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後日談
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「リラ様はコミュ障だと、ステラから以前にお聞きしましたが、本当にそうなのですか?わたくし、全然そうとは思えなかったのですが……」
クルルフォーン邸から帰宅する馬車の中で、アシュリーはジーンに問う。
リラと接していた際に、リラがコミュ障だとは、どうしても思えなかったからだ。
とは言え、そんな事をリラに直接聞く訳にもいかず、ジーンに聞いた次第だ。
「ああ、それはリラが、アシュリー嬢を家族扱いしたからですよ。リラは、王都の令嬢を好きになれなかったようですが、アシュリー嬢は気に入ったようですね。好き嫌いはハッキリしてるので、気に入らなければあれ程喋りませんから。それと、あれ程笑顔で対応するようになったのは、エドワルド殿のお陰ですね。社交界では無表情で、言葉を武器に、正論で威嚇しますから。その内アシュリー嬢を夜会でお披露目しますが、その時、リラの外用の顔が見れると思いますよ」
「じゃあ、わたくしも、リラ様に無表情で対応されてしまうのですか?」
腕を組んでいたジーンが、向かい合って座る、少し落ち込んだアシュリーの手を取り、ジーンは優しく手を握る。
「無表情が一番真面な顔だと思い込んでいるからね。でも、婚姻後はエドワルド殿が常に傍から離れないし、アシュリー嬢の事は気に入ったのだから、アシュリー嬢に対する対応と、他の貴族達との対応では、大いに違うと思うよ。ああ、それと、夜会等で、私がどうしても席を外さないといけない場合は、必ずリラの傍に居て欲しい。リラの横なら、貴女を傷付けようとする馬鹿な貴族連中は寄って来られないからね」
万が一来ようものなら、リラの口撃と、エドワルドが容赦の無い敵意を向けるだろう。
勿論、敵意だけで済む筈も無く、お先真っ暗な人生を歩む羽目になる筈だ。
ジーンはアシュリーと視線を合わせて微笑むものだから、アシュリーは少し気恥ずかしそうに頬をほんのり赤く染め上げ、握られた手を振り払う事も出来ず、ジーンはジーンでそんなアシュリーの姿を、屋敷に着くまでじっくりと愛でていた。
そして、アシュリーがリラの所を訪れて数日後、リラからアシュリー宛のお茶会の招待状が届き、アシュリーはその日を楽しみに、エヴァンス邸では昼は読書、ジーンが帰ってきてからはジーンの執務室で仕事の手伝いをさせて貰い、充実した日々を送りながら、お茶会の当日を向かえた。
アシュリーのドレスは既製品を、クレアが手直しし、リメイクした物で、急遽短い時間で作り直した物では有るものの、アシュリーにとてもよく似合っている。
アシュリーからすれば、元々動き易さを重視した、地味なドレスばかりを着ていた為、既製品とは思えない、身体にピッタリとフィットした、華やかで動き易いドレスに戸惑いつつも、嬉しくて仕方無い。
着飾る事が嫌いだった訳では無く、ドレスの殆どは、オーダーメイドになる事が多く、そうなるとかなりのお金が掛かるから、領地経営や財務を管理していた身とすれば、義妹が必要以上に買うドレスの出費が多いのに、自分も多く買おうと言う気は起きなかったのだ。
時間が無かった為、既製品で申し訳有りませんが、手は加えたので、暫くはこのような物で我慢して下さいねとクレアに言われたが、既製品だなんて思えない程、華やかで動き易く、着心地も最高で、アシュリーはとても喜び、クレアに満面の笑顔でお礼を言ったのだった。
クルルフォーン邸から帰宅する馬車の中で、アシュリーはジーンに問う。
リラと接していた際に、リラがコミュ障だとは、どうしても思えなかったからだ。
とは言え、そんな事をリラに直接聞く訳にもいかず、ジーンに聞いた次第だ。
「ああ、それはリラが、アシュリー嬢を家族扱いしたからですよ。リラは、王都の令嬢を好きになれなかったようですが、アシュリー嬢は気に入ったようですね。好き嫌いはハッキリしてるので、気に入らなければあれ程喋りませんから。それと、あれ程笑顔で対応するようになったのは、エドワルド殿のお陰ですね。社交界では無表情で、言葉を武器に、正論で威嚇しますから。その内アシュリー嬢を夜会でお披露目しますが、その時、リラの外用の顔が見れると思いますよ」
「じゃあ、わたくしも、リラ様に無表情で対応されてしまうのですか?」
腕を組んでいたジーンが、向かい合って座る、少し落ち込んだアシュリーの手を取り、ジーンは優しく手を握る。
「無表情が一番真面な顔だと思い込んでいるからね。でも、婚姻後はエドワルド殿が常に傍から離れないし、アシュリー嬢の事は気に入ったのだから、アシュリー嬢に対する対応と、他の貴族達との対応では、大いに違うと思うよ。ああ、それと、夜会等で、私がどうしても席を外さないといけない場合は、必ずリラの傍に居て欲しい。リラの横なら、貴女を傷付けようとする馬鹿な貴族連中は寄って来られないからね」
万が一来ようものなら、リラの口撃と、エドワルドが容赦の無い敵意を向けるだろう。
勿論、敵意だけで済む筈も無く、お先真っ暗な人生を歩む羽目になる筈だ。
ジーンはアシュリーと視線を合わせて微笑むものだから、アシュリーは少し気恥ずかしそうに頬をほんのり赤く染め上げ、握られた手を振り払う事も出来ず、ジーンはジーンでそんなアシュリーの姿を、屋敷に着くまでじっくりと愛でていた。
そして、アシュリーがリラの所を訪れて数日後、リラからアシュリー宛のお茶会の招待状が届き、アシュリーはその日を楽しみに、エヴァンス邸では昼は読書、ジーンが帰ってきてからはジーンの執務室で仕事の手伝いをさせて貰い、充実した日々を送りながら、お茶会の当日を向かえた。
アシュリーのドレスは既製品を、クレアが手直しし、リメイクした物で、急遽短い時間で作り直した物では有るものの、アシュリーにとてもよく似合っている。
アシュリーからすれば、元々動き易さを重視した、地味なドレスばかりを着ていた為、既製品とは思えない、身体にピッタリとフィットした、華やかで動き易いドレスに戸惑いつつも、嬉しくて仕方無い。
着飾る事が嫌いだった訳では無く、ドレスの殆どは、オーダーメイドになる事が多く、そうなるとかなりのお金が掛かるから、領地経営や財務を管理していた身とすれば、義妹が必要以上に買うドレスの出費が多いのに、自分も多く買おうと言う気は起きなかったのだ。
時間が無かった為、既製品で申し訳有りませんが、手は加えたので、暫くはこのような物で我慢して下さいねとクレアに言われたが、既製品だなんて思えない程、華やかで動き易く、着心地も最高で、アシュリーはとても喜び、クレアに満面の笑顔でお礼を言ったのだった。
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