氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 サリサ達は暫く王都に滞在し、エドワルドが在宅中の時間帯限定でクルルフォーン邸に通える事になった。

 因みにクルルフォーン邸に居る時は、ダンやマッド、他の腕の良い使用人達と共に、手合わせをして貰う時間も作って貰った。


「「やっぱダン兄スゲェ~!!」」

「口動かしてる暇あんなら、身体を動かせや」

「「うっす!」」


 そんな様子をサリサが気を取られていると、シルビアからの鋭い一撃が来る。


「っっ!!」

「手合わせ中に気を逸らすと、痛い目に合いますよ?」


 思い切り当て身を食らったサリサに、木剣を突き付けるシルビア。


「シルビアさん、メッチャ強い~!ってか、強過ぎませんか?!」

「そりゃあそうよぉ~。シーちゃんはエヴァンス家……ここの前の勤め先で有る公爵夫人の実家では、ダンちゃん含めた上位五名に入るんだから。まぁ、ダンちゃんは当然一番上になるけど、女性の中でならシーちゃんが一番上よぉ」

「嘗めんな。今じゃぁ三位内だ。言っとくが、俺のシルビーはマッドよりも上だぞ」

「ダンにも鍛えて貰ってるので、何とか、ですが」


 声だけを聴けば、照れたような声では有るのだが、シルビアに隙は一切無い。


「マッドちゃんよりも上ぇ~?!マッドちゃん、不甲斐ない~!」

「ちょっとぉっ?!あたしが弱いんじゃなくて、シーちゃんが強いんだからね!!あの家には規格外ばっかが揃ってるんだからぁ!」


 何事にも真剣に取り組み、得意分野を切磋琢磨している場所なのだから、規格外が多いのは当然と言えよう。


「おいサリー。強くなりたいんじゃねぇのかよ?そんなんじゃ、旅を続けてらんなくなるぞ。場所によっては強さが全てで命を粗末にしやがる国も有るんだからなぁ」

「解ってるよぉ!だからこうして頑張ってるのぉ~!!」

「その意気だ。次は双子達が相手だからな」

「?!休憩は?!」

「んなもん敵がくれると思ってんのか?実践なんざ数時間戦いっ放しっつう事も有るんだぞ。ちっとは基礎体力を上げろや」

「ダン兄、厳しい~!」

「その分生存率が高まるんだから我慢しろ。おら、お前等もだ!」

「はいぃ~っ!」


 クルルフォーン邸の庭では、ダンにしごかれるマッドの弟妹達の声が響くが、概ね平和な日常が流れていくのであった。
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