568 / 805
後日談
4
しおりを挟む
クルルフォーン邸に、エドワルドが居ない時には通すなと言われているレオンと、その婚約者で有るエリオールが訪ねて来た。
こちらは後、数ヶ月で結婚する事になっている。
「リラ様がご出産されたとお聞きして、どうしてもお祝いの言葉を言いたくて参りましたの。ここは、子供達の声で騒がしいですわね」
「ええ、わたくしの子供達だけでなく、家の使用人達の子供達も一緒に、子育てをさせていますので、どうしても騒がしくなってしまいますわ」
言葉だけを聴けば、子供達の声が煩いと捉えられそうだが、本人達の目は、キラキラとしており、子供達、可愛い!と言っているような物だ。
リラの横では、エドワルドがカレンを抱えて居る。
レオンとしては、出産の時に両親と共に来たがったのだが、エドワルドからも両親からも、出産の際は、寝間着のような物を身に纏っているだけなので、そんな姿を未婚の男が見て良い物では無いと言われたのだ。
父が良いのに、自分は駄目だなんて、納得がいかなかったが、エドワルドが兄上の場合は、伴侶で有る義姉上が同席するのだし、何よりリラに、邪な想いを抱かないからと言うのが大きいと言い、その上、もう直ぐ結婚すると言う時期に、花嫁以外の女性の、そういう姿を目にして良いと思っているのか?と言われてぐうの音も出なかった。
リラは、結婚してから益々美麗さに磨きが掛かり、リラを貶していたのだろう男達が、エドワルドに妬みと羨望の眼差しを向け、リラに声を掛ける事すら出来ずに項垂れている姿をよく見掛けていた。
レオンは、エリオールと言う可愛い婚約者が出来たが、それでも初恋で有るリラが微笑んでると、胸が苦しくなる時が有る。
後々の教育で思い知った、自身のやらかした事の無知さ加減と、罪の大きさで。
「末のお子様は、リラ様にそっくりなのですね。将来が楽しみです!」
「レオンの息子だろうと、娘はやらないし、レオンの娘も貰う気は無いから、そこは了承してくれ」
エドワルドは冷たく言い切る。
一応、婚約者のエリオールには、レオンが昔、リラに何を仕出かしたのかは、報告している。リラに恋心を抱いた事に関しては言わなかったが。
その時のエリオールのレオンに対する眼差しは、かなり冷たく、厳しかったが、知っていて補佐するのと、知らずに補佐するのとでは違うからだ。
「はい。わたくしもその方が良いかと。わたくしとしましては、リラ様のお子様達の誰かと婚約させて頂きたい所ですが、レオン様のなさった事を考えると、さすがにそれは、図々しい事ですから」
エリオールも賢い王女として育っていたので、レオンの伴侶として、これからもレオンを支えてくれる事だろう。
エリオールは、子供達と少し戯れ、レオンと共に帰っていった。
こちらは後、数ヶ月で結婚する事になっている。
「リラ様がご出産されたとお聞きして、どうしてもお祝いの言葉を言いたくて参りましたの。ここは、子供達の声で騒がしいですわね」
「ええ、わたくしの子供達だけでなく、家の使用人達の子供達も一緒に、子育てをさせていますので、どうしても騒がしくなってしまいますわ」
言葉だけを聴けば、子供達の声が煩いと捉えられそうだが、本人達の目は、キラキラとしており、子供達、可愛い!と言っているような物だ。
リラの横では、エドワルドがカレンを抱えて居る。
レオンとしては、出産の時に両親と共に来たがったのだが、エドワルドからも両親からも、出産の際は、寝間着のような物を身に纏っているだけなので、そんな姿を未婚の男が見て良い物では無いと言われたのだ。
父が良いのに、自分は駄目だなんて、納得がいかなかったが、エドワルドが兄上の場合は、伴侶で有る義姉上が同席するのだし、何よりリラに、邪な想いを抱かないからと言うのが大きいと言い、その上、もう直ぐ結婚すると言う時期に、花嫁以外の女性の、そういう姿を目にして良いと思っているのか?と言われてぐうの音も出なかった。
リラは、結婚してから益々美麗さに磨きが掛かり、リラを貶していたのだろう男達が、エドワルドに妬みと羨望の眼差しを向け、リラに声を掛ける事すら出来ずに項垂れている姿をよく見掛けていた。
レオンは、エリオールと言う可愛い婚約者が出来たが、それでも初恋で有るリラが微笑んでると、胸が苦しくなる時が有る。
後々の教育で思い知った、自身のやらかした事の無知さ加減と、罪の大きさで。
「末のお子様は、リラ様にそっくりなのですね。将来が楽しみです!」
「レオンの息子だろうと、娘はやらないし、レオンの娘も貰う気は無いから、そこは了承してくれ」
エドワルドは冷たく言い切る。
一応、婚約者のエリオールには、レオンが昔、リラに何を仕出かしたのかは、報告している。リラに恋心を抱いた事に関しては言わなかったが。
その時のエリオールのレオンに対する眼差しは、かなり冷たく、厳しかったが、知っていて補佐するのと、知らずに補佐するのとでは違うからだ。
「はい。わたくしもその方が良いかと。わたくしとしましては、リラ様のお子様達の誰かと婚約させて頂きたい所ですが、レオン様のなさった事を考えると、さすがにそれは、図々しい事ですから」
エリオールも賢い王女として育っていたので、レオンの伴侶として、これからもレオンを支えてくれる事だろう。
エリオールは、子供達と少し戯れ、レオンと共に帰っていった。
32
あなたにおすすめの小説
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる