氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 お茶会はほのぼの和気藹々の雰囲気で始まり、バルトがクルルフォーン家とローレン家の橋渡し的に積極的に動いてくれる。

 バルトはリラを褒め称え、もう一人の息子のような存在で有るエドワルドが幸せそうで嬉しいと喜び、双子達との交流を楽しむ。

 エドワルドの幼少期を知るバルトから見れば、エドワルドは随分変わったと感じる事だろう。

 無感情で他人を寄せ付けず、まるで人形の様だと言われ続け、人にも物にも何一つ執着しなかった幼少期。大人になってもそれは変わらず、このまま独りで生涯を終えてしまうのだろうかと案じていた矢先のある日、とある令嬢と婚約すると耳にして、どれ程驚いた事か。

 心配して様子見に、王都の夜会へと参加すれば、その令嬢に、今まで誰にも見せた事の無い、甘く優しい眼差しと柔らかな笑顔で接していたから、やっと心を捧げられる相手に巡り会えたのだと、バルトは安心出来た程だ。

 その令嬢の所に、今までずっと会いたいと思っていたアイザーク族の子が居て、その上彼等は前公爵のバルトの父親と親交の有った青年の孫だった。

 エドワルドが彼女を好きにならなければ、一生会う機会も無かっただろう事を思うと、縁とは不思議な物だと思わずにはいられない。

 しかも、その会いたかったアイザーク族の子供達と、自身の息子や姪とが結ばれる事になったのだから。

 夜は、ルナやルネと親しい使用人達を交えての晩餐と言う名の宴に誘われ、双子の普段の様子や、双子がリラに保護された当時の出来事等も面白可笑しく語られる。

 曰く、保護された当初は警戒心が強くて浴場に入れるのも大変だったとか、部屋を別々にしようとしたら抱き合って思いっ切り拒否されたとか、着せ替えを楽しんだら暫く警戒して近付かなくなったとか。


「「だって、離される、思った。それに、目が光ってて、怖い、思った」」


 双子はちょっぴり拗ねるが、そんな姿も可愛いだけだ。

 警戒する双子。それはそれで見たかったと、ローズウッド家とローレン家の面々は思った事だろう。

 そして、双子達だけだと不公平だろうと、ルークスやミリアムの、何気無い昔話と言う名のちょっとした暴露話を披露した。

 例えば、ルークスは子供の頃、線が細く母親のセシルに似ていた為、男の子の格好をした女の子と思われ、絡んで来た令息を力で捩じ伏せていたとか、ルークスが相応しく無い兄の嫁候補者達を、裏で罠に掛け、二度と近付かない等の念書を書かせていたりしていた事、ミリアムは幼い頃、兄が欲しくてローズウッド家の子供になる~!と駄々を捏ねた事が有るといった事だ。

 その話をされたルークスは、昔の話ですよと笑顔で受け流し、ミリアムは双子達のようにちょっぴり拗ねたのだった。
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