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後日談
9 (おまけ)
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「皆さんお世話になりました~!マッドちゃん、ライさんにルッグス君、また来るねぇ~!!」
「「ダン兄もお元気で!」」
サリサ達が帰郷する当日、クルルフォーン邸に立ち寄り挨拶するサリサ達。
「ミリア……ミリーにも宜しく言っといてねぇ~」
「はぁ~い!」
「鍛練サボんなよ~」
「「ウッス~!」」
騒がしいのが三人も居なくなり、前と変わらない日々が始まるのだが、以前よりも静かに感じてしまうのは仕方の無い事だろう。
そんな三人が約一年程掛けて故郷に帰り着くと、一人故郷に残っていたミリアが出迎えてくれた。
「お帰りなさい!マッドちゃんやダン兄さんには会って来れた?マッドちゃんの旦那様はどんな方だった?」
「ただいまミリー姉!マッドちゃん、すんごい場所で雇われてて吃驚したぁ!!後ね、ダン兄は噂通り?格好良かった!それと、ライさんは凄い美人さんだったよ~!」
「うわぁ~!会いたかったぁ!!」
ミリアの残念そうな声に、済まなそうにする夫のハイル。
「ごめんね……。行かせてあげたかったんだけど、さすがに奥さんと二年以上離れるのは我慢出来そうになかった……」
「義兄さんはミリー姉にゾッコンだもんねぇ♪」
「うん、まぁ、そうだね」
照れた様子で肯定するハイルに、ミリアは内心悶え喜びながら、笑顔で聞く。
「それでも、今度は一緒に行ってくれるんでしょう?」
「勿論だよ。今回は年月を掛け続けて、やっと纏まりそうだった商談が有ったから、仕方無く断念して貰ったけど、それも契約を取り付けられたし、ディーラン方面の方にも手を広げようと思ってるからね」
ハイルの商会は、かなり名の通る商会で、この国近辺では、知らぬ者は居ないだろうと言われる程の豪商だ。
しかもその代表者がこのハイルで、見た目こそ物腰の柔らかい頼りなさそうな雰囲気を持つ男だが、仕事に入ると別人かと思ってしまう程ガラリと雰囲気が変わり、油断のならない凄腕の商人に成り変わる。
初対面の殆どが、彼の見た目と若さでお飾り代表者だと勘違いし、自分の言い様にしようとして、逆にやり込められると言うオチまで有るのだ。
普段と仕事中、特に商談とでは物凄いギャップが有るのだが、大概の従業員はスイッチが入ってない時しか見ないので、スイッチが入った仕事中の彼を知るのは、極僅かな側近ぐらいだろう。
「初めて会うお義兄さんに悪く思われないように頑張るよ」
「マッドちゃんは大丈夫だよ~。寧ろ、公爵様やダン兄の方が怖かった?」
サリサの公爵様と言う言葉に、フランクとジョセフが顔を青く染め、無言で震える。
「えっ、何?二人共どうしたの?」
ミリアが問うと、サリサが答える。
「フラン兄もジョセ兄も、絶世の公爵夫人に見惚れて……って、公爵様も人外的超絶美貌だったけど、射殺されそうになったからね~。後から聞いたんだけど~、その公爵様は奥さんの為だったら、国の一つや二つ、平気で滅亡に追い込めるぐらいの実力と行動力を伴ってて~、溺愛する奥さんにちょっかいを掛けようとする貴族を悉く坑山や牢獄送りにしてるんだって~。そんで、ダン兄にも夫人はおろか、ダン兄の奥さんや相手の居る使用人にちょっかい掛けたらその一物去勢するぞ~って脅されてた~」
ケラケラ笑いながら言うサリサに、ミリアはフランクとジョセフを冷めた目で見る。
「どうせマッドちゃんの手前、気を緩めて失態やらかしたんでしょ。フラン兄さんもジョセも馬鹿なんだから」
「あはは、確かに怖いね。でも……成る程。今度ミリーさんを商談材料だと言う馬鹿共は裏で去勢すると言うのも手だよね」
後半はコッソリと、誰にも聴かせないように呟くハイルだった。
「「ダン兄もお元気で!」」
サリサ達が帰郷する当日、クルルフォーン邸に立ち寄り挨拶するサリサ達。
「ミリア……ミリーにも宜しく言っといてねぇ~」
「はぁ~い!」
「鍛練サボんなよ~」
「「ウッス~!」」
騒がしいのが三人も居なくなり、前と変わらない日々が始まるのだが、以前よりも静かに感じてしまうのは仕方の無い事だろう。
そんな三人が約一年程掛けて故郷に帰り着くと、一人故郷に残っていたミリアが出迎えてくれた。
「お帰りなさい!マッドちゃんやダン兄さんには会って来れた?マッドちゃんの旦那様はどんな方だった?」
「ただいまミリー姉!マッドちゃん、すんごい場所で雇われてて吃驚したぁ!!後ね、ダン兄は噂通り?格好良かった!それと、ライさんは凄い美人さんだったよ~!」
「うわぁ~!会いたかったぁ!!」
ミリアの残念そうな声に、済まなそうにする夫のハイル。
「ごめんね……。行かせてあげたかったんだけど、さすがに奥さんと二年以上離れるのは我慢出来そうになかった……」
「義兄さんはミリー姉にゾッコンだもんねぇ♪」
「うん、まぁ、そうだね」
照れた様子で肯定するハイルに、ミリアは内心悶え喜びながら、笑顔で聞く。
「それでも、今度は一緒に行ってくれるんでしょう?」
「勿論だよ。今回は年月を掛け続けて、やっと纏まりそうだった商談が有ったから、仕方無く断念して貰ったけど、それも契約を取り付けられたし、ディーラン方面の方にも手を広げようと思ってるからね」
ハイルの商会は、かなり名の通る商会で、この国近辺では、知らぬ者は居ないだろうと言われる程の豪商だ。
しかもその代表者がこのハイルで、見た目こそ物腰の柔らかい頼りなさそうな雰囲気を持つ男だが、仕事に入ると別人かと思ってしまう程ガラリと雰囲気が変わり、油断のならない凄腕の商人に成り変わる。
初対面の殆どが、彼の見た目と若さでお飾り代表者だと勘違いし、自分の言い様にしようとして、逆にやり込められると言うオチまで有るのだ。
普段と仕事中、特に商談とでは物凄いギャップが有るのだが、大概の従業員はスイッチが入ってない時しか見ないので、スイッチが入った仕事中の彼を知るのは、極僅かな側近ぐらいだろう。
「初めて会うお義兄さんに悪く思われないように頑張るよ」
「マッドちゃんは大丈夫だよ~。寧ろ、公爵様やダン兄の方が怖かった?」
サリサの公爵様と言う言葉に、フランクとジョセフが顔を青く染め、無言で震える。
「えっ、何?二人共どうしたの?」
ミリアが問うと、サリサが答える。
「フラン兄もジョセ兄も、絶世の公爵夫人に見惚れて……って、公爵様も人外的超絶美貌だったけど、射殺されそうになったからね~。後から聞いたんだけど~、その公爵様は奥さんの為だったら、国の一つや二つ、平気で滅亡に追い込めるぐらいの実力と行動力を伴ってて~、溺愛する奥さんにちょっかいを掛けようとする貴族を悉く坑山や牢獄送りにしてるんだって~。そんで、ダン兄にも夫人はおろか、ダン兄の奥さんや相手の居る使用人にちょっかい掛けたらその一物去勢するぞ~って脅されてた~」
ケラケラ笑いながら言うサリサに、ミリアはフランクとジョセフを冷めた目で見る。
「どうせマッドちゃんの手前、気を緩めて失態やらかしたんでしょ。フラン兄さんもジョセも馬鹿なんだから」
「あはは、確かに怖いね。でも……成る程。今度ミリーさんを商談材料だと言う馬鹿共は裏で去勢すると言うのも手だよね」
後半はコッソリと、誰にも聴かせないように呟くハイルだった。
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