氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
283 / 806
本編

230

しおりを挟む
 エドワルド達がエヴァンス邸に到着すると、リラが出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ、お父様、ジーン兄様。それと、いらっしゃいませ、エドワルド様、ローズウッド公爵様」

「「ただいま」」

「突然の訪問であるのに、お出迎え有難う御座います。ですが、令嬢は今の時期、とてもお忙しいのでは有りませんか?」

「わたくしよりも、皆様の方がお忙しいと思われますわ。ですから、お気になさらないで下さいませ。エドワルド様も、どうぞこちらに。サロンに案内させて頂きますわ」

「ああ、有難う。お邪魔します。……バルト殿は双子に会いに来られたけれど、私はリラが目当てだから、傍にいるんだよ?」


 リラが席を外す事の無いように、エドワルドは先に言って置く。でないと、リラが気を使って一人、部屋に戻りそうだからだ。

 リラの部屋に、二人で行くのは一向に構わないが、自身が置いて行かれるのは、リラが目当てのエドワルドにとって、本末転倒に他ならない。

 エドワルドの言葉に、リラは首を傾げながらも頷く。


「はい。レベッカ、双子達をサロンへと呼んで来て頂戴」

「分かりました。少々お待ち下さい」


 レベッカに双子達の所へ向かわせて、皆でサロンに向かう。

 ソファーに座る事を勧めていると、廊下から声が聴こえてくる。


「こら、走んな双子!」

「「だって、お客様、初めて~!」」


 そんな声が聴こえたかと思うと、直ぐに二人が姿を現した。


「「ルナとルネの、お客様~!!」」

「二人共、ご挨拶はちゃんとしなさい」


 リラに言われて二人はピシッと姿勢を正す。


「すみません、ローズウッド公爵様。まだ二人は、貴族相手の礼儀も、マナーも出来ていない状態なので、不快な思いをさせてしまうかも知れませんが、それを了承して頂けますでしょうか?」

「ええ。私はアイザーク族の二人に会いに来ただけで、貴族に対する礼儀やマナーと言った物に重点を置いていませんから、問題有りませんよ」


 そんなリラとバルトの言葉を聞いて、いつも以上に喜ぶ双子達。


「公爵様、会う、嬉しい!」

「父様、話す、じいじ!」

「……んん?じいじ?」

「「じいじ、公爵様、戦った!一緒!」」


 バルトが大きく目を見開き、アイザーク語で問い掛ける。


『もしかして、七十年程前のアウラ地方で一緒に戦った事のある、アイザークの者の子孫に当たる子達なのかい?』


 バルトがアイザーク語で問い掛けて来たので、二人は目を輝かせ、答える。


『『そうなの!お祖父ちゃんがローズウッド公爵様とアウラ地方の戦争で、一緒に戦ってた事があるってお父さんが言ってたの!だから、いつか会えたら良いねって二人で言ってたの!!』』


 双子達は嬉しそうに返答した。
しおりを挟む
感想 2,443

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...