屈辱と愛情

守 秀斗

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第28話:夫がケガをする

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 ある日、志穂が仕事休みの日。

 一郎の会社から電話があった。一郎が階段で転んで救急車で病院に運ばれたとの連絡。慌てて、病院に駆けつける志穂。その病院は、一郎の勤めている会社と深いつながりがあり、職員やその家族もこの病院で診てもらったり、入院する場合もほとんどこの病院だった。病室に行くと右足首をギブスで固めている夫が寝ていた。志穂に気付く一郎。

「ああ、志穂、悪いね」
「大丈夫なんですか、一郎さん」
「ああ、足首の捻挫だな。入院は二週間程度みたい」

 どうやら、ケガしたのは足首だけで、他は特に異常無しのようだ。志穂はほっとした。いろいろと話を聞いた後、志穂は言った。

「では、仕事が無い日は必ず来ますので。でも、何かあったらスマホに連絡してください」
「この病院はスマホは禁止なんだよ。でも、まあ、捻挫なんで大した事ないよ」

(私にはもう一郎さんしか頼る人がいないから、その一郎さんになにかあったら困るわ。でも、久しぶりにゆっくりと出来るかしら。愛してくれるのは嬉しいんだけど毎日抱かれて、私も少し疲れてきたから……ああ、でも、夫がケガしたって言うにセックスのこと考えちゃった。もう、私っていやらしい……)

……………………………………………………

 志穂は、時間が空く限り、一郎の見舞いにいった。それが妻の勤めだと思ったし、やさしい夫に奉仕したいと思ったからだ。

 そして、一週間後。
 夜。
 志穂は一人で鏡の部屋にいる。一郎はまだ入院中だ。
 
 いろいろとこの部屋で行った愛の行為を思い出してしまう。あそこが疼く。したくてたまらなくなってきた。

(つい、先週は疲れたとか言ってたのに、私、こういう行為の中毒になってしまったのかしら)

 でも、志穂は我慢できなくなった。服を脱ぐ。裸になって、鏡で見る。

(私、いやらしいわ……一郎さんに調教されちゃったのかしらね……違うわ、元々淫らな女だったわ……子供の頃からいやらしいことばかり考えてた。新体操部に入ったのもレオタード姿を見られたいから。何て淫らな目的なのかしら。だから、あんな官能小説とか書くのにも熱中してしまった。夫を怒らせちゃったけど、でも、許してくれたみたい。やさしい人でよかったわ。それに、最近は私をすごく気持ち良くさせてくれるし……ああ、抱かれたいわ、ああん、もっと荒々しく抱かれたい、乱暴されたい、早く、一郎さんのケガ、治らないのかしら……それまでは自分でするしかないわね)

 志穂は、キャビネットを開く。バイブを取り出すと、鏡の部屋から出る。そして、リビングルームの窓際に行く。

(夜景がきれい。ここは十五階だから外から見られることはないわね。でも、いいわ、見られても……私のいやらしい裸やオナニーを見られたっていいわ、いや、見られたいわ)
 
 寝室の窓から外を見る志穂。遠くのビル群の明かりが男たちの視線に見える。SMショーに出た時のことを思い出し、興奮してきた。

(私って、やっぱりいやらしい女なんだ。あんなショーに出て、恥ずかしいことをして興奮してた、それを思い出して、あそこが濡れてくる……)

 そして、鏡の部屋での夫の一郎との行為も思い出す。激しく、淫らな行為。ありとあらゆる体位で責められて汗まみれ、淫液まみれになって抱き合った。あそこを何度も激しく貫かれて、それを鏡で見せつけられて、興奮し、快感であそこから淫液を何度も噴き出した。

(素敵だった、気持ち良かったわ。大興奮した。この前は後ろからあそこに挿入されたまま、立たされて鏡におっぱいを押し付けられて、乱暴されるように愛された。何度もいやらしいことを言うよう強制された。最近、さらに乱暴になってきたと思うけど……いいわ、もっと荒らしく愛されたいの……私、もっと乱暴されたい、辱めに遭いたいの、もっと虐めてほしい……好きな人なら、女はどんなことをされてもいいの……)

 志穂としてはいつも絶頂へ突き上げてくれるので、嬉しくもあった。もっともっと激しくされたい、愛されたい。ああ、一郎さんに乱暴されたい、メチャクチャにされたい。あそこにいっぱい白い液体を注ぎ込んでほしいと思っている。そして、一郎さんのものになって、妊娠したい、赤ちゃんを産みたい。

 志穂はビデオカメラも鏡の部屋からリビングルームに持ってきた。自分の痴態を撮影するのが目的だ。以前の激しい一郎との行為を思いだして、もう我慢できなくなった。外からは志穂の裸が丸見えだけど、どうでもいいと思った。

(もう、本当に見られてもいいわ。リビングルームでいやらしいことしている女を見てほしい、ああ、見て、志穂のいやらしい汗まみれの姿態を、志穂のぐしょ濡れのあそこを。志穂のあそこからいやらしい液が噴き出すのを、ああ、全部見てえ)

 志穂の頭の中では、大勢の人が志穂の恥ずかしい行為を見ている。裸になって、あそこをまさぐる志穂。SMショーに出演した時をまた思い出す。

「ああ、皆さま、淫乱女の志穂がオナニーをするのを見て、志穂があそこからいやらしい液を噴き出すのを見て、志穂が絶頂へいくとこ見てえ!」

 裸のまま、床に両膝立ちになって、あそこをまさぐる志穂。気持ち良くて仕方がない。興奮した志穂は淫口にバイブレーターをズブズブと挿入する。そして後ろの穴にもローションをたっぷりと塗ったバイブレーターを入れる。自ら両手であそこと後ろの穴を同時にバイブで乱暴に責める。二つの穴を同時に責められる。幻想の二人の男に挿入され激しく乱暴されるのを妄想する志穂。そして、その男たちはいつの間にか、二人とも夫になっている。

「ああ、気持ちいい、一郎さん、志穂を辱めて、もっと虐めて、ああ、いっぱい中に出して、出してえ!」

 二つの穴に挿入されたバイブレーターのスイッチを入れる志穂。バイブが振動して、志穂を快楽の渦に巻き込む。

「ああ、気持ちいい、あそこと後ろの穴が気持ちいい! ああ、いいです、一郎さん、愛してる、愛してるの!」

 二つの肉穴から来る気持ち良さに口から涎を垂れ流す志穂。床に横たわって、さらに自ら激しくバイブを出し入れする。

「ああ、いく、い、いく、いくううう!!!」

 大股を広げたあそこからはしたない液をビューッと噴き出す。それは窓のガラスにひっかかる。疲れて、しばし、座り込んでちょっと自己嫌悪になる志穂。

(ああ、私って本当に淫乱だなあ。よく、一郎さんは私に付き合ってくれるなあ。けど、やめられないの。気持ちいいから……)

 あそこから抜いたバイブレーターを口で舐める志穂。自分のはしたない液まみれのバイブを舐めて興奮する。一郎のアレを舐めているのを妄想する。

(何て、変態行為。誰か見てほしいなあ。一郎さんが見たら呆れるかなあ。でも……ああ、いやらしい変態女の私を見て、びしょ濡れになったあそこを見て、後ろの穴をじっくりと見て、ああん、またあそこが熱くなってきた)

 一旦、ビデオカメラのファインダーで窓際で裸になってあそこと後ろの穴に自らバイブを入れて快感に震えている自分を、股を広げて、あそこからはしたない液を噴き出す自分を見る。ますます興奮する志穂。

(ああ、もう我慢できない……)

 そのいやらしい映像を何度も繰り返し再生しながら、リビングルームの床の上で、再びあそこをまさぐる志穂。快感でのたうち回る。

「気持ちいいの、あそこいい、志穂のあそこ、気持ちいいの、ああ、志穂を乱暴して、志穂のあそこにいっぱい注ぎ込んでえ」

 仰向けで腰を上に突き出す。そして、またはしたない液をビューっと噴き出す。その噴き出たいやらしい液が自分の身体にかかった。

(自分の淫液まみれになって興奮している、淫らな女……ああ、私、オナニー中毒、セックス中毒かしらね)

 ぐったりとリビングルームの床の上で快感を反芻する。しばらく休むと、志穂は今度は首輪を付ける。性奴隷になった自分を妄想する。それだけで興奮してしまう。そして、ボンデージファッション姿になる。黒いハイレグレオタード。その姿で窓際に立って、また、あそこをまさぐる。

(ああ、私は色情狂かもしれないわ。けど、いいの。あそこ気持ちいいから)

 今度は窓際に椅子を持ってきて、その上に吸盤付きのバイブを持ってきて吸い付ける。これも志穂が持っていたものだ。椅子の上に座り、バイブは深々と志穂のあそこに挿入されていく。

「あ、あう、いいわ、あそこがいい、気持ちいいの……ああ、皆様、志穂のいやらしい穴に男の人のアレが挿入されていくのを見てえ」

 SMショーのステージ上で男とセックスしているのを妄想してしまう。後ろ向きになって、背中を外に向けて見えるようにする。後ろの穴も丸見えだ。

「ああ、皆さま、乱暴されて気持ちよくなって、後ろの穴をヒクヒクさせている淫乱女の志穂をご覧くださいませ」

 そのまま腰を上下させバイブを出しいれする志穂。

(ああ、いやらしいわ。ああ、見て、志穂のいやらしい姿態を見て。気持ちいいわ、あそこが気持ちいいの)

「アッ、アッ、アッ、いく、志穂、いっちゃうの、いっちゃう、いっちゃう、ああ、い、いく、いくううう!!! ああ、出ちゃう、おしっこ出る、出るう」

 絶頂へいった後、失禁しておしっこまみれになって、椅子から降りるとリビングルームの床でぐったりとする志穂。

(私って、すごくいやらしい女だわ……すごい変態かも……)

 何度も絶頂へ行って、そのまま横になってしまう志穂。それにしても、こんな変態で淫乱女の自分を一郎さんはいつまでも愛してくれるのかしらとも思ってしまう。志穂はちょっと心配になった。
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