氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

後日談

3

　リラが少し休んでから、部屋を出て、子供達や皆の顔が見たいと言えば、エドワルドがリラを抱き上げ、皆が集まっているサロンへと向かうと、賑やかな声が廊下まで聴こえてくる。


「私にも抱かせてくれ!!リラちゃんそっくりの孫～！！！」

「マーウ、煩いです。あまり騒がしいと、私達が居る時でも、完全に出禁にして貰いますよ？」

「駄目だ駄目だ駄目だ！出禁は無しだぞ?!出禁は！今日だって、ここで待機してたんだ。約束はちゃんと守って居るぞ！」


　マーウィンは出禁にされては堪らないとばかりに音量を落とし、反論する。


「マーウ？リラの時のように構い過ぎると、必然的に出禁になるから、気を付けなよ？」

「うっ?!おっ、おう。構いたいが、構い過ぎないように気を付ける……。だからジー君、私にもその子を……」

「嫌です。リラ似の姪までトラブルに巻き込ませたく無いですから。皆、この人にあまり近付いては駄目だよ？」


　ジーンの言葉に、リカルドやクロードを始め、素直に返事をする子供達。


「｢｢はぁい！｣｣」

「ぬなっ?!」


　既にジーンは子供達の信頼を得ている。クルルフォーン邸によく出入りしている為だ。

　よく出入りして、子供達を可愛がってくれるジーンと、出禁にされ、ジルギリスが居なければクルルフォーン邸に入って来れないマーウィンとのどちらの言葉に重きを置くかと言われれば、知れた事だろう。


「リラ様似の女の子、可愛いです♪我が義弟ながら、エドワルド様は幸せ者ですわ！こんなに可愛い奥方と子供達が居るのですから♪」

「ああ、そうだな。私も子供が欲しくなる程だ。レオンと年は離れるが、後、一人か二人は作ろうか？アナ」

「ウフフッ、それも良いですわね♪アレク様」

「｢増える？子供！産まれたら、抱く～!!｣」


　双子の嬉しそうな声まで聴こえてくる。


「えらく賑やかで楽しそうですね。私達も混ぜて頂けませんか」

「｢｢リラ｣｣様！」

「リラちゃん、エドワルド！」

「父様と母様！もう良いのですか？」

「とーさま、かーさま～！」


　皆が入口を振り返り、二人に笑顔を向け寄ってくる。


「リラが皆の顔を見たいと言うから、連れてきた」

「いらっしゃいませ、シアお義姉様、アレクお義兄様、マーウお義父様。お構いも出来ずこんな格好で申し訳有りません」

「お疲れ様ですリラ様。押し掛けているのはわたくし達ですのよ、お気になさらないで♪」


　アナスタシアは、ニッコリと微笑んで、沢山居る子供達に囲まれご満悦だ。

　因みに、今回もレベッカは、リラよりも半月程早く女の子を産んでいたりする。


「今回もちゃんと、乳母役をゲット出来て、嬉しいです♪ヨルドさん大好きですわ♥」


　そんな事をレベッカはヨルドに言って、ヨルドを喜ばせていたのだった。