氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 双子達の結婚は、二年後の十八歳を目処に、話が進められた。

 貴族女性の結婚適齢期は十六歳からでは有るが、十六~十七歳は基本、家の事情に依り婚姻を急ぐ場合が殆どで、男性の場合の適齢期は学院を卒業後の十八歳から。

 ミリアムの場合、前回相手に婚約を破棄されたが、こちらに疚しい事は無いし、本来は十八で結婚する予定だったので、三人が十八になってからでも遅くは無いとの判断だ。

 あまり早く済ませても、どちらかに急ぐ理由でも有るのかと勘繰る輩が出ないとは言えないのが貴族社会だ。

 クルルフォーン家の関係者との縁組みを、羨み妬む者達だって確実に居るだろう。

 元々エドワルドに取り入りたいと思ってた者達も多かったが、リラの本性を知り、お近付きになりたい者達が更に増えてはいるが、そんな隙を与えないのがエドワルドとジーンなのだから、どれだけ頑張ろうと近付けないのが現状だ。

 ローズウッド家は元々エドワルドと親交が有ったが、ローレン家はローズウッド家との親戚とは言え、社交場ではそれ程親しく見えなかった為、ミリアムの元婚約者の家も次男とは言えローズウッドの関係者が関与してくるとは思ってもいなかったのだろう。

 実際は親しい間柄だが、それを知る者は少ない。

 シリウスが公私混同をせずにいたからだが、公私混同をしていたら、ローレン家はローズウッド家に取り入りたい貴族達からの猛烈なアプローチを受けていた筈だ。

 公爵家とは言え、問題の多い隣国ドレファンと隣接する故に、年間の殆どを領地で過ごすローズウッド家が、王都に比較的近くの領地を持ち、王都に居る事の多いローレン家を常に守る事は不可能だった。

 数年前までは。

 隣国がこの国に喧嘩を吹っ掛けて来なければ、今でもバルトは隣国を警戒していただろうし、双子達に出会えた時期が、クルルフォーン公爵夫妻の婚姻後だった可能性も有るだろうし、その場合、今回のような縁談話が持ち上がらなかった可能性も否定出来ない。

 まぁ、七十年程前の教訓を生かして居れば、この国に喧嘩を吹っ掛ける事すら無かっただろうから、隣国に感謝する気は更々無いし、この国の怒らせてはいけない複数の者達の地雷を幾つも踏み付け、誘発もさせているのだから、自業自得でしか無いのだが。

 今では隣国との問題も解決した為、バルトはもう一人の息子に領地を任せて、王都中心の生活を過ごしても問題無い。

 今後ローレン家と表立った交流をしても、横槍や猛烈なアプローチを阻止する事が出来るだろう。

 しかもそれは、ローズウッド家に限らず、クルルフォーン家も結託してくれるのだから。

 今までローレン家を、高位公爵との縁を無駄にしてる、取るに足らない侯爵家だと思い込んでた連中は、過去に下した自らの判断ミスを嘆く事になるのだった。
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