385 / 805
本編
333
しおりを挟む
「問題無いよ。リラは、幸せそうに笑っていて。この結婚は公務でも有るけれど、私達の大事な結婚式だ。私はリラが幸せだと思ってくれている方が嬉しいし、リラの笑顔が好きだから、私の傍でだけなら素顔を晒して。本音を言えば独り占めしたいから、私の前だけにして欲しいけれど、私も今日は、幸せ過ぎて、リラが私の物になるのだと見せびらかしたいのと、早く自分だけの物にしたくて、連れ帰りたいのとで一杯一杯だ。こんなに綺麗で可愛いリラが、私だけの物に出来るなんて夢みたいだ。とても綺麗で可愛いよ、リラ。愛している」
「わっ、わたくしも、エドワルド様と結婚出来るなんて夢のようです!そのっ……不束者ですが、末長く……かかっ、可愛がって下さいね?」
顔を真っ赤に染め、もじもじと言い出すウエディングドレス姿のリラが、とんでもない破壊力を産み出しているのだが、当の本人はそれに気付いていない。
(今直ぐっ!!今直ぐに連れ帰りたいっっ!!!いや、駄目だ!!リラのこんな姿を晒して式を挙げずに連れ帰れば、まだ、正式な妻じゃないからと、望みの無い馬鹿共が、手を伸ばそうとするに決まっている!!心身共に私だけの物にして、それでも手を伸ばそうとする、愚かな者達を排除していかなければ!!!)
エドワルドはリラの前で跪き、リラの手を取りサテンの手袋の上から口付ける。
(キャ~ッ?!だだだっ、駄目ですよエドワルド様?!?結婚する女の前に跪くだなんて!!)
「一生涯、リラだけを愛すると誓うよ。私はリラしか要らない。私のリラに手を伸ばそうとする輩は全て、私がこの手で地獄に叩き落とす。だから、私の傍から離れずに、一生私の愛を受け続けていて欲しい。リラ=エヴァンス侯爵令嬢、どうか私、エドワルド=クルルフォーンの妻となり、リラ=クルルフォーンとして共に傍に居て下さい」
もう式を挙げると言う状況だと言うのに、エドワルドは周囲に見せ付ける為と、とある情報により、人前でのプロポーズをリラに決行する。
まるで、物語のワンシーンのようなその光景は、リラがまだ、どこぞの馬鹿子息に虐められる前の、小さな子供の小さな夢を思い出させる。
『リラ、この絵本のように、自分だけの王子さまが皆の前で、リラにプロポーズしてくれたらいいなぁ♥』
もしかしたらあの夢を、サイナスから聴いたのかも知れない。
リラは胸が、ギュウ~ッ締め付けられるような感覚と、エドワルドが好き過ぎて、堪らない感情が、リラの胸の奥から湧き上がってくる。
「もっ、勿論ですわ!わたくしも、エドワルド様しか欲しくは有りません!!だって……、わたくしのような、人との関わりが苦手だった行き遅れの小娘を、エドワルド様は求め、欲しがって下さったのですからっ!わたくしの細やかな夢を、叶えて下さろうとしたのはエドワルド様だけですっ!!愛していますわ、エドワルド様!わたくし、一生エドワルド様のお傍に居ます!!!」
ウルウルと、瞳に涙を湛えるリラは、その姿も相成って、途轍も無い破壊力を齎した。
「わっ、わたくしも、エドワルド様と結婚出来るなんて夢のようです!そのっ……不束者ですが、末長く……かかっ、可愛がって下さいね?」
顔を真っ赤に染め、もじもじと言い出すウエディングドレス姿のリラが、とんでもない破壊力を産み出しているのだが、当の本人はそれに気付いていない。
(今直ぐっ!!今直ぐに連れ帰りたいっっ!!!いや、駄目だ!!リラのこんな姿を晒して式を挙げずに連れ帰れば、まだ、正式な妻じゃないからと、望みの無い馬鹿共が、手を伸ばそうとするに決まっている!!心身共に私だけの物にして、それでも手を伸ばそうとする、愚かな者達を排除していかなければ!!!)
エドワルドはリラの前で跪き、リラの手を取りサテンの手袋の上から口付ける。
(キャ~ッ?!だだだっ、駄目ですよエドワルド様?!?結婚する女の前に跪くだなんて!!)
「一生涯、リラだけを愛すると誓うよ。私はリラしか要らない。私のリラに手を伸ばそうとする輩は全て、私がこの手で地獄に叩き落とす。だから、私の傍から離れずに、一生私の愛を受け続けていて欲しい。リラ=エヴァンス侯爵令嬢、どうか私、エドワルド=クルルフォーンの妻となり、リラ=クルルフォーンとして共に傍に居て下さい」
もう式を挙げると言う状況だと言うのに、エドワルドは周囲に見せ付ける為と、とある情報により、人前でのプロポーズをリラに決行する。
まるで、物語のワンシーンのようなその光景は、リラがまだ、どこぞの馬鹿子息に虐められる前の、小さな子供の小さな夢を思い出させる。
『リラ、この絵本のように、自分だけの王子さまが皆の前で、リラにプロポーズしてくれたらいいなぁ♥』
もしかしたらあの夢を、サイナスから聴いたのかも知れない。
リラは胸が、ギュウ~ッ締め付けられるような感覚と、エドワルドが好き過ぎて、堪らない感情が、リラの胸の奥から湧き上がってくる。
「もっ、勿論ですわ!わたくしも、エドワルド様しか欲しくは有りません!!だって……、わたくしのような、人との関わりが苦手だった行き遅れの小娘を、エドワルド様は求め、欲しがって下さったのですからっ!わたくしの細やかな夢を、叶えて下さろうとしたのはエドワルド様だけですっ!!愛していますわ、エドワルド様!わたくし、一生エドワルド様のお傍に居ます!!!」
ウルウルと、瞳に涙を湛えるリラは、その姿も相成って、途轍も無い破壊力を齎した。
54
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる