740 / 803
後日談
9
しおりを挟む
アシュリーはエルンとネイル夫妻の案内で、ジーンと共に邸内を見て回る。
ゴート家に元々有ったアンティーク調の家具は、父親が古めかしいだけだと言い、物置部屋へと入れられ、新しい物を買い入れていたが、ネイルは新しい物では無く、古いアンティーク調の家具を気に入ったらしく、それが使用されていた事に、アシュリーは喜んでいた。
新しい物と言えば聞こえは良いが、邸の雰囲気とは全くそぐわない、統一性に欠けた物だった。
元々邸に有ったアンティーク調の家具は、重厚感が有り華美では無いが、所々に凝った細工が施して有るのに対して、新しい家具は、派手な細工でパッと見は華美に見えるが、よくよく見れば細かな細工は雑だった物が殆どだ。
父親は、元々邸に有ったアンティーク調の家具は、古めかしいから売れないと思い込んでいたようだが、目の肥えた貴族が見れば、どちらが高い物かは直ぐに判るだろうし、見る人が見れば、大金を積んでも手に入れたいと思う物だろう。
勿論、侯爵家の出自で有るネイルは、物置部屋に入れられていた家具を見て、この家具の価値すら判らないなんて、馬鹿にも程が有るだろうと呆れてはいたが。
アシュリーの部屋は、アシュリーが家を出た後、サラが物置として散らかしていたが、今は子供部屋になっていた。
実は、ネイルとレイニーには、第一子が誕生していたのだ。
子供は男の子で、名をネイト。
外見はネイルに似たようだが、今はお昼寝中なので、スヤスヤと眠っている。
将来は物凄くモテる事になりそうだ。
「この子はどうやら私の特性を継いでいるようですよ。この子がレイニーのお腹に居た時に、私が手を加えなくても植物が枯れずに済んだので、植物の改良が出来たのかと思っていたのですが、この子がお腹に居る事が判明し、産まれた後は元の状態に戻っていましたから」
「余計な事は言わなくても良いです!ネイル様の意地悪!!」
レイニーはネイトを起こさないように、小声でネイルに抗議するも、ネイルはどこ吹く風と言った感じだろう。
「余計な事では無いよ。私はレイニーのその能力も含めて、心底愛しているのだから」
ネイルに真顔で言い返されて、二の句を告げられないレイニー。
この夫婦も相変わらずのようだ。
「レニー様、本は読まれましたか?」
「あっ、はいっ!とっても面白かったです!邸に着いて直ぐ、アーシュ様に教えて頂いた物を見付けてからは、何度も読み返してます!息子のネイトにも読み聞かせているんですよ♪」
初めて王都の年越しパーティーで会った時、アシュリーは祖父の愛蔵本で有る、セイル家がモデルの戦記や冒険物といった本が有る事や、その場所を教えていたのだ。
レイニーは幼少期に難しい本を沢山読むよう親から強要された為、本に対する苦手意識が強いのですと口にしたので、セイル家がモデルの伝記、戦記や冒険物なら楽しいですよ。ゴート家に有るので、暇になったら読んでみて下さいと言い、その内容を少し喋ればレイニーは面白そうだと目を輝かせた。
ネイル達がゴート家に到着し、ネイルが雑務に追われ、時間を持て余していたレイニーにとって、良い暇潰しになったのだった。
ゴート家に元々有ったアンティーク調の家具は、父親が古めかしいだけだと言い、物置部屋へと入れられ、新しい物を買い入れていたが、ネイルは新しい物では無く、古いアンティーク調の家具を気に入ったらしく、それが使用されていた事に、アシュリーは喜んでいた。
新しい物と言えば聞こえは良いが、邸の雰囲気とは全くそぐわない、統一性に欠けた物だった。
元々邸に有ったアンティーク調の家具は、重厚感が有り華美では無いが、所々に凝った細工が施して有るのに対して、新しい家具は、派手な細工でパッと見は華美に見えるが、よくよく見れば細かな細工は雑だった物が殆どだ。
父親は、元々邸に有ったアンティーク調の家具は、古めかしいから売れないと思い込んでいたようだが、目の肥えた貴族が見れば、どちらが高い物かは直ぐに判るだろうし、見る人が見れば、大金を積んでも手に入れたいと思う物だろう。
勿論、侯爵家の出自で有るネイルは、物置部屋に入れられていた家具を見て、この家具の価値すら判らないなんて、馬鹿にも程が有るだろうと呆れてはいたが。
アシュリーの部屋は、アシュリーが家を出た後、サラが物置として散らかしていたが、今は子供部屋になっていた。
実は、ネイルとレイニーには、第一子が誕生していたのだ。
子供は男の子で、名をネイト。
外見はネイルに似たようだが、今はお昼寝中なので、スヤスヤと眠っている。
将来は物凄くモテる事になりそうだ。
「この子はどうやら私の特性を継いでいるようですよ。この子がレイニーのお腹に居た時に、私が手を加えなくても植物が枯れずに済んだので、植物の改良が出来たのかと思っていたのですが、この子がお腹に居る事が判明し、産まれた後は元の状態に戻っていましたから」
「余計な事は言わなくても良いです!ネイル様の意地悪!!」
レイニーはネイトを起こさないように、小声でネイルに抗議するも、ネイルはどこ吹く風と言った感じだろう。
「余計な事では無いよ。私はレイニーのその能力も含めて、心底愛しているのだから」
ネイルに真顔で言い返されて、二の句を告げられないレイニー。
この夫婦も相変わらずのようだ。
「レニー様、本は読まれましたか?」
「あっ、はいっ!とっても面白かったです!邸に着いて直ぐ、アーシュ様に教えて頂いた物を見付けてからは、何度も読み返してます!息子のネイトにも読み聞かせているんですよ♪」
初めて王都の年越しパーティーで会った時、アシュリーは祖父の愛蔵本で有る、セイル家がモデルの戦記や冒険物といった本が有る事や、その場所を教えていたのだ。
レイニーは幼少期に難しい本を沢山読むよう親から強要された為、本に対する苦手意識が強いのですと口にしたので、セイル家がモデルの伝記、戦記や冒険物なら楽しいですよ。ゴート家に有るので、暇になったら読んでみて下さいと言い、その内容を少し喋ればレイニーは面白そうだと目を輝かせた。
ネイル達がゴート家に到着し、ネイルが雑務に追われ、時間を持て余していたレイニーにとって、良い暇潰しになったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9,191
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる