氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

33

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 リラのささやかな抵抗に、我に返るエドワルド。少しだけ顔を離し、リラの顔を覗き込む。


「えっ、えどわるどさま、ひどいですぅ~!」


 クッタリとエドワルドに身を預け、しがみ付きながらも呂律の回らない状態で、何とか文句を口にするリラ。


「わっ、わたくし、初めてですのに殺す気ですか?!するならするで、もっと、ゆっくりして下さい!」


 リラは酸欠で、自分が何を口走ったのかまではよく理解しわかっていない。理解していたならば、きっと口には出さなかった言葉だった筈だ。

 リラの言葉に煽られたエドワルドは、ゴクリと唾を呑み込み目を細め、自身の唇を舌でゆっくりとリラに見せ付けるかのように舐める。

(えっ、エドワルド様エロいですぅ~!!!)


「……私も初めてですが、ご要望と有らばじっくりゆっくり味わいますよ。貴女は自分の発する言葉の意味を、もっとじっくり考えた方が良い。悪い男に、良い様にされてしまいますよ?例えば、私とか。呼吸は鼻で。噛まないで下さいね?」


 リラが口を開け、言葉を発する前に、エドワルドはその口を塞ぎ、開いている咥内へと舌を忍ばせ舐め擦る。


「!?!」


 リラはエドワルドのすがまま、されるが儘に咥内をじっくりゆっくりむさぼられる。

 舌を絡ませ、吸い上げられて、身体の奥が、熱くうずく。

 未知の感覚にリラは戸惑い、目の前の身体にすがり付くしか出来ない。

(可愛い、可愛い、可愛い、可愛い!)

 腕の中で、必死にすがり付いてくるリラが、愛しくて堪らない。

 リラの匂いに包まれながらも、その体温や感触が服にへだてられ、リラを包むその衣服すらも疎ましい。

(じかに、全裸で彼女を抱き締めて、体温を、この柔らかな身体を堪能し尽くしたい。彼女の中からあふれ出る女の匂いを、間近で嗅ぎ取り、直接味わい舐め尽くしたい!!)

 たかが二年、れど二年。

 他人ひとや物に向かわなかった執着や感情、興味や愛欲と言った物の全てが、リラ一人に全部が集中しているようなものだ。エドワルドも、何故そうリラだけに集中したのかが未だによく分からないが、リラを見れば見る程、知れば知る程、焦がれる想いが募るのだ。

 その膨らみ続けた想いが今日、想像よりも可愛過ぎる本質を持つ、本物のリラへと向けられた。
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