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本編
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「貴族名鑑が役に立たないとでも?」
リラが言おうとした言葉を、エドワルドが低い声で先に言う。
そのあまりに低い声と険しい顔に、姉弟はビクッと震え上がる。
「くっ、クルルフォーン様?」
「お前達姉弟は今、この場にいる上位貴族の全員を敵に回したぞ。あれは貴族なら誰でも持っているべき物で有り、完璧とまではいかなくとも、責めて上位貴族の顔と名を覚える為の物だ。上位貴族だと知らずに、どうやって礼儀を弁える?お前達は先程から私達に、随分無礼を働いているが、どう責任を取る気だ?」
「そっ、そんな、無礼だなんて……私達はリラ嬢に紹介を……」
「された覚えはないし、私の婚約者であるリラ嬢の名を、軽々しく呼ぶ事自体許した覚えは無い。喩え女性であっても、初対面で名乗らず確認もせずに、家名ではなく相手の名前で呼ぶなんて、失礼だと思わないのか?それも未来の公爵夫人にだ。リラ嬢、彼等は伯爵子息、令嬢と言ったね?」
「はい。ダンカン伯爵の子息ですわ。子息の名はジャック=ダンカン、姉の令嬢は初対面ですが、確か、レイリー=ダンカンと貴族名鑑には載っています」
「そう、有難う。女性は名前だけなのによく覚えていたね」
「これぐらい、大した事ではございませんわ」
[訳=これぐらい、ただ暗記をしたに過ぎません]
「謙虚なリラ嬢も、私は好きだよ」
「ひっ、人前でのお戯れは止めて頂きたいですわ!」
[訳=ひっ、人前ですわよ?!エドワルド様!お戯れは止めて下さい!]
リラの頬がほんのり染まるが、化粧で周りには気付かれずに済んだ。
(ああ、可愛いな。しかし、謙虚と言ったが、普通は貴族名鑑なんて、覚えたくても覚え切れない物なのだけれどな。本当にあれを全て覚えているのなら、他の貴族にとってリラ嬢は価値の高い令嬢だ。私の婚約者で無ければ、喉から手が出る程に欲しがる筈だ。これは、益々目が離せない)
周りはイチャイチャし出した二人を見て、信じられない物と遭遇した気分だ。
(((あの、難攻不落の公爵が……女嫌いな公爵が、女とイチャ付いているーーーっ?!!しかも、相手はあの氷結の毒華だぞ!!)))
リラは無表情で通しているが、エドワルドはリラに、甘ったるい、蕩けるような笑顔と声を向けている。
リラが他人に毒を吐いた後でも変わらずにだ。
(((公爵はMなのか?!!)))
「それで、どう責任を取る?お前達は高が伯爵家の分際で、公爵の婚約者を名前呼びし、婚約者以外の女を紹介しようとし、公爵の許しを得ずに話し掛け、自ら名乗る事すらせずに話し続け、公爵の婚約者に横恋慕しようとした挙げ句に侮辱し、更には最低限でも覚えるべき上位貴族を蔑ろにした。女だから良いと、未成年だから良いと許せる範囲では無い事にお前達は気付いているのか?お前達が答えられ無いので有れば、ダンカン伯爵、貴方が答えよ」
騒ぎを聞き付け、大慌てで近付いて来ていた男にエドワルドは問い掛けた。
リラが言おうとした言葉を、エドワルドが低い声で先に言う。
そのあまりに低い声と険しい顔に、姉弟はビクッと震え上がる。
「くっ、クルルフォーン様?」
「お前達姉弟は今、この場にいる上位貴族の全員を敵に回したぞ。あれは貴族なら誰でも持っているべき物で有り、完璧とまではいかなくとも、責めて上位貴族の顔と名を覚える為の物だ。上位貴族だと知らずに、どうやって礼儀を弁える?お前達は先程から私達に、随分無礼を働いているが、どう責任を取る気だ?」
「そっ、そんな、無礼だなんて……私達はリラ嬢に紹介を……」
「された覚えはないし、私の婚約者であるリラ嬢の名を、軽々しく呼ぶ事自体許した覚えは無い。喩え女性であっても、初対面で名乗らず確認もせずに、家名ではなく相手の名前で呼ぶなんて、失礼だと思わないのか?それも未来の公爵夫人にだ。リラ嬢、彼等は伯爵子息、令嬢と言ったね?」
「はい。ダンカン伯爵の子息ですわ。子息の名はジャック=ダンカン、姉の令嬢は初対面ですが、確か、レイリー=ダンカンと貴族名鑑には載っています」
「そう、有難う。女性は名前だけなのによく覚えていたね」
「これぐらい、大した事ではございませんわ」
[訳=これぐらい、ただ暗記をしたに過ぎません]
「謙虚なリラ嬢も、私は好きだよ」
「ひっ、人前でのお戯れは止めて頂きたいですわ!」
[訳=ひっ、人前ですわよ?!エドワルド様!お戯れは止めて下さい!]
リラの頬がほんのり染まるが、化粧で周りには気付かれずに済んだ。
(ああ、可愛いな。しかし、謙虚と言ったが、普通は貴族名鑑なんて、覚えたくても覚え切れない物なのだけれどな。本当にあれを全て覚えているのなら、他の貴族にとってリラ嬢は価値の高い令嬢だ。私の婚約者で無ければ、喉から手が出る程に欲しがる筈だ。これは、益々目が離せない)
周りはイチャイチャし出した二人を見て、信じられない物と遭遇した気分だ。
(((あの、難攻不落の公爵が……女嫌いな公爵が、女とイチャ付いているーーーっ?!!しかも、相手はあの氷結の毒華だぞ!!)))
リラは無表情で通しているが、エドワルドはリラに、甘ったるい、蕩けるような笑顔と声を向けている。
リラが他人に毒を吐いた後でも変わらずにだ。
(((公爵はMなのか?!!)))
「それで、どう責任を取る?お前達は高が伯爵家の分際で、公爵の婚約者を名前呼びし、婚約者以外の女を紹介しようとし、公爵の許しを得ずに話し掛け、自ら名乗る事すらせずに話し続け、公爵の婚約者に横恋慕しようとした挙げ句に侮辱し、更には最低限でも覚えるべき上位貴族を蔑ろにした。女だから良いと、未成年だから良いと許せる範囲では無い事にお前達は気付いているのか?お前達が答えられ無いので有れば、ダンカン伯爵、貴方が答えよ」
騒ぎを聞き付け、大慌てで近付いて来ていた男にエドワルドは問い掛けた。
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