氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
552 / 806
後日談

17

しおりを挟む
(当然そうなるよね。今まで散々貶し蔑んで来た連中に、微笑んでやる義理は無いし、僕達は仲間意識を持って接してるから、ダンの情報も流してあげてるし、仲良くしてるけど、蔑むだけの街の男達なんか、用は無いし、使い物にもならないからね。物……ゴミ以下かな?ゴミは再利用出来る物も有るからね)

 サイナスはそんな事を思いながらも、モーラをエスコートして教会に向かう。

 エヴァンス家の者達からすれば当然で有り、仲間意識や家族意識の高い者からすれば、もう少し追い討ちを掛けようかと言ってるぐらいだ。

 因みに、エヴァンス姓の者達は、何もせず、何も言わずに黙認している。

 双方守るべき領民だが、何の落ち度も無いシルビアに喧嘩を吹っ掛けて来たのは向こうだからだ。

 エヴァンス姓の者達が介入すれば、ややこしくなるから何もしないが、これが領民では無く貴族なら、徹底的にやれと言ってるだろう。

 教会内で待ってると、ダンとシルビアが入場し、式が始まる。

 五日前はあそこで自分が式を挙げていたと思うと、モーラのドレス姿が思い浮かび、顔がニヤけそうになるが、何とか堪えてモーラの手を握る。

 そうして教会での式が終わると、ダンはシルビアを抱き上げ、そのまま、街の広場へと向かうようだ。


「だっ……ダン?!私は歩きますよ?!重いですから!部屋の中とかなら未だしも、距離が有りますから!!そんな可愛いコンパクトな女性とは違うんですから、疲れますよ?!」

「嘗めんな、シルビー。この程度の距離で、俺がへばるとでも本気で思ってんのか?今日の主役はお前なんだ、存分に甘えろ。余計な事は考えず、お前の夫は俺なんだと見せ付け自慢してろ。俺もシルビーを自慢したいんだからなぁ。俺ぁシルビーなら、ずっと抱えていたいし、こっからエヴァンス家の自室まで抱えて帰れって言われても、喜んで実行してやらぁ」


 歩きながら、そんな事を言うダンに、シルビアは何も言い返せなくなったようだ。

 そのまま教会を後にするダン達の後ろを歩き、ダンは祭壇の上、式の参加者達は決められた席に付くと、ダンはサイナスと同じように情熱的なキスで、周囲に存分見せ付ける。

 そのままシルビアを抱き上げて、式の参加者達の所に来ると、参加者達に祝いの酒を注いで、祝いの言葉を返されている。

 姉と見間違う程の若作りのミーシャは、ニコニコと、とても嬉しそうにダン達を見ている。

 ミーシャはこの後、祝福の舞いを舞う。

 数々の舞いを披露し、その場に居る者達の心を鷲掴み、そしてダンを、その踊り場へと引き込み、剣舞の相手役をさせる。

 剣舞には、一人舞いと二人舞いが存在し、男女で舞う二人舞いも有る。

 一人舞いも二人舞いも、ダンは子供の頃からミーシャに叩き込まれているのだ。


「シルビーちゃんに、良い所を見せてあげなさいな!」


 それまで、エヴァンス家の楽器が趣味の使用人達が音楽を鳴らしていたが、ここで父親のマルクスがリュートを鳴らし、剣舞に相応しい曲を奏でる。

 ダンは渋々と言った具合で舞い用の剣を構えていたが、音楽が流れると一転、研ぎ澄まされた剣舞を舞い、ミーシャと対の舞いや、男女別の舞いを披露し、シルビアはキラキラとした瞳でウットリと見惚れ、双子達やリラ、エヴァンス家の関係者全てが、その舞いに魅せられた。

 当然それは、街の者達も同じらしく、皆が皆、食事の手を止め、中には持っていた物を落とすぐらいに魅入っていた程だ。

 ダンとミーシャの舞いが終わり、そのままお辞儀をすると、場は騒然となり、拍手喝采が飛び交った。
しおりを挟む
感想 2,443

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在 唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話 中山加恋(20歳) 二十歳でトオルの妻になる 何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛 中山トオル(32歳) 17歳の加恋に一目ぼれ 加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する 加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる 会社では群を抜くほどの超エリートが、 愛してやまない加恋ちゃんに 振り回されたり落ち込まされたり… そんなイケメンエリートの ちょっと切なくて笑えるお話

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...