34 / 805
SS置き場
累計5000000ポイント突破記念♪ ~執事のプライド~
しおりを挟む
サイナスは、ランドールと一対一で向かい合う。ランドールが、あまりにも顔や態度に出し過ぎるからだ。
「ねぇ、君さ、執事嘗めてる?執事ってのは、その家の顔だよ?何でそんなに顔や態度に出す訳?君が他人をどう思おうと勝手だけど、公爵家の執事が、それをあからさまに顔や態度に出すって事は、それだけ相手に漬け込まれる隙を与える事になるんだけど、そこん所、どう思ってるのさ」
「そんな事にはなりませんよ。主人は王弟公爵なんですから」
「えっ?まさかの主人に全部丸投げ?嘗めてるだろお前……。じゃあ、客として来た貴族が男色で、それを知ったお前はどうする気?相手に嫌な顔や態度を見せ付けて、逃げる気なの?執事の仕事も放棄して?」
「そっ、そんな相手をエドワルド様が迎える訳が無い!」
「……偏見を持つななんて言う気は無いし、男に言い寄られるのは僕も嫌いだけど、主人の客を選べる、なんて思うなよ?相手が他国の要人でも、同じ態度をする気でいるのか?主人不在の場合はどうする気だ。相手が嗜虐嗜好の持ち主なら、確実に不利にさせられるし、怪我なんてさせたらクルルフォーン家の恥だぞ。それに、相手が何だろうと気を抜くな。貴族じゃないから大丈夫?そんな物で周囲の評判落としてどうする。公爵だから使用人達すら不遜だなんて思われて、クルルフォーン家の名に泥を塗る気か?他国の偉い貴族がお忍びで平民に成り済ましてた場合、上位の家の対応で、国の質を見る事も有るんだ。当然執事の質が悪ければ、その家の評価に繋がる。僕やジェフ、エヴァンス家から見た、ここの評価を教えてやろうか?エドワルド様には高評価を付けられるが、使用人達は未熟過ぎ。執事は上で無く他と同等。全て主人任せ。それって、幾ら主人が良くても、使用人の格と品位で家格は下がり、公爵なのに、侯爵以下だと陰口叩かれてるのと一緒だぞ」
「?!!」
サイナスの言葉にランドールは驚き、反論しようとするも、そんなランドールに冷たい視線でサイナスが先に口を開く。
「何を驚いてる、当然だろ。そもそも執事って言うのは、使用人の上位に立つ者であり、国に言い直すと宰相や大臣のような存在で、使用人達は兵士だぞ。そんな宰相や大臣が、命令を待つ兵士と同じ立場にいてどうする?王が有能だからって、全てを王に任せ続けていたら、王が倒れたり病で寝込まれたりした場合、国を護り続けられなくなるだろうが。不安な顔を晒して、他国がこれ幸いと攻めて来たら、お前は一体どうする気だ?そんな時ですら王頼りか?最悪な家臣だな。僕ならそんな宰相や大臣は要らない。足を引っ張られるだけだ。もっと賢い宰相や大臣を探すね」
エヴァンス家では、貴族は領地にしろ家にしろ、国や城内の縮小版だと教えられ、他家は他国と見なせと教えられる。
だからこそ、特に執事は、どんな相手だろうと、顔や態度には絶対に出すな、仕事中は相手に気取られるようなヘマを冒すなと教えられる。
嫌いだろうが、嫌悪する相手だろうが、関係無い。それを出すと言う事は、相手に出し抜く隙を与える事と同じだからだ。
家を預かるとは、王城を預かる事。国を任されている事と同じだからこそ、他国と幾ら同盟を組んでいようが、いつそれを反故にされるか解らない。貴族は直ぐに掌を返す事が多いからだ。
執事とは、単なる使用人では無く、主人を支える存在。当然主人を諌める事も有れば、主人に自分の意見を述べる事も有る。それが出来てこそ一流の執事だとエヴァンス家では言われているのだ。
だからこそサイナスは、指示に従うだけで意見も述べず、顔や態度に思いを出しまくるランドールが執事だと名乗っていた事が、一流の執事として許せなかった。
(こいつに“執事の心得”と言う物を、一から学ばせる必要が有るよね?ドレスを着せて化粧をさせ、女性の苦痛時間を体験させるべきかな?侍女達の協力による茶会の再現や、嫌な男に言い寄られる体験もさせないとだよね?僕だって通って来た道なんだから、嫌だなんて言わせないよ……)
サイナスはドス黒い笑みを浮かべて、自分の通った道の体験版をさせる事にした。
*****
※いつも有難う御座います!!
今回は月影さんによるリクの、ランドールが主役の再教育ですが、サイナスにお株を奪われてしまいました?(笑)
サイナスからすれば、ランドールが主役だなんて烏滸がましい!って事かな?
こんな事になってしまいましたが如何でしょうか?
月影さん、リク有難う御座いました~♪
皆様が少しでも楽しんで頂けたら幸いです!
「ねぇ、君さ、執事嘗めてる?執事ってのは、その家の顔だよ?何でそんなに顔や態度に出す訳?君が他人をどう思おうと勝手だけど、公爵家の執事が、それをあからさまに顔や態度に出すって事は、それだけ相手に漬け込まれる隙を与える事になるんだけど、そこん所、どう思ってるのさ」
「そんな事にはなりませんよ。主人は王弟公爵なんですから」
「えっ?まさかの主人に全部丸投げ?嘗めてるだろお前……。じゃあ、客として来た貴族が男色で、それを知ったお前はどうする気?相手に嫌な顔や態度を見せ付けて、逃げる気なの?執事の仕事も放棄して?」
「そっ、そんな相手をエドワルド様が迎える訳が無い!」
「……偏見を持つななんて言う気は無いし、男に言い寄られるのは僕も嫌いだけど、主人の客を選べる、なんて思うなよ?相手が他国の要人でも、同じ態度をする気でいるのか?主人不在の場合はどうする気だ。相手が嗜虐嗜好の持ち主なら、確実に不利にさせられるし、怪我なんてさせたらクルルフォーン家の恥だぞ。それに、相手が何だろうと気を抜くな。貴族じゃないから大丈夫?そんな物で周囲の評判落としてどうする。公爵だから使用人達すら不遜だなんて思われて、クルルフォーン家の名に泥を塗る気か?他国の偉い貴族がお忍びで平民に成り済ましてた場合、上位の家の対応で、国の質を見る事も有るんだ。当然執事の質が悪ければ、その家の評価に繋がる。僕やジェフ、エヴァンス家から見た、ここの評価を教えてやろうか?エドワルド様には高評価を付けられるが、使用人達は未熟過ぎ。執事は上で無く他と同等。全て主人任せ。それって、幾ら主人が良くても、使用人の格と品位で家格は下がり、公爵なのに、侯爵以下だと陰口叩かれてるのと一緒だぞ」
「?!!」
サイナスの言葉にランドールは驚き、反論しようとするも、そんなランドールに冷たい視線でサイナスが先に口を開く。
「何を驚いてる、当然だろ。そもそも執事って言うのは、使用人の上位に立つ者であり、国に言い直すと宰相や大臣のような存在で、使用人達は兵士だぞ。そんな宰相や大臣が、命令を待つ兵士と同じ立場にいてどうする?王が有能だからって、全てを王に任せ続けていたら、王が倒れたり病で寝込まれたりした場合、国を護り続けられなくなるだろうが。不安な顔を晒して、他国がこれ幸いと攻めて来たら、お前は一体どうする気だ?そんな時ですら王頼りか?最悪な家臣だな。僕ならそんな宰相や大臣は要らない。足を引っ張られるだけだ。もっと賢い宰相や大臣を探すね」
エヴァンス家では、貴族は領地にしろ家にしろ、国や城内の縮小版だと教えられ、他家は他国と見なせと教えられる。
だからこそ、特に執事は、どんな相手だろうと、顔や態度には絶対に出すな、仕事中は相手に気取られるようなヘマを冒すなと教えられる。
嫌いだろうが、嫌悪する相手だろうが、関係無い。それを出すと言う事は、相手に出し抜く隙を与える事と同じだからだ。
家を預かるとは、王城を預かる事。国を任されている事と同じだからこそ、他国と幾ら同盟を組んでいようが、いつそれを反故にされるか解らない。貴族は直ぐに掌を返す事が多いからだ。
執事とは、単なる使用人では無く、主人を支える存在。当然主人を諌める事も有れば、主人に自分の意見を述べる事も有る。それが出来てこそ一流の執事だとエヴァンス家では言われているのだ。
だからこそサイナスは、指示に従うだけで意見も述べず、顔や態度に思いを出しまくるランドールが執事だと名乗っていた事が、一流の執事として許せなかった。
(こいつに“執事の心得”と言う物を、一から学ばせる必要が有るよね?ドレスを着せて化粧をさせ、女性の苦痛時間を体験させるべきかな?侍女達の協力による茶会の再現や、嫌な男に言い寄られる体験もさせないとだよね?僕だって通って来た道なんだから、嫌だなんて言わせないよ……)
サイナスはドス黒い笑みを浮かべて、自分の通った道の体験版をさせる事にした。
*****
※いつも有難う御座います!!
今回は月影さんによるリクの、ランドールが主役の再教育ですが、サイナスにお株を奪われてしまいました?(笑)
サイナスからすれば、ランドールが主役だなんて烏滸がましい!って事かな?
こんな事になってしまいましたが如何でしょうか?
月影さん、リク有難う御座いました~♪
皆様が少しでも楽しんで頂けたら幸いです!
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる