氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 リラが三人目となる女の子、カレンを産んだ三ヶ月後、アシュリーが産気付いた。

 ジアンは両親の部屋、寝室の手前に有る部屋のカウチで、祖父母と一緒に居るが、寝室の扉は少しだけ開いており、中の様子が聴こえて来る。

 アシュリーの叫び声に、ジアンは不安で仕方無い。

 ジアンも望んだ事とは言え、アシュリーがこれ程の苦痛を伴うとは思ってなかったのだ。

 真っ青な顔で震えるジアンに、ジルギリスとリリーは両側からジアンの肩を抱き、震える手を握る。


「大丈夫よ。これは母親になる通過儀礼だから。腕の良いお医者様も付いてるし、ジーンが傍に居るから大丈夫。ジアンの時も、ジーンがずっと傍に居て、ジアンが産まれるのを待っていたのよ」

「私達は待つ事しか出来ないが、一生懸命祈って応援しよう。そして、産まれて来たら、沢山可愛がって、確りと守って上げようね」


 そうしてどれ程の時が経ったのか、寝室から、元気な産声が聴こえて来た。


「……産まれ、たの?」

「ああ!無事に産まれたようだ」

「元気な産声ねぇ!ほらジアン。先に会いに行きなさい」

「うん!」


 寝室へと駆け寄り、ノックをするジアン。

 中からジーンの返事が有り、顔を覗かせれるだけ扉を開ける。


「父様、入っても良い?」

「勿論だ。おいで」


 ジーンに近付くとジーンは腕の中の赤子をジアンにも見えるように屈む。


「ジアンの妹だよ。抱いてご覧。落とさないように気を付けて」


 恐る恐るジアンが腕を出し、思いの外ずっしりとした赤子を抱き止める。


「色合いは私だが、アーシュに似たようだ。ジアンも私と共に、この子を守ってくれるか?」

「うん。約束するよ、僕。……名前は?この子の名前はもう決まってるの?」

「名前はアイリス。アイリス=エヴァンスだ。お祖父様とお祖母様にも、アイリスを会わせてあげよう。後、階下に来ているお客人にもだ」

「うん!アイリス、僕が君のお兄ちゃんだからね♪他の皆にも会わせてあげるからね♪」


 ヨタヨタと大事そうに抱えるジアンに、女医が付き添う。

 ジアンが危なっかしいのも有るが、疲れているアシュリーを休ませる為でも有る。

 そうしてジアンはアイリスを連れて寝室を出、アイリスを抱えたままジルギリスに抱き上げられて、クルルフォーン家の皆とアナスタシアが居る階下へと下りていった。


「僕の妹のアイリス=エヴァンスだよ♪皆、僕と同じように仲良くしてね!」


 この日のエヴァンス家では、新しい生命の誕生に祝いの宴を開き、夜遅くまで賑わっていた。
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