氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 そしてその後、その日の内に、サイナスはモーラと結婚前提に付き合う事をエヴァンス家に報告し、休みをモーラと一緒に取り、夜勤の無い日は本宅に有る、防音の施されてるサイナスの部屋へとお泊まりする事を、モーラはサイナスに約束させられた。

 ただ、モーラの侍女としての腕が良すぎて、数年後、王宮に潜入する事が決まっていたのは誤算だったが、モーラが頑張って来た証だからと、心配では有るものの、サイナスも応援した。

 とは言えその後サイナスも、王都のクルルフォーン公爵家の勤務になるとは、思ってもいなかった事だが。

 お陰でモーラとはちょくちょく会える事になり、休日はデートに誘って互いの気持ちを確かめ合う事が出来るし、エドワルドは主従としての相性は良いし、遣り甲斐が有る。

 問題が有るとすれば、あのランドールぐらいだが、最初の頃から比べると、随分マシになって来たから、良いとする。

 勿論、クルルフォーン公爵家の筆頭執事の場は譲る気も無いし、今の所、休みを任せる気も無いが、職種の勘違いをしていた頃と比べれば、天と地程の差が有る事は言うまでも無い。


「モーラ。随分長く待たせてしまったけど、僕と結婚して、僕との子供を産んで下さい」


 リラが子供を出産した後、丁度訪ねて来ているアナスタシアのいる場所で、サイナスはモーラの前に跪き、モーラの手に口付けて、想いのままプロポーズをする。


「……勿論です!サイナス、愛してます!!」


 モーラは人目を気にせずサイナスに抱き付き、サイナスは泣き出したモーラの背中を優しく撫で続けた。

 その姿を見ていたアナスタシア付きの他の侍女達は羨ましがり、アナスタシアはモーラを手放す事を惜しいと思いながらも祝福の言葉を述べる。

 サイナスは、エドワルドにも報告はしているし、モーラはサイナスもいる事だし、侍女の腕は良いからと、クルルフォーン家の侍女に引き抜く事が決まっていた。

 モーラの代わりには、優秀な他のエヴァンス家の侍女が行く事になってるし、結婚後もサイナスと共に働ける事に、モーラは大満足だ。

 サイナスも、ダンと同じく結婚式をエヴァンス領で挙げようと話してはいたが、クレアにウエディングドレスを頼むのは、さすがに酷だろうと思っていると、クレア自身が自ら名乗り出て、モーラを採寸した。


「ウエディングドレスの既製品だなんて許せません!シルビアさんとモーラさんのドレスは任せて下さい!二人の図案はもう決まってるんです。リラ様達が、お子とエヴァンス領に行くまでに、二人のドレスを仕上げて見せますとも!!ダンさんとサイナスさんは、図案だけを持って、自分の晴れ着を確り頼んで来といて下さいね!さすがに時間的に男性の物まで作れませんが、各々のウエディングドレスに合う図案は出来てます!それを持って、採寸製作の依頼を頼んで来て下さい!受け取りは早目を設定して下さい。最終確認はこの目でしたいですから!」


 そこまで言われて、断る事等出来ずに、クレアに任せる事にした。
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