773 / 806
後日談
10
しおりを挟む
ミリアムの元婚約者の家では、王宮の噂を耳にして、侯爵が顔を青ざめさせていた。
息子が原因とは言え、同格の貴族子息は既に婚約者が居るだろうし、格下の貴族が相手だと、ミリアムの生活基準が落ちるし、相手の子息も嫁の方が家格や武芸が上となれば、引け目に感じて嫌がるに違いないから、当分の間は相手が見付からないだろうと高を括っていた。
それに、爵位の無い平民に嫁がせれば、そんな相手にしか嫁げなかったのかと社交の場で更なる笑い者にされるから、ちょっとした行き違い、嫉妬した息子が起こした痴話喧嘩として婚約を継続して欲しいと頼み込んでいたのだ。
当然息子には再教育を施すし、息子を一から鍛えて貰っても構わないと言って有るし、行き遅れと言われるよりかは良いだろうとも言って置いた。
ただ、ミリアムの父のローレン侯爵からは、色好い返事は貰えてはいないが。
それでも次の婚約が決まるまではと何度も手紙を出していたし、そんな直ぐに次の婚約が決まるとは思ってもいなかったのだから、噂を聞くまでは、長期戦の構えで居たのだ。
きっとローレン侯爵が折れるだろうと。
それなのに、ミリアムに次の婚約話が進んでいる事にも驚きだが、その相手は予想すらしていない相手だった。
相手が普通の平民ならば、歯牙にも掛けなかっただろう。
だが、今回の相手はただの平民では無い。
元エヴァンス侯爵家の使用人で、現在はクルルフォーン公爵家の使用人。その上、ローズウッド公爵とも縁が有り、国王陛下夫妻とも面識が有ると言われている。そして、騎士達の間で他国の王族だか貴族だかと囁かれている前国王陛下のお墨付きで、前近衛団長と現近衛団長の指導をした凄腕の指南者と言われている男の愛弟子だ。
二つの公爵家と縁が有り、尚且つ代々国の中枢を担う侯爵家とまで縁が有り、国王陛下夫妻の覚え目出度い人材なんて、そうは居ない。
それが平民なら尚更だし、そんな人材なら平民だろうとどこの貴族家だろうと是が非でも獲得したい逸材だろう。
この話が、突拍子も無い単なる眉唾物なら笑い飛ばせるだろうが、噂の出所はミリアムの従兄に当たるローズウッド公爵の次男。
しかも、ミリアムの噂は、その次男とセットと言う形で流れているのだから、信憑性は高いだろう。
早急に事実確認をしなければと、ローレン侯爵家に、至急会って話したいと記した手紙を出し、何とか約束を取り付けた。
そして約束の日の当日。
ローレン邸にてルークスが待ち構えて居た事すら知らずに、侯爵はローレン邸へと向かったのだった。
息子が原因とは言え、同格の貴族子息は既に婚約者が居るだろうし、格下の貴族が相手だと、ミリアムの生活基準が落ちるし、相手の子息も嫁の方が家格や武芸が上となれば、引け目に感じて嫌がるに違いないから、当分の間は相手が見付からないだろうと高を括っていた。
それに、爵位の無い平民に嫁がせれば、そんな相手にしか嫁げなかったのかと社交の場で更なる笑い者にされるから、ちょっとした行き違い、嫉妬した息子が起こした痴話喧嘩として婚約を継続して欲しいと頼み込んでいたのだ。
当然息子には再教育を施すし、息子を一から鍛えて貰っても構わないと言って有るし、行き遅れと言われるよりかは良いだろうとも言って置いた。
ただ、ミリアムの父のローレン侯爵からは、色好い返事は貰えてはいないが。
それでも次の婚約が決まるまではと何度も手紙を出していたし、そんな直ぐに次の婚約が決まるとは思ってもいなかったのだから、噂を聞くまでは、長期戦の構えで居たのだ。
きっとローレン侯爵が折れるだろうと。
それなのに、ミリアムに次の婚約話が進んでいる事にも驚きだが、その相手は予想すらしていない相手だった。
相手が普通の平民ならば、歯牙にも掛けなかっただろう。
だが、今回の相手はただの平民では無い。
元エヴァンス侯爵家の使用人で、現在はクルルフォーン公爵家の使用人。その上、ローズウッド公爵とも縁が有り、国王陛下夫妻とも面識が有ると言われている。そして、騎士達の間で他国の王族だか貴族だかと囁かれている前国王陛下のお墨付きで、前近衛団長と現近衛団長の指導をした凄腕の指南者と言われている男の愛弟子だ。
二つの公爵家と縁が有り、尚且つ代々国の中枢を担う侯爵家とまで縁が有り、国王陛下夫妻の覚え目出度い人材なんて、そうは居ない。
それが平民なら尚更だし、そんな人材なら平民だろうとどこの貴族家だろうと是が非でも獲得したい逸材だろう。
この話が、突拍子も無い単なる眉唾物なら笑い飛ばせるだろうが、噂の出所はミリアムの従兄に当たるローズウッド公爵の次男。
しかも、ミリアムの噂は、その次男とセットと言う形で流れているのだから、信憑性は高いだろう。
早急に事実確認をしなければと、ローレン侯爵家に、至急会って話したいと記した手紙を出し、何とか約束を取り付けた。
そして約束の日の当日。
ローレン邸にてルークスが待ち構えて居た事すら知らずに、侯爵はローレン邸へと向かったのだった。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる