出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 既に周りからはシーラを非難する小声が囁かれている。彼女はエンヤと違い、知ってて話題に出したのだから、知らなかったエンヤよりも悪意があるんじゃないかと捉えられたのと、彼等がカルラを気にしてる事も原因の一つだろう。

 明らかに彼等はカルラに声を掛けようとしているが、何を言えばいいのか悩んでいる様子を見せている。


「あたしの事は放って置いて。帰らないなら座って。背後は嫌よ」

「あ、うん。了解」


 ヒューリーがカルラの横にイスを置く。

 (横、近い。まぁいいわ。彼に悪意は無いし、周りはあたしに同情的だから。シーラさんと一緒にいた人達も、巻き沿いは食らいたくないようだから、シーラさんを切り捨てる気みたいだし、迂闊な事は言えないでしょうから)


「あの、カルラさん……」

「座らないの?ザアイさん」

「座ります。ですが、その、どうして彼女には話したのですか?私達には言わずにいたのに」

「だって、シーラさんは同性だし、頼りになりそうだもの。初対面で悪印象の強い相手に嫌な事言われて、本当の事話すと思う?」

「!!!あなた、もしかして?!」

「どうしたの?シーラさん。あたし、何か変な事言った?」


 カルラは真顔で首を傾げて聞き返す。

 勿論、シーラの言いたい事は解っているが、敢えて言わない。そもそも、家族の殆どを亡くしているのは本当だし、兄と慕うヴィートがいるのも本当だ。


「あなた、私に嘘を吐いたのね?!」

「……嘘?酷い言いようね。あたしがいつ、シーラさんに嘘を吐いたと言うの?シーラさんはあたしに嘘を吐かれるような事をしたの?ねぇ、教えてよ」


 カルラの瞳の奥に、怒りが宿る。

 (村を廃墟にされ、家族の遺体を埋め、魔力研究所に捕まり人体実験モルモットにされ、その欠片も味わった事が無い平穏無事な暮らしをしてる癖に、人の人生にケチ付けてんじゃないわよ!)

 カルラの尋常じゃない怒気を向けられたシーラは蒼白になり、冷や汗と震えが止まらない。

 殺気とまではいかないが、普通の人には充分威圧になるし、普通に暮らしていたら向けられない類いのものだ。

 周りの女性達は、カルラの怒りを当然だと理解する。

 頼りにしていた相手に話した事を、彼等の気を惹く為に使われ、挙げ句、嘘つき呼ばわりなんて、怒らない方がおかしいだろうと。

 シーラは一人、悪者と認定され、完全に孤立状態へと追い込まれた。
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