59 / 116
56
しおりを挟む
分かれ道が目の前に見えた時、思わずここで別れられたら……とカルラが思ってしまうが、ティファの為、ティファの為と頭の中で唱える。
昼近くになり、道から少し離れた場所で昼食を作る事に。その前に、カルラは周辺にある新鮮食材を取りに行くと伝えると、ティファが不安そうにするので、ヒューリーに荷物持ちさせるから大丈夫だと言って頷かせる。
速度は合わせていたものの、歩き慣れないティファがずっと歩いていたので、ティファを休ませる事にしたが、もっと沢山歩き慣れたら一緒に探索しようねとカルラが言えば、ティファは嬉しそうに何度も頷く。
「僕は嬉しいけど、もしかしてお嬢って、ザアイ苦手?」
「苦手以前にあんな腹黒、関わりたくないわ。鬼門の上に腹黒なんて、厄介事でしかないじゃない」
「お嬢、ザアイが腹黒って気付いてたんだ?!」
「気付かない訳ないじゃない。あれは腹黒外見詐欺よ」
カルラの言葉の意味を理解し、ヒューリーが肩を震わせ笑いを堪えている。
「はっ……腹黒外見詐欺っっ……!!」
が、その声も震えて、明らかに笑いを堪えているのがバレバレである。
「……本人いないんだし、声出して笑えば?」
「あははははっ!お嬢ぐらいだよ!ザアイをそんな風に言うの!!はっ、腹黒はともかくっ、がっ、外見詐欺ってっっ。くっくっくっ、お嬢っ、凄いよっ、本当っ、尊敬する!」
「それはどうも?」
「はぁ~……久々だよ、こんなに笑ったの。お嬢って不思議だよね。僕達でも聞き惚れるザアイの声にも無反応だし、辛辣だし。その癖ティファには甘いけど、ただ甘やかすだけじゃなく先を見据えた行動をしてるよね。まるで、先駆者のように」
(だから嫌なのよ。物事を多面的に見る油断ならない男は。軽薄そうに見えて、よく見てるのよね。もしかして、視覚能力者かしら?うわぁ~、もしそうなら面倒~)
全ての人が当て嵌まる訳ではないが、視覚能力者の場合、大体2パターンに分かれる。その能力を過信するタイプと、能力を強化もしくは補助として使用する為に、周囲に気を配り、視覚で情報や能力を補おうとするタイプだ。
勿論、視覚能力者以外にもいくらでもいるだろうが、真眼持ちの守護者になら、一人はいるだろうとカルラが予測をしただけの事だ。
まぁ、カルラの前で能力を使用すれば、どんな能力だろうとカルラにはバレるのだが。
昼近くになり、道から少し離れた場所で昼食を作る事に。その前に、カルラは周辺にある新鮮食材を取りに行くと伝えると、ティファが不安そうにするので、ヒューリーに荷物持ちさせるから大丈夫だと言って頷かせる。
速度は合わせていたものの、歩き慣れないティファがずっと歩いていたので、ティファを休ませる事にしたが、もっと沢山歩き慣れたら一緒に探索しようねとカルラが言えば、ティファは嬉しそうに何度も頷く。
「僕は嬉しいけど、もしかしてお嬢って、ザアイ苦手?」
「苦手以前にあんな腹黒、関わりたくないわ。鬼門の上に腹黒なんて、厄介事でしかないじゃない」
「お嬢、ザアイが腹黒って気付いてたんだ?!」
「気付かない訳ないじゃない。あれは腹黒外見詐欺よ」
カルラの言葉の意味を理解し、ヒューリーが肩を震わせ笑いを堪えている。
「はっ……腹黒外見詐欺っっ……!!」
が、その声も震えて、明らかに笑いを堪えているのがバレバレである。
「……本人いないんだし、声出して笑えば?」
「あははははっ!お嬢ぐらいだよ!ザアイをそんな風に言うの!!はっ、腹黒はともかくっ、がっ、外見詐欺ってっっ。くっくっくっ、お嬢っ、凄いよっ、本当っ、尊敬する!」
「それはどうも?」
「はぁ~……久々だよ、こんなに笑ったの。お嬢って不思議だよね。僕達でも聞き惚れるザアイの声にも無反応だし、辛辣だし。その癖ティファには甘いけど、ただ甘やかすだけじゃなく先を見据えた行動をしてるよね。まるで、先駆者のように」
(だから嫌なのよ。物事を多面的に見る油断ならない男は。軽薄そうに見えて、よく見てるのよね。もしかして、視覚能力者かしら?うわぁ~、もしそうなら面倒~)
全ての人が当て嵌まる訳ではないが、視覚能力者の場合、大体2パターンに分かれる。その能力を過信するタイプと、能力を強化もしくは補助として使用する為に、周囲に気を配り、視覚で情報や能力を補おうとするタイプだ。
勿論、視覚能力者以外にもいくらでもいるだろうが、真眼持ちの守護者になら、一人はいるだろうとカルラが予測をしただけの事だ。
まぁ、カルラの前で能力を使用すれば、どんな能力だろうとカルラにはバレるのだが。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる