんでしたよ」
「それは、マリアさんはドラゴンキラーなんだから警戒したんでしょう。ドラゴンを倒した人から無理矢理その場で奪うなんてことはしないでしょうね」
警戒されるほど、あたしは強くないけどなあ。
それにしても、愛人巡りじゃなくて諜報活動で各地を飛び回っていた可能性があるわね、この世を忍ぶ仮の姿のボリスさんは。
両刀使いも、もしかしたら擬装なんじゃないの。
わざと男にも女にもだらしがないオヤジを演じていたんでしょうね。
あたしがそんなことを考えていたら、ケンがボリス諜報員に言った。
「そんなの、見張ってないで、いっそのことさっさとそのスミスを逮捕すればいいんじゃないの」
「いや、それがアーチボルトはドラゴンを召喚出来る能力があるんですよ。ただ、召喚は出来るが、そのドラゴンを制御するには魔石が無いと出来ないらしい。下手に刺激して、アーチボルトが焦ってドラゴンを召喚して、そのドラゴンが制御不能で大暴れしたらまずい。だから、確実な証拠が必要だと思ったわけです」
証拠って、魔石のことかしら。
あたしはボリス諜報員に聞いた。
「確実な証拠って、何ですか。魔石を奪うってことですか」
「ええ、それもありますけど、多分、アーチボルトは相当恨みを持っているだろうと思いましてね、特に、このアルファポリス王国に。関係ないのに隣国に軍隊を送り込んで来て、サルバンテス王国を支配するのを邪魔されたんですからね。だから、かなり巨大なドラゴンを召喚して、この国を滅亡させるつもりではと思ったんですよ」
「あの、それで、その証拠って何ですか」
「さっき言った巨大な魔法陣ですよ」
「魔法陣ですか」
「アーチボルトの魔法でもドラゴンを召喚出来るけど、それではこの前と同じ程度のドラゴンしか召喚できない。だから、巨大な魔法陣を作って、それで、超巨大ドラゴンでアルファポリス王国を滅ぼすつもりではないのではと思ったんですよ」
あれ、もしかして、ダンジョン探索の練習だとか言って、豪邸の地下の図面を書かされたなあ。
廊下しかなくて、妙な感じがしたけど、あれは魔法陣だったのか。
「アーチボルトは秘かにこの四年間、あの魔法陣を豪邸の地下に作るのに費やしていたんでしょう。最近、妙に珍しいモンスターが、やたらこの村に出現しましたよね。どうも、この魔法陣に引き付けられて現れたようなんです。未完成でもモンスターを引き寄せるような巨大な魔法陣ですね」
そうよねえ、この村の付近にはスライムの他は、少数のゴブリンくらいしか出現しないと言われていたのに、ワイバーンにサイクロプス、ドラゴンタートル、フェンリル、アムフィシーン、アーヴァンク、それに大勢のゴブリンに大勢のコボルト、大量のスライム、巨大イノシシと現れたもんねえ。
おっと、巨大イノシシは関係ないか。
「あと、ちょっとした情報ですけど、アーチボルトは甘い物好きなんですよ。マリアさんたちにサルバンテス王国の有名チョコブランド品を土産にくれたってのも、疑惑を深める証拠になったわけです」
チョコで確定しちゃっていいのかなとあたしは思った。
「けど、何であたしに言ってくれなかったんですか。そうすれば、ブローチなんて、どこか誰にもわからないところに隠したのに」
「いや、申し訳ありません。マリアさんの作った図面を見て、これは魔法陣が完成してないとわかったんですよ。だから、まだ魔石を奪いにはこないだろうと思ったんですがね、今までのアーチボルトの行動で推測すると。しかし、地主さんの家にいったら、案の定、昨夜、魔石が盗まれたそうです。どうやら完成したようですね」
あれ、確かあの豪邸の地下のスライム退治は、カイが途中でもう飽きたって言ってやめたんだっけ。
それで、あの図面も最後の方はあたしが適当に書いたんだわ。
もしかしたら、もうすでに完成してたのね、その魔法陣とやらは。
やばい、あたしとカイがいい加減なことやって、この政府の諜報員ボリスさんの判断を誤らせてしまったのか。
けど、黙ってようっと。
後で、ケイティにも口止めしておこう。
もう、魔石も盗まれたしね。
どうしようもないわよね。
いい加減なあたし。
「とにかく、今、スミス、いや、アーチボルトの邸宅は諜報員たちが武器を持って包囲しています。今、奴が逃げ出さないように見張っています。そして、明日、軍隊が到着したら、邸宅を攻撃して、魔法陣ごと崩壊させる予定です」
「けど、もしアーチボルトがヤケクソ状態でドラゴンを召喚したら、どうするつもりなんですか」
「軍隊で対抗しますが、私たちには秘密兵器がありますので」
「秘密兵器って何ですか」
「ケイティですよ」
え、ケイティ?
なんでケイティちゃんが秘密兵器なの。
あたしらの冴えないパーティーの秘密兵器ではあったけど。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる